姉に関連した俳句の例をまとめました。
姉を含む俳句例
樗咲き敢て甘ゆる姉娘/林翔
皸や貧に育ちし姉娘/正岡子規
姉母似妹母似鳳仙花/坊城俊樹
姉若く妹老いぬ夏蜜柑/小澤實
彼岸まで妹の刻姉の刻/須川洋子
姉絵本弟積み木日向ぼこ/上野泰
姉七つ妹三つ七五三/細井セツコ
新生姜水に浸して姉の盆/原田喬
故郷の母と姉との初便/高浜虚子
青芒姉が遺せし男の死/鈴木鷹夫
年暮るる姉に小筐の貝細工/直人
姉は水弟は線香雪の径/西山泊雲
一息に十貫坂上姉の恋/斎藤冬海
交替に姉の出てゆく盆踊/湯川雅
姉棄てて弟泳ぐ土用波/坪内稔典
睡蓮の姉や妹水を出て/矢島渚男
姉逝きて遠くなる町鰯雲/柴山絹江
姉立つて花、感情の椿花/阿部完市
姉が目の敵に菊畑の斑雪/塚本邦雄
姉が織り妹が縫ふて更衣/正岡子規
俳句例:21句目~
春闌けて蔓物多き姉の閨/攝津幸彦
姉の忌の天地をつなぐ烏瓜/仁平勝
出奔す姉の螢と刺し違へ/齋藤愼爾
なつかしき涙語や姉の春/河野静雲
新潟にある短夜を姉と妹/高木晴子
淋しさに炉箒使う胎の姉/西川徹郎
貰ひたる蛍を分けに姉の家/上野泰
行年や鏡に向ふ姉いもと/正岡子規
今生の姉が母なる負真綿/津幡龍峰
花菜漬持ち姉の家に居候/田中敬子
姉の桐妹の桐花咲きぬ/喜多村慶女
出戻りの姉哀なり雛の客/中村楽天
弟の姉呼ぶ秋の声であり/黒田杏子
退院の姉に二度咲く白桔梗/林民子
廻禮や姉が日頃の守り神/会津八一
我姉も兄も小太り茄子の馬/林菊代
埋火に三面鏡は姉のもの/久米正雄
夏祭り姉は神出鬼没なり/如月真菜
夏蚕飼ふ姉に貰ひし小銭かな/花中
夕端居国に姉あり妹あり/横倉牧民
俳句例:41句目~
雛祭姉の娘に惚れて見ん/正岡子規
春蚕飼う姉に吉野の櫂の音/大西健司
早苗饗や姉の大きな膝頭/小野口/豊
姉の訃や白梅を見し鎌倉に/鈴木鷹夫
癌の姉看てより気弱夜寒妻/大熊輝一
白象に苦しむ姉に江戸の春/攝津幸彦
姉が来て義弟の帰る年の暮/松田紀子
姉ハイク弟バイク日の短か/高澤晶子
白揚羽未だ見ぬ姉が塩道に/攝津幸彦
姉上は何枚脱いで夏に入る/桑原三郎
齢して五十の姉や暑気中り/石塚友二
行く春や美しき姉太りゆく/阿川道代
虫干や野口英世の姉の刀自/西本一都
烏瓜母につながる姉の逝く/松山足羽
浮かぬ顔姉の金と見比べて/高澤良一
七福神詣での姉と浅草に/松崎鉄之介
三十七が姉の一期や十三夜/嶋田麻紀
弾初の姉のかげなる妹かな/高浜虚子
藪入の姉の下駄履き野菊摘む/南南浪
姉八十弟七十梅ぽつぽつ/宇多喜代子
俳句例:61句目~
人妻の姉と連れ立つ花衣/山口波津女
浜に嫁す姉の便りや白子干/良籐き代
毎年も椎茸呉るる姉の子よ/日永田久
姉病むと柳散るころ便あり/寺田寅彦
花楓姉東海道を上り来る/佐野青陽人
冷麦に朱の一閃や姉遠し/秋元不死男
姉と雪の降る日の貝あはせ/筑紫磐井
姉申す十一の市みえること/阿部完市
かき餅や姉を母とし二階住/岸風三樓
母の忌や姉より届く水中花/渡辺恭子
母に似し水茎よ姉の十三夜/中島月笠
縫ふ事が姉の生甲斐針祭る/星/陽子
緑立つ母/姉/義兄よ長暇/村越化石
紅葉し月下に踊る姉と兵/志波響太郎
十三夜姉を攫いに来る蝶か/斎藤愼爾
紅梅や一人の姉に家ゆづる/村越化石
朝顔の蜜やほどよき姉の愛/香西照雄
黴の花不嫁の姉のチリ文學/塚本邦雄
姉泣けば妹も涙の朝ぐもり/堀口星眠
石垣の上の姉より柘榴受く/廣瀬直人
俳句例:81句目~
姉呼んで馳ける弟麦の針芽/西東三鬼
居士大姉臘八粥の湯気の中/小坂順子
朝の姉夕べの姉も草を刈る/坪内稔典
望の夜の芒を刈りに姉いもと/大串章
春風や姉七十路のEメール/寺司禎子
大姉も小姉も細身十月野/大木あまり
姉の恋ならず水引草こぼる/峯/信恵
妹は薔薇赤く姉は百合白し/正岡子規
空ゆこゑ母か姉かと帰り花/鈴木鷹夫
春の旅くぐもりて鯉を呼ぶ姉/金子皆子
あねいもと初観音へ手を結ぶ/西尾桃子
梅仰ぐ喜寿過ぎし姉傘寿の兄/川村紫陽
あねいもと性異なれば香水も/吉屋信子
江湖会や気象はげしき一大姉/河野静雲
泳ぎ終へしわが脂浮く中の姉/大屋達治
あね弟雪玉の寄るごとくなり/平井照敏
無憂大姉久女の墓の秋暑なほ/西本一都
無花果の匂ひの父を姉と呼ぶ/攝津幸彦
白玉を姉はひたすら茄でる役/櫂未知子
兄姉は永久にあにあね霜の声/栗林千津