秋の螢に関連した俳句の例をまとめました。
秋の螢を含む俳句例
秋蛍六斎宿の灯の先に/田中英子
螢籠秋の螢となりにけり/小澤實
霧に消え霧に光りて秋蛍/山田流
我耳に風吹く秋の蛍かな/藤野古白
今生の狂ひが足らず秋螢/手塚美佐
恋此頃秋の螢に句多かり/寺田寅彦
雪舟は多くのこらず秋螢/田中裕明
明滅の滅のふかまり秋螢/平井照敏
秋蛍女ちひさくこごみゐつ/上村占
秋蛍放てば草に縋りけり/宮下翠舟
秋の螢女は夜を淋しがる/石井露月
秋の蛍女は夜を淋しがる/石井露月
焼砂に細るる秋の蛍かな/室生犀星
みぞおちの湿り具合や秋蛍/塚越美子
ゆら~と秋の螢の水に落つ/寺田寅彦
寂寞と秋の蛍の翅をたたむ/飯田蛇笏
寂然と残る蛍となりて野に/中村苑子
普陀落や竹にやどかる秋蛍/飯田蛇笏
月代にあがりて淡し秋螢/相生垣瓜人
沼の香の他界を見たる秋螢/河野南畦
俳句例:21句目~
秋蛍夕ひと刻のものあはれ/飯田蛇笏
秋蛍生ける証の火をともす/斎藤丹岳
秋蛍草葉の闇のゆるびけり/山口草堂
秋螢夕ひと刻のものあはれ/飯田蛇笏
たま~に大なる秋の蛍かな/佐藤紅緑
刃こぼれの匂ひのしたる秋螢/佐藤鬼房
咳の夜のわれを照らして秋螢/日野草城
思ひ寝とみわけがたくて病螢/清水径子
くきと骨鳴らして秋の蛍見に/榎本好宏
秋蛍ぬくき真暗がりよりこぼる/菅裸馬
秋蛍つちくれ抱いて光りけり/山本村家
白光の湯冷めをそそる秋蛍/殿村菟絲子
茗荷畑のしめりに秋の蛍かな/山口暁堂
秀野忌や秋の螢を病むといふ/石川桂郎
病螢苦しくなれば寝てゐます/平井照敏
秋の蛍尾花が袖にすがりたる/福田把栗
水くぐり来し火か漏れて秋螢/井沢正江
秋の螢風の芒に飛びもやらず/寺田寅彦
草深く秋の螢の落ちやまず/相生垣瓜人
木の霊に攫はれゆけり秋螢/古賀まり子
俳句例:41句目~
雨に閉す障子に秋の螢かな/大場白水郎
金印の島秋ぼたる這ふのみと/高千夏子
たましひのたとへば秋の螢かな/飯田蛇笏
秋螢田の面つまづきがちに飛ぶ/飯田晴子
蕎麦をひく水車のかげの秋螢/伊藤いと子
山の湯にたまたま秋の螢かな/加藤三七子
病む吾子に秋の蛍の飼はれあり/中島畦雨
またたきをはやめて残る螢かな/松村蒼石
秋螢揚げ藻にともるよるべなさ/佐野まもる
秋螢とてかなしきものを貰ひけり/能村登四郎