能の面/能面に関連した俳句の例をまとめました。
能の面/能面を含む俳句例
能面に紐通す穴春愁/山田千秋
余生には能面ほしき雪女/田中君恵
能面は耳もて拝す桜蘂/山田ひとみ
花了り昼夜能面並べおく/伊藤敬子
新涼や能面並ぶ暗き部屋/井上恵子
能面の尉が天向く目借時/佐川広治
能面に言葉就きゆく秋の暮/原和子
能面の唇に塗りたし鳥兜/阿部佑介
春雷や能面赤き唇を持つ/豊東蘇人
能面に痩男あり蘆を刈る/後藤夜半
能面の百種百相お風入れ/岸間光女
能面のくだけて月の港かな/黒田杏子
能面の笑みの妖しき五月闇/尾形柿園
能面の翳うるみけり春の宵/橋井律子
肘あげて能面つけぬ秋の風/小川軽舟
能面の裏に入り込む冬の雷/北見静香
能面の鬚抜けし穴みどり風/小山和男
鴨くると能面蔵の小窓かな/山本洋子
能面を神とし祭り麻を刈る/岸/霜蔭
静かなる能面の内の汗想ふ/鈴木鷹夫
俳句例:21句目~
能面か霧か米代川足れり/諸角せつ子
能面と寒きはいづれ宿痾妻/石原八束
能面に月照り半顔微笑せり/川西弘楽
能面のうすき翳りも春の暮/新島艶女
能面に血の通ひ出す雪の夜/吉田輝二
能面のごとき朝日や霧の中/長山あや
地虫鳴く声を能面じつと聞く/品川鈴子
夜鷹鳴き能面ひとつ口ひらく/堀口星眠
春惜しむ手の能面を紐ながれ/皆吉爽雨
春雷や素彫り能面眼を持たず/松本幹雄
枯菊を焚く能面のやうな風/小島とよ子
汗ばみもせず能面のうす嗤う/島田房生
春惜しむ膝の能面昨日舞ひし/皆吉爽雨
能面の師走或る夜の貌の我れ/河野南畦
能面の裏に溜まりし涙かな/関口比良男
能面の裏を返せば時雨れけり/清水道子
能面をとりて流るゝ汗拭かず/小島梅雨
能面の窶れてをりし寒九かな/佐々木禎
能面を着けてこれより雪女/有馬ひろこ
能面のうちに泣くこゑ朧にて/猪俣千代子
俳句例:41句目~
能面に見られてゐたり風邪心地/廣瀬直人
能面のごとき痴れ人ツリー撫づ/依田/恵
能面の目の奥くらし菜種梅雨/木村里風子
能面を雪に置きたる祈りかな/吉本伊智朗
能面展出て木枯に顔奪はる/鍵和田ゆう子
能面に見つめられたる秋思かな/大竹多可志
能面の目のうるみきし良夜かな/上野美智子
真夜中の能面かなしみの樹に向かい/室生幸太郎
能の面のような少女の顔麦笛吹いて/吉岡禅寺洞