酸素に関連した俳句の例をまとめました。
酸素を含む俳句例
水見えぬ酸素袋に金の荷/中田勘一
造船所寒燈も酸素の火も裸/西東三鬼
教科書は酸素不足や冬深し/内山思考
湯上がりの酸素の旨し桂郎忌/浜明史
金売魔法の酸素吹き入るる/小林春水
履歴書に遺す帝国酸素かな/攝津幸彦
綿虫のまはりの酸素世界とは/須藤徹
酸素吸ふ鉄の肺めき冴返る/徳武和美
酸素吸入額を去らぬ春の蝿/成川仙火
梅雨の朝酸素分子も緑なり/榎本泰子
青梅の香りどこより酸素吸ふ/徳武和美
酸素足ればわが掌も赤し梅擬/石田波郷
しんかんと酸素を売れり星祭/杉本雷造
仏法僧生きるに一途酸素吸ふ/徳武和美
厳寒の何に化さんと酸素吸ふ/野澤節子
咽喉口に酸素つめたし秋海棠/石田波郷
五六粒照り合ふ栗や酸素吸ふ/羽田貞雄
巌寒の何に化さんと酸素吸ふ/野澤節子
新涼や酸素の薄い街に居て/田原ますみ
林中を酸素ゆたかに春着の子/原子公平
俳句例:21句目~
秋の暮食後の酸素夫が吸ふ/石田あき子
秋ははて酸素ぶくぶく水族館/櫂未知子
酸素吸ひ泣けば冬月歪むかな/徳武和美
酸素吸ふ夫まざまざと稲光/石田あき子
酸素吸ふ師を見てをりぬ楢若葉/岸田稚
栗飯や酸素を吸はぬ夫うれし/石田あき子
痒い鉄錆肺で酸素をもやせども/佐藤鬼房
海べの男酸素工場の夜業で銹びる/穴井太
酢のものを抓む酸素のこと思ひ/攝津幸彦
向日葵に囲まれ酸素不足なり/山崎せつ子
ここに酸素湧く泉ありクリスマス/石田波郷
酸素テントに護られゐるや雪の界/白松達夫
酸素ボンベころがり松もとれし町/岩崎健一
酸素ボンベころがり路地の冬終る/菖蒲あや
酸素うましといふ師がかなし法師蝉/岸田稚
トラックの酸素の瓶に梅雨はげし/横山房子
雪あかり酸素外れてゐたりけり/石田あき子
酸素マスク掛けチチカカの船遊び/品川鈴子
酸素さはに吸はせて除夜の患者守る/佐藤斗星
酸素吸ふ夫の荒息三ケ日/大川幸子/『小春日和』
俳句例:41句目~
『月に吠える』が書かれた部屋だ薄い酸素/伊丹公子