味噌に関連した俳句の例をまとめました。
味噌を含む俳句例
朴葉味噌焦げたる匂鱗雲/旭
春近き三年味噌の名残哉/李由
筍と山椒味噌の青柳寺/田中冬二
使ひにやれば味噌つかせける/邦
冬隣合掌村は味噌の匂ひ/杉本寛
味噌蔵に一塊の雪まろび入り/目
蕗味噌は落人の味風岬/澤井洋子
味噌蔵の暗き口より雪蛍/青山雪生
三州に冠たる味噌や薬喰/森樵仙子
味噌蔵の男柱も花の冷/岡部名保子
蕗味噌や音に近づく山の雨/森澄雄
誰彼にくれる印や柚味噌/高濱虚子
雑炊や箸蕗味噌に度かさね/及川貞
古妻の柚味噌作るや里心/寺田寅彦
雪明り華と咲かせて味噌麹/広岡仁
鳥渡る津軽三年味噌屋敷/古舘曹人
京は今愚庵の柚味噌蕃椒/寺田寅彦
中鉄の味噌吸ものの祭かな/龍岡晋
味噌餡は裏葉包みに柏餅/藤村克明
蕗味噌の苦さ肯ふ齢なり/深瀬正治
俳句例:21句目~
秋の色糠味噌壺も無かりけり/芭蕉
春ちかき三年味噌の名残かな/李由
味噌漉を洗ふ汀や蓼の花/寺田寅彦
秋雨や糠味噌臭ふ佛の間/正岡子規
味噌焚の大竃や燃え上る/川島奇北
味噌玉の面魂を吊すかな/大石悦子
味噌色に摺鉢山の紅葉哉/正岡子規
冬籠隣もしらぬ味噌の味/正岡子規
味噌蔵に朝の暗がり桜咲く/瀧春樹
春昼や厨に匂ふ山椒味噌/田中冬二
味噌蔵の三十石樽春の闇/築山喬子
喰残す柚味噌の釜のいとどかな/程己
蕗味噌や山は一夜の雪被り/田中裕明
味噌なめて静な酒や坊の月/高田蝶衣
蕗味噌や出は一夜の雪被り/田中裕明
蔵町の味噌田楽を箸にせり/角川春樹
土用入糠味噌にふる塩光り/大熊輝一
蕗味噌の香りに遠き母想ふ/広津幾代
蕗味噌の適ふ小器晩年や/文挾夫佐恵
すり鉢に残り少き柚味噌哉/寺田寅彦
俳句例:41句目~
冷酒や柚味噌を炙る古火桶/正岡子規
柚味噌焼く雨の夕や菊百句/子規句集
糠味噌に瓜と茄子の契かな/正岡子規
蕗味噌の焦げ弟の忌と思ふ/角野良生
蕗味噌の方は皆へのかたみかな/東鷲
出代の造り損ねし柚味噌哉/寺田寅彦
大樋焼買ふや味噌蔵町の秋/南秋草子
胆と吊る味噌玉北へ軒連ね/成田千空
聖人の脳味噌覗く柚味噌哉/会津八一
一本の柚子の主の柚味噌かな/菩提樹
味噌むすび燠で炙つて山始/千曲山人
味噌つくる余り麹や一夜酒/正岡子規
万葉の歌物語る柚味噌かな/直木燕洋
著莪の雨味噌倉朽ちし大構/湯川道子
味噌をする大きな音や冬籠/森田愛子
草萌ゆる味噌の重石に矢作石/久保武
味噌作る塩のみ白く庵古り/田村了咲
糠味噌の茄子紫に明け易き/正岡子規
天皇も守れる朝の味噌加減/大井恒行
客僧に柚味噌振舞ふ山家哉/寺田寅彦
俳句例:61句目~
文盲の母の味噌搗唄かなし/栗間耿史
味噌和を用ゐる春の料理哉/正岡子規
沖暗し石狩鍋の味噌の味/笹目久美子
膳もなき疊の上の柚味噌哉/正岡子規
家康の頃の石積む味噌作り/石河義介
偕老を希ふ柚味噌を箸先に/近藤一鴻
禅僧と禅庵に語る柚味噌哉/寺田寅彦
手造りのしかも味噌餡柏餅/草間時彦
摺小木も其の梢とは柚味噌かな/丸石
尻焦けし柚味噌の釜や古疊/正岡子規
昨夜星落ち今朝柚味噌到る/正岡子規
味噌蔵の真闇八十八夜来る/西川織子
佛焚いて佛壇寒し味噌の皿/正岡子規
味噌倉の一つ一つを掃納む/水田清子
貧厨や柚味噌殘りて鼠鳴く/正岡子規
赤菊をそへし柚味噌の贈物/正岡子規
越前の里芋いれて味噌雑煮/木島節子
鐵鉢に味噌もる寺の師走哉/正岡子規
朴葉味噌焦げる高山祭かな/浅場英彦
雨三日柚味噌づくりの炭赤し/井上雪
俳句例:81句目~
味噌倉の鍵あづかるや冬籠/会津八一
露待つや味噌漉ふせてきり~す/其角
鯛味噌や秋篠寺の門に住み/松瀬青々
牡蠣舟の味噌の匂ひが酔誘ふ/星野椿
大山の各坊味噌を搗きにけり/山本青蔭
味噌さげて熱き姿や夕まぐれ/正岡子規
糠味噌をよごす紫なすを抜く/川崎展宏
味噌でくふ生マの胡瓜の祭かな/龍岡晋
日盛りの味噌蔵に蝶紛れ込み/嶋崎茂子
糠味噌の深き眠りやもがり笛/三浦しん
糠味噌の水捨つ昼寝せず妻は/大熊輝一
柚味噌焼く閻浮檀金の焔かな/西島麦南
味噌を売る会津童女よ雁渡し/佐川広治
秋風や味噌玉つるす伊賀盆地/角川春樹
味噌作る妻よ巴里へわたる前/堀口星眠
子燕や味噌屋酒屋の飛騨格子/織田耀子
味噌倉に稲妻はしる丹波口/大森井栖女
あつあつの田楽の味噌三汀忌/吉村/正
柚味噌のある限り貧何ものぞ/石塚友二
蕗味噌や声のまぶしき山の鳥/秋山幹生