俳句例:101句目~
一生の今涼風の仏かな/笹目翠風
鉈彫の一仏花菜明りかな/長田等
木の秋思石の秋思の仏たち/濁水
金色の仏ぞおはす蕨かな/秋櫻子
一門に一石萩の無縁仏/古舘曹人
天竺の仏は何を衣かへ/正岡子規
太平の刀ためすや雪佛/正岡子規
奥えぞの金の仏に初蛙/沢木欣一
億万の仏の露の高野山/皿井旭川
里帰りてふ一仏や冬灯/吉田/豊
枳殻も苅り揃へたり仏生会/山店
仏恩に熱き涙や二日灸/小杉余子
紅梅の寺金色の仏ます/本宮鬼首
紅の落椿なり無縁仏/両角つぎ子
如月や石の佛に石の衣/手塚七木
元旦の仏に灯し絵蝋燭/撫養百美
粥柱神と仏の並ぶ部屋/若井新一
先ぶれは遍路の鈴や仏舞/林和子
仏書より好きな俳書や冬籠/月尚
仏書幡く蟻来る明るし/喜谷六花
俳句例:121句目~
運慶が子供遊びや雪佛/正岡子規
寒菊を仏にいつも~哉/松瀬青々
逆縁の仏に迎鐘を撞く/矢倉矢行
如月や薄き衣の仏たち/藤崎/実
妻と酌む妻は佛や温め酒/森澄雄
六月の青嶺仏相嶽鬼相/西本一都
乾鮭の奥の灯明り新仏/飯田龍太
迎鐘一打に迎ふ幾仏/松村日出子
此頃は柚子を仏に奉る/高浜虚子
輪飾や雨に打たるる仏にも/民郎
争ひを仏嘉する裸挿し/宮津昭彦
節分の仏に供ふ豆大福/倉若つま
二日見る仏の飯やきり~す/暁台
筍の尖きが笑へる仏顔/河野南畦
寒雷や一尊うかぶ咽仏/赤松恵子
婆つれし佛詣りや稻曇/正岡子規
谿へだて山眠りゆく馬頭仏/林翔
大寺の青き畳や仏生会/佐藤信子
落人の墓に落穂を仏花とす/青畝
五香水仏の臍をみつけたり/麦光
俳句例:141句目~
仏生会鎌倉の空人歩く/川崎展宏
普賢象咲くや恋仏の花盛/翠/室
龍王湯産湯や下だすう初仏/言水
仏あり産湯の加減指をさす/洞雨
笹子鳴く佛の里の佛道/都甲憲生
黄落や仏の膝に深き影/関森勝夫
仏舞果てて山田の遠蛙/小坂栄子
黄水仙ひらく信濃の仏みち/原裕
仏との早き夕餉や盆三日/北村保
行年や仏の花に残る菊/小澤碧童
仏には詫言ばかり初灯/冨澤久枝
麗かや笑ひ仏の農夫顔/羽部洞然
立山を仏と拝む盆の月/松住清文
鳩もきて洗ひ仏に新樹光/杉本寛
冷奴ほとけの夫と半分こ/堀恭子
魂迎仏もふみし細道を/大熊輝一
魂に玉消ぬ仏に萩の露/上島鬼貫
風立ちて仏迎へる道白し/原和子
春深し石の仏は石の声/南雲愁子
月さえて二日に成ぬ雪仏/蒼きう
俳句例:161句目~
冬麗口紅のこる微笑佛/古舘曹人
仏めきて心おかるる蓮かな/秋色
滴りや一仏在す洞の奥/積山茶々
岩群の皆仏界や秋日和/内藤吐天
青嵐仏ヶ浦に舟繋ぐ/高田し然子
冷かや佛燈青く碁の響/正岡子規
露座仏の田植の泥を流す雨/青邨
蜩谷川原仏に深きかな/茂里正治
秋風や甘藷酒通す咽仏/野村喜舟
仏足は動の御気配寒旱/向笠和子
秋風の筏難所の仏かな/森川暁水
露の路地四通八達仏たち/飴山實
雲白く来迎仏も春迎ふ/矢島渚男
岩鼻に佛刻まん夏の海/会津八一
新しき仏間や暁の鱗雲/芦野絢子
雫垂る仏の頬や夏木立/水田正秀
雪柳一枝挿して仏ごと/高澤良一
楓の芽ほぐれ剥落九体仏/松本進
拝む人のつみも消る雪佛/徳/元
尺蠖の真から青し仏径/大中誉子
俳句例:181句目~
梟のつらも仏のわかれかな/白雄
秋深し長病む父の佛顔/町田敏子
かまいたち仏に花を怠れば/黛執
春日ざし歓喜の貌の仏舞/正玄馨
禪僧や佛を賣て納豆汁/正岡子規
神よりも仏は身近霊迎/柳本燕雨
薫風に天平佛の肌拭ふ/狹川青史
神の燭仏の燭も松の内/福田蓼汀
沖膾仏倒しといふ死あり/上村占
春塵のひだ美しき仏達/大橋杣男
さし鯖の仏臭くも哀れなり/五朗
石塊を立てて一仏飾米/古舘曹人
桂郎仏波郷仏問ふ冬隣/相馬遷子
尼寺の佛の花は野菊哉/正岡子規
千枚漬仏と頒けて朝の膳/芝由紀
枯蓮や却て春の仏涅槃/尾崎迷堂
眼裏に仏の鬱金秋日和/手塚美佐
盲仏秋風に灯を盗まれし/樋笠文
百仏に百灯献じ修正会/板谷芳浄
水爽やかに仏性の鯉の髭/森澄雄