大地/に関連した俳句の例をまとめました。
大地/を含む俳句例
蛇ひそむ大地太陽娶る冬/原裕
炎皆大地に沈む焚火かな/鶏二
大地より大空広し霞網/池田澄子
大地這ふ西日に赤し畑苺/原石鼎
心労や蝶呼ぶ大地束の間に/原裕
力ある大地の恵み冬苺/高浜虚子
筍を発止と立てし大地かな/轡田進
落椿してをる大地起伏あり/上野泰
いくたびも震ふ大地や寒昴/桂信子
大地てふ半球体へ威し銃/細川洋子
空の色大地にうつり冬館/園山香澄
下萌や大地の鼓動色となる/脇収子
大地さへ崩る秋水山削り/福田蓼汀
人寄せの大地に描く暖き/高浜虚子
億年の大地の亀裂風光る/川村暮秋
流氷に靡きて雪の大地あり/斎藤玄
病葉や大地に何の病ある/高浜虚子
凍鶴に大地従ひゆく静寂/稲畑汀子
大隅のしらす大地の大枯野/西村数
炎天や病臥の下をただ大地/斎藤玄
俳句例:21句目~
木蓮や大地で祝う誕生日/対馬康子
麦秋の果なき大地父思う/柴原淳子
啓蟄の大地土龍の道動く/福田蓼汀
朴落葉大地に花鳥諷詠詩/稲畑汀子
啓蟄を秘めて掃かれし大地かな/泰
湖氷り川躍りゆく大地かな/岡本眸
耕牛の動き大地の動きけり/奥田麦穂
綿の花大地太陽噴上ぐる/上野さち子
粉々と蝶むらがりぬ尽大地/川端茅舎
種蒔くや大地に曲る妻の胴/澤木欣一
大地より一本一本大根引く/木曽一阿
秋耕の大地温か知命越ゆ/柴崎左田男
一月や弓の筈もて突く大地/遠山陽子
秋冷の壁の北海道大地図/成瀬正とし
神前の堅き大地や蝉落つる/野村泊月
短日の大地にあけて鶏冠の朱/原石鼎
大地より金を放てる福寿草/山田閏子
眼ひらきて秋風の大地かな/桜井京子
尺蠖の頂礼大地しづかなり/嶋田麻紀
あしたより大地乾ける牡丹かな/石鼎
俳句例:41句目~
大地凍つ地図と眼鏡と油顔/古川塔子
鍬光る黒き大地を耕して/本郷けさみ
運河温み大地に薊復活す/神尾久美子
横に寝て大地に遠し年の暮/田中裕明
夏蝶の影や大地は水のごとし/河内静
冬の霧ある夜の大地親しけれ/原石鼎
冬ふかく風吹く大地霑へり/飯田蛇笏
晩夏掃く大地に立てて竹箒/対馬康子
田遊の太鼓大地に打込めり/関森勝夫
この空や鳥も渡らず大地獄/川端龍子
蟻塚は同型神の大地かな/九鬼あきゑ
玉葱の白く積まるる大地かな/坂井建
椿落ち大地俄かにかげりけり/上野泰
夕端居大地沈んで行きにけり/上野泰
落葉のせ大仏をのせ大地かな/上野泰
初漁の舟着く大地揺れうごく/旭昭平
初能の稚児神妙に大地踏み/太田権六
初花の確かな影をおく大地/山田弘子
小鳥来る大地の恵み疑はず/川本房子
菜の花は大地の生絹雨上る/都筑智子
俳句例:61句目~
大地いましづかに揺れよ油蝉/赤黄男
北風の爪のあとある大地かな/上野泰
板の間の即ち大地初稽古/深見けん二
草萌や大地総じてもの~し/高浜虚子
朝顔を蒔けば大地の孕みけり/上野泰
宇宙服大地に転ぶ七五三/石川多歌司
草は実を結びて大地豊穣に/敷波澄衣
吹き晴れてくらき大地と寒の星/篠原
風花を舞はせる仕掛大地にも/比奈夫
若楓の幹岐れたり大地より/島田青峰
測量や春の大地に尺伸ばし/上田和子
寒がらす大地乏しくひかるかな/窓秋
耕牛の尻に脈うつ大地かな/内藤吐天
青梅の落つる大地や雨上り/星野立子
地震て大地のさける暑かな/正岡子規
アメリカの若き大地に鍬始/本田楓月
雨乞の大地につけし額かな/橋本鶏二
犬ふぐり大地漸く乾きそむ/波多野爽波
男より菜種こぼるる大地かな/柿本多映
おのづから膨るる大地百千鳥/村越化石
俳句例:81句目~
すはすはと大地のわれる暑哉/正岡子規
つと止る蜥蜴大地にま一文字/星野立子
疾走馬枯るる大地の風を焔に/伊藤京子
ぬばたまの大地溝帯を飛ぶ螢/櫂未知子
白鳥に大地は塩を強うせよ/正木ゆう子
石狩の果てなき大地閑古鳥/稲畑廣太郎
礎石たち大地の春の音を聴く/狹川青史
秋耕の大地母なる大地かな/柴崎左田男
綿つみを終へし大地に人を見ず/赤松子
緑蔭の大地波打ち幹立てり/池内友次郎
耕人に日照雨の大地傾斜なす/岩田昌寿
芽ぐむ木々北の大地は力溜め/松村和喜
苜蓿にまろぶや大地摶動す/軽部烏頭子
落花いま大地平らにありにけり/桂信子
アカシアの大地やそこに花の幽/石寒太
葡萄園北の大地に暮れ残る/塩田みどり
葱掘るや大地は昼も深く凍つ/三輪浅茅
蒲公英は大地の花よ返り咲き/永倉しな
蓬生ふ卑弥呼の触れし大地より/椿文恵
ジプシーの大地に拡げ土用干/東中式子