十六に関連した俳句の例をまとめました。
十六を含む俳句例
凩や十六七の尼の顏/正岡子規
卒業の十六人と握手せり/嶋玲子
十六夜もまだ更科の郡かな/芭蕉
十六夜の母の前なる小盃/桂信子
十六夜や鯨来初めし熊野浦/蕪村
十六夜や水よりくらき嵐山/蜃楼
十六夜や草の中より松の幹/蓼汀
十六夜やしばし黒谷眞如堂/青雨
青嵐十六弟子の軸鳴らす/飴山實
置忘れ来し十六夜の女傘/岸田稚
湯治小屋嘗て十六芒原/高澤良一
十六夜や慥に暮るゝ空の色/去来
桐の花十六名の鼓笛隊/池上恭子
十六夜の黒からぬ髪梳り/桂信子
十六夜やしばし黒谷真如堂/青雨
十六夜や上蔟急ぐ蚕棚/岡本庚子
十六夜や絹雲高き越の国/小澤實
十六夜や慥に暮るる空の色/去来
年問へば舞妓十六大石忌/星野椿
年の頃十六七の雛かな/京極杞陽
俳句例:21句目~
十六夜もまた更科の郡かな/芭蕉
十五夜も十六夜も雨辻仏/毛塚静枝
十五年戦争十五の十六夜/攝津幸彦
十六夜の芋汁残り少かり/寺田寅彦
十六夜や西風強き一としきり/龍雨
還暦を自祝の舞踏十六夜/宮武寒々
十六夜や薬包舟の百余す/菊池志乃
十六夜の風吹通る框かな/石塚友二
里芋の茎の色よき十六夜/高澤良一
十六夜や一声こぼす五位の声/嵐外
十六夜の鮎を呉れたる人匂ふ/麦草
十六夜の色城壁にうまれけり/楸邨
二人旅寝物語りの十六夜/高澤良一
人形の髪の重たき十六夜/後藤房枝
信長に信長触れぬ十六夜/攝津幸彦
十六夜や一番藍の育つ蔵/橘美寿穂
十六夜のわが影出水渉り/松村蒼石
繊々と樅雲を曳く十六夜/飯田蛇笏
紅差して十六夜の月岬より/原和子
禰宜さまの三角頭十六夜/宮坂静生
俳句例:41句目~
十六夜の抒情は濃ゆし桜島/穴井太
落鮎の落ちつくしたる素十六/間石
川音にある十六夜の粟畑/岡井省二
密室の十六分音符の連打/杉浦圭祐
大輪の十六瓣の黄菊かな/野村喜舟
今宵誰吉野の月も十六里/松尾芭蕉
古框十六むさし興じをり/阿片瓢郎
渤海越ゆ十六日の月明に/横山白虹
十六羅漢岩鳥海の雪解風/池田義弘
十六歳は時限爆弾花ぐもり/大高翔
凩や空よりかける十六騎/正岡子規
杣人と共に十六夜静かな/川崎展宏
靄々と十六夜を経し土不踏/攝津幸彦
十六夜の闇の底なり莊園寺/正岡子規
十六夜のひかり洽き法隆寺/山内遊糸
十六夜のむぎや踊の川明り/斎藤夏風
十六夜の川に置きざり渡し舟/檜紀代
十六夜の闇をこぼすや芋の露/千代尼
十六夜や闇より後の月の雲/高井几董
荒肝を待つ十六夜の皿一枚/熊谷愛子
俳句例:61句目~
十六夜の人座りは妖しかり/吉田静二
鮑とる十六海女の濡羽髪/鈴鹿野風呂
十六夜や追炊やめて梨の味/渡辺水巴
うきくさや楼上に十六羅漢/中村雅樹
十六夜の風吹き通る框かな/石塚友二
砂山に十六夜差せる波の群/桂樟蹊子
十六夜の地の香を放つ大欅/加藤耕子
十六夜の盲を訪へる盲あり/村越化石
十六夜や薄ささやく宵の秋/浜田酒堂
十六夜の墨乾きゆく筆の尖/青木重行
十六夜の一客に焚く蔭香炉/佐野美智
梨の汁ほたほた膝に十六夜/林原耒井
十六夜の闇をのせたり浪花舟/蒼きう
七日粥平成告げて十六年/瀬尾ちまき
中空を十六夜の月の出かけかな/暁台
木々の影踏み十六夜の城山に/川崎克
十六夜やつながり垂るる槐の実/夜半
月の夜の十六ささげ湖に出づ/森澄雄
十六夜やたづねし人は水神に/泉鏡花
十六夜の宿の枕を均しけり/高澤良一
俳句例:81句目~
十六夜や稽古三味線覚束な/徳地美枝
十六夜の雨濛たりし愛日樓/筑紫磐井
御所柿の十六鐘を打ち損ず/攝津幸彦
十六夜の小腹に納む里の栗/高澤良一
何講の太鼓練りゆく十六夜/富田木歩
幼きと遊ぶ十六むさしかな/高濱虚子
十六夜や片瀬へ帰す姪ひとり/きくの
十六夜は待宵程に晴にけり/正岡子規
十六夜はとり分け闇のはじめかな/翁
十六夜や舟中に聴く草の雨/中島月笠
十六の餅持てあます嘉定食/藤村克明
十六夜や樹上の鳥が瘤になり/峠素子
十六夜の雲吹去りぬ秋の風/蕪村遺稿
十六夜や松滅びつつ松の影/長谷川櫂
十六夜の蔵に収まる能衣裳/佐川広治
十六夜も雨の中なる小豆かな/齋藤玄
十六夜も橋で吹かるゝ嵐山/中村史邦
十六夜の月移りゆく牡蠣筏/伊藤ふみ
十六夜の青に染まりし男運/栗林千津
名月も十六夜も皆雨にして/正岡子規