坊主を含む俳句例
蕣の花の浮世や斎坊主/立詠
棚経や聲の高さ弟子坊主/其角
月芒拂子線香禪坊主/正岡子規
新渋や雑網綴る甥坊主/石塚友二
小坊主の門に立けり秋の暮/闌更
三千の坊主天窓や時鳥/会津八一
木の瑞の坊主も暑し六月会/麦水
鞍壷に小坊主乗るや大根引/芭蕉
蕾みては百の小坊主夏椿/高澤良一
小坊主の木枕に昼寝かな/中川富女
菅笠や草の茂りの坊主持/水田正秀
黒日傘乞食坊主か高僧か/辻田克巳
招魂の坊主憎くて水無月/筑紫磐井
笛吹いて落第坊主暇あり/石塚友二
夏痩せへ甥の絵文の蛸坊主/飴山實
竜胆の鏡沼熊笹の坊主沼/岡田日郎
夕立を小坊主覗く櫺子かな/森鴎外
此部屋も坊主小し寒の内/正岡子規
兀として坊主椿の花一つ/正岡子規
道慾な坊主錢取る寺の萩/正岡子規
俳句例:21句目~
十一や坊主地獄へ人の列/渡辺立男
小坊主や何を夜長の物思ひ/正岡子規
古庭の萩に錢取る坊主かな/正岡子規
投げられて坊主なりけり辻相撲/其角
梅と坊主匂うべからず警視庁/仁平勝
数へ日や坊主となりし竹箒/大竹耕司
春の夜や伏見の宿の坊主落/正岡子規
朝の馬笑いころげる青坊主/金子兜太
歌留多の釈迦坊主揃ひや涅槃講/九石
ほし合や寺は坊主の蚊帳隣/内藤丈草
水洟の毛坊主の説く観世音/森田公司
花咲いて坊主の顔の黒さ哉/正岡子規
茶の花や坊主の頭五つ六つ/正岡子規
坊主持ち紫陽花寺を迂回せり/仁平勝
妻の座に妻いて朝餉柿坊主/内田恒道
凩のスタスタ坊主の花背越え/鈴木明
菜の花や坊主坐りに讃岐富士/赤松子
雲五月梨青坊主こぞりけり/堀口星眠
投られて坊主也けり辻相撲/榎本其角
三春のことぶれまだか坊主山/高澤良一
俳句例:41句目~
髪かれば坊主かと蠅来るなり/会津八一
小坊主や隠し持ちたる雀の子/円谷枯山
つく~し彼岸坊主は渾名なり/寺田寅彦
楠亭々蝉捕り坊主まだ来ぬ森/高澤良一
魯智深は坊主になりぬ閑古鳥/正岡子規
鯨つく漁父ともならで坊主哉/正岡子規
小坊主の上下着たり水仙花/尾州-素覧
涅槃絵や難陀文殊はどの坊主/中村史邦
坊主刈してきてうごく陽炎か/和知喜八
小坊主や花見の供のひもじ顔/正岡子規
春の田に埃掃き出す坊主かな/前田普羅
茶屋坊主身は芭蕉葉や雨の夜半/調賦子
初午や禰宜と坊主の従弟どし/正岡子規
別筵に坊主もゐたり梅雨の夜/内田百間
十四日年越の坊主おこしかな/籾山梓月
告よ雁かうした坊主穂拾ふと/三千風/
草の芽に坊主地獄の泥飛べり/川口崇子
草箒どれも坊主や返り花/阿部みどり女
蓮の實を探つて見れば坊主哉/正岡子規
今は昔芋ばかり食ひし坊主哉/寺田寅彦
俳句例:61句目~
坊主雲夕日かぶつて哀れなり/太田鴻村
小坊主の太刀はきたがる桜哉/正岡子規
薔薇の実の巾着坊主紅差せり/青木重行
虫すだく坊主地獄の陥没箇所/高澤良一
小坊主と酒買ニ行くとんぼ哉/中村掬斗
小坊主にしかられて退く花見かな/其継
鐘を撞く坊主見えけり杉の月/正岡子規
小坊主よ足なげかけん松に藤/服部嵐雪
木食の坊主おとしか姫くるみ/井原西鶴
廟うらの草とり坊主実は師家/河野静雲
小坊主のひとり鐘撞く夜寒哉/正岡子規
うどんげが咲いてテル~坊主かな/杉本零
小坊主の耳あぶり去る火鉢かな/山口漁壮
小坊主や松にかくれて山ざくら/榎本其角
落にけり風なまぐさき坊主烏賊/井原西鶴
とにかくに坊主をかしや花の春/正岡子規
ねむれざる母を誘ひに雪坊主/千田とも子
一年坊主道草を食ふこと知らず/栗生純夫
海も山も坊主にしたりけふの月/服部嵐雪
小坊主の智は水によるほたる哉/松岡青蘿
俳句例:81句目~
腹すりて岩をのぼれり坊主鯊/滝沢伊予次
回り込み蝉捕り坊主樹のうしろ/高澤良一
虱にもせめて似よかし坊主子蚊/幸田露伴
蟻出でて坊主地獄をふちづたひ/大島民郎
照さるる照る照る坊主寝待月/阿波野青畝
死が去らず月光にてるてる坊主/川口重美
手毬唄坊主づくしはにぎやかに/河野静雲
木のはしの坊主のはしやはちたゝき/蕪村
暑き日に坊主になろと思ひけり/中山稲青
簷だれの坊主落ちずに霧時雨/阿波野青畝
生涯を芋掘り坊主で終るべし/美濃部古渓
きさらぎやむかし健気な針坊主/松本孝太郎
僧はたゝくなまぐさ坊主の水鶏哉/井原西鶴
出来悪き坊主のやうな路地の枇杷/高澤良一
坊主憎ければオーデコロンもまた/櫂未知子
夕暮やけしの坊主の又殖ゆる/長谷川零余子
小坊主の柚味噌すりけりかはる~/寺田寅彦
梅雨ふかし照る照る坊主真顔かな/谷口桂子
春のはつの坊主へんてつもなし留/井原西鶴
頭巾ぬげば皆坊主でもなかりけり/正岡子規