話すを使用した俳句

俳句例:201句目~

しみ~と話し込まれて掛乞はれ/公文東梨

寒き夜の手と手合せて話す子よ/田中菅子

燈籠の消えたる後を話しけり/楠目橙黄子

話しには聞きつるものを雪の國/寺田寅彦

にぎやかに死の話して敬老日/湯澤由起夫

夫婦して話す事ある端居かな/池上不二子

のうぜん花夫の背中に話しかく/栗林千津

話し置くこと我にあり獺祭忌/深川正一郎

大蟇に話しかけつゝ掃きにけり/松藤夏山

話すことだんだん少な日向ぼこ/上野章子

よく燃ゆる畦火合点や話し居る/西山泊雲

よく話すわれなり人の居る夜長/佐野美智

れもん匂ふ子ども以外の事話せ/櫂未知子

わけありを話せぬ吾亦紅の深紅/伊東道子

落葉掻く音の休めば話しをり/五十嵐播水

樹の奥の毛虫焼きつつ墓と話す/河合凱夫

テレビ涼し蛸釣のこつなど話し/藤田湘子

稲刈の話しかけくれこころやす/木村蕪城

パソコンの話してゆく盆の僧/坂本タカ女

爽やかや話し度きことのみ話す/星野立子

俳句例:221句目~

走馬燈ともしてほかの話する/成瀬正とし

向き合へば蟹の麦踏話し合ふ/樋口伊佐美

里神楽見て来し手振りして話す/高木晴子

猪に負けし離村と話さるゝ/海老沢/貞子

半鐘に火事の話しのとぎれけり/羅蘇山人

話ししてゐる聞に風邪のこゑとなる/篠原

金見て小声で話しかけゐる子/今井千鶴子

芒かむりて話す主よ十三夜/長谷川かな女

猪の出ることを静かに話しをり/後藤夜半

死近き猫に話してやりぬ花の国/古河久美

浦人と話して日脚伸びにけり/大峯あきら

釣堀に顔も見やらず話しかけ/楠目橙黄子

鉄砲百合活けて真面目に話する/滝井孝作

紙衣着てしづかに話す平家の裔/柴田鏡子

新樹林木の性質のこと話しゆく/高澤良一

掛乞に話し込まれてたがやせる/藤木清子

生徒らに話さん今日は子規忌なり/森田峠

絵解き僧桃のことなど話しをり/武藤紀子

藤棚やはやをととしのこと話す/中山純子

冬草に坐りぬ話しすこし長く/松本つや女

俳句例:241句目~

虚子おはん話す朝顔の苗のこと/山口青邨

除夜の灯に聲無く話し口動く/池内友次郎

冬来ると足裏見せあつて話す/加倉井秋を

月の径話しかけんとして止みぬ/藤後左右

雨あとの紺屋と話す目白のこと/飯島晴子

蜜豆をたべるでもなくよく話す/高濱虚子

冬ぬくきことなど話し初対面/今橋真理子

水喧嘩してきたやうに話しをり/黛まどか

炭をつぐ仕種の有りて話しよし/高岡うさ

雲の話する友は木のにおいして/大西健司

幼子と話す亥の子の赤火鉢/長谷川かな女

話しかけいるは木地師や木賊刈/山田節子

露の嵯峨野媼は杖と話し話し/肥田埜勝美

話しかけ来る木黙す木蝦夷鼬/渡辺みや子

話しかけ話しかけして墓洗ふ/渡辺/彦陽

島語も話す男来ている画材店/岸本マチ子

春の夜の蒲団かぶりて話しけり/正岡子規

今誰か話す人欲し罌粟が散る/岡本差知子

肩に手をかけて話せば暖かし/大場白水郎

一年生にかがみて話す花みずき/由利雪二

俳句例:261句目~

湯気立てて今宵は母と話すなり/荻野暁江

背を向けしまゝ話し居り涼み台/林富佐子

機窓に芹籠置いて話しけり/長谷川零餘子

鰯買ふや薪を肩に話しつゝ/長谷川零餘子

山ほどの話したきこと蚊遣焚く/植田浜子

うそ寒をかこち合ひつゝ話しゆく/高浜虚子

かというて話すことなし青き踏む/畑内節子

きりたんぽ話せば長くなるけれど/榎本好宏

竹の皮落つるに間あり話し居り/富岡よし子

なかなかに取れぬ話しの通草かな/仲/末子

土筆の袴取りつつ話すほどのこと/大橋敦子

語尾あげて話す少女やソーダー水/木田節子

ほたる見に来し人くひなの話する/中山純子

夏野にてダビデのことを話しけり/中村裸鳥

露けさの木が話すとや嘆くとや/大木あまり

秋夜の客に大きな手動かして話す/大橋裸木

ネオン冬出逢つて話す広告マン/田川飛旅子

胼の手を盗み見られつ話し居り/松本たかし

片つ方の耳にないしよ話しに来る/尾崎放哉

話せばほつほつと親し膝の吹き綿/喜谷六花

俳句例:281句目~

話すことなくて墓参の済みにけり/岩田由美

子ら縊死を小声に話す石蕗は黄に/赤尾兜子

眼鏡なき夫と話すや蚊帳のうち/山口波津女

話す事逢へば少なく古茶を呑む/甲斐とくえ

うぐひすや寝起よき子と話しゐる/星野立子

葉煙草を負ふて話して居りにけり/松藤夏山

冱てめしのあとの茶に妻話すなり/森川暁水

出目金の話したがりの黒まなこ/上田日差子

手をついて振り向き話す花しどみ/星野立子

歯科医師の大きマスクや目と話す/山田重子

手に萩のこぼれをさきへ話しけり/室生犀星

熔岩に話しかけられ/熔岩の谷/片山花御史

行きばなき猫と話しぬ日向ぼこ/山本智恵子

歩み来て辛夷の下に話しけり/阿部みどり女

山畑を打つやをりをり母と話し/大峯あきら

話しかけられてゐる間も鯊釣れて/吉見南畝

初風呂の子に割込みてなに話さむ/太田土男

月待つや去年をとゝしの月を話す/正岡子規

遺影とも話しほととぎすとも話し/高木晴子

今日から夏休み主婦とその話する/喜谷六花