煙草火/莨火に関連した俳句の例をまとめました。
煙草火/莨火を含む俳句例
煙草火を海南風の中に乞ふ/誓子
莨火の貸借一つ枯峠/上田五千石
秋思あり莨火風に燃えやすく/麦南
舟人の莨火もえぬ秋の海/飯田蛇笏
胸板に莨火うつる裸かな/橋本鶏二
寝積むや煙草火つくり独言/巌谷小波
莨火捨て公の湖くもらせる/青木泰夫
秋風にかがみ煙草火つく女/京極杞陽
簗番の莨火見ゆる橋の上/伊藤いと子
日いでて煙草火わかつ冬磧/堀風祭子
煙草火の吸へば明るく梅夕ベ/たかし
莨火をかばふ埋立冬一色/秋元不死男
初凪の煙草火砂にさして消す/藤井亘
煙草火に冬田は闇を匂はしぬ/有働亨
煙草火に読む腕時計夜水番/宮野寸青
くはへゐる煙草火うつり蝌蚪の水/林火
遠花火我は煙草火投げ上げて/右城暮石
巨石占めて莨火擦るや谷の梅/渡辺水巴
莨火もねむる妻子も梅雨の闇/西島麥南
煙草火の近づいて来る秋の暮/牛山/敏
俳句例:21句目~
莨火を咎めて葦を刈りにけり/小西須麻
莨火をわかつやとゞろ雪起し/相川背水
寒釣りの莨火ともす孤影かな/西島麦南
煙草火をこぼして赤し草の露/西山泊雲
かまくらに莨火ひとつ息づけり/横山房子
てのひらに消す莨火や鴨を待つ/橋本鶏二
ひとり夜の煙草火で焼く蝗かな/赤尾兜子
恃みなき梅雨の莨火芙美子の忌/小林康治
木犀や片目つむりに莨火つく/千代田葛彦
煙草火のじんじん赤き鳴鳥狩/夏井いつき
煙草火に闇が吸ひつく青葉冷え/西谷是空
煙草火の近づいてくる寒夜かな/盛生高子
煙草火に指ぬくめて去年今年/秋元不死男
煙草火に団扇かさして看るや山/尾崎紅葉
炉に跼み短き煙草火を得たり/米沢吾亦紅
莨火を樹で消し母校よりはなる/寺山修司
山を売る煙草火を炉に深く挿し/小林波禮
螢火に赤き煙草火ひとつくる/百合山羽公
邯鄲を聞く煙草火か動かざる/阿部ひろし
ローダンセ娘は莨火をくはへをり/石原八束
俳句例:41句目~
煙草火を借りて離任す多喜二の忌/国枝隆生
触れて鳴る保護帽莨火まず頒つ/政野すず子
夜鴨撃掌に煙草火をかばひ待つ/米澤吾亦虹
雪歇みて晴れず煙草火銜へをり/篠田悌二郎
燭の灯を煙草火としつチエホフ忌/中村草田男
かつぎ屋に煙草火借るも狩づかれ/米沢吾亦紅
蝌蚪の水に煙草火投げて訪ひにけり/吉岡禅寺洞
ビロウに夕闇左遷教師の煙草火燃え/伊丹三樹彦