叱るに関連した俳句の例をまとめました。
叱るを含む俳句例
馬叱る声も枯野の嵐かな/曲翠
牛叱る声に鴫立つ夕かな/支考
晩霜や生ける屍が妻叱る/草城
叱られて帰る霰の石畳/桂信子
母が家や母が叱する油虫/岸田稚
馬叱る新酒の醉や頬冠/正岡子規
巡査梅提げし男を叱る/正岡子規
寒鯉の悠々たるを叱陀せり/原裕
青五月叱々々の誕生日/河野南畦
短日や小者叱れば口答/高田蝶衣
先立ちし妻を叱るや墓参/森澄雄
蕣の咲くや親にも叱られず/智月
看護婦の大き叱声春隣/高澤良一
杜若濡鼠の子叱り抱き/川端茅舎
春雨や配達叱る十時過/正岡子規
大根引大根くふ馬叱りけり/瀾水
龍を叱す其御や夏の雨/正岡子規
水叱り水の先ゆく花筏/鈴木光彦
妹を電話で叱る暮の春/橋本榮治
巫の鴉を叱る雪間かな/綾部仁喜
俳句例:21句目~
子を叱りゐる夕凍みの女ごゑ/南草
人叱る關所の聲や冬木立/正岡子規
人形を叱る子供や花の雨/岡田史乃
新聞を父が叱れり龍の玉/太田土男
蜷の歩み男を叱る女の声/成田千空
短夜や虎叱りたる虎遣ひ/正岡子規
休耕を叱り藁塚前のめり/太田土男
叱るまじ泥遊びより水遊/坂口英子
初夢に父に遭ひしが叱られし/良太
草刈鎌軟弱なるを叱りをり/辻桃子
子を叱る声筒抜けに寒谺/小林康治
叱咤され激励されつ兜虫/岸風三樓
牛叱る声も交りて田植唄/西山泊雲
戦争身近に拳闘を叱咤する/三谷昭
叱陀され激励されつ兜虫/岸風三樓
篝火や荒鵜を叱る眼の光/正岡子規
ひと霞叱る源氏か艶二郎/加藤郁乎
父はもう母を叱らず冷奴/栗坪和子
夢で叱る先生のをり秋桜/橋本榮治
吾をまだ叱る母あり菊膾/石川文子
俳句例:41句目~
炎帝の叱責を頭に合掌す/中元/忍
花八つ手男を叱る女かな/内田美紗
老農夫熊蜂叱り飛ばしけり/大串章
老いやすき母を叱りつ石鼎忌/原裕
声若く男を叱る鳥雲に/鈴木六林男
厚司着て叱咤も女盛りかな/斎藤均
羽抜鳥子育て下手な親叱り/樋笠文
朝の僧南瓜の蔓を叱りをり/大串章
宗教の赤き港を乳母叱る/攝津幸彦
馬叱ってそれから唄や山笑ふ/秋灰
道草を叱られてをり草虱/山田弘子
枯葎叱れば行方隠すかも/五島治人
竹馬は小猿の藝や叱られし/正岡子規
秋風やをとこ言葉で児を叱り/樋笠文
秋さびし夢の中まで児を叱り/樋笠文
戯るる子猫を叱る目の笑ふ/井上秀甫
目で叱る父あり松は色変へず/林昌華
叱る父甘やかす母氷菓舐め/塩川雄三
牛洗ふ童が叱なかなかに/大橋櫻坡子
幼子に叱られ詫びて冬ぬくし/岡本眸
俳句例:61句目~
無人駅菊人形の叱つてをり/曳野和子
水洟や手遅れ患者叱しつゝ/相馬遷子
白玉や叱られし日の母の顔/大島則子
梅林に来ても子叱る癖脱けず/楠節子
夏すでに兄妹懈く叱り合ふ/石田波郷
夏萩や勉強せよと叱られし/川崎展宏
夏負けて老母に叱られにゆく/岸田稚
山吹の花くふ馬を叱りけり/正岡子規
桃盗む子を叱りけり垣の内/正岡子規
今もまだ本気で叱る生身魂/池田綾子
盆僧に吠立つ犬を叱りけり/小畑一天
子遍路の叱られてゐる夕蛙/吉野桜午
木枯の叱声めくや父に蹤き/伊藤京子
僧正は叱り好きにやしでこぶし/麦水
十薬や叱るも躓きがちの妻/杉山岳陽
尿せしわらべを叱る霜夜哉/正岡子規
卯の花や牛叱りたる御随身/正岡子規
晩霜や生ける屍が妻を叱る/日野草城
叱られてばかりゐる子や冬休/青野卯
雪沓の駅長の声が叱咤せり/加藤楸邨
俳句例:81句目~
雪原に兵叱る声きびしかり/片山桃史
鏡の中の私に叱られている/幅田信一
遠き娘に叱言も少し初電話/稲畑汀子
冬の川見て叱して詩を作る/山口青邨
遠き叱声遠き泣き声昼寝覚/奈良文夫
子を叱る妻を叱りて梅雨籠/貴田星城
春煖炉児を叱りたる疲もあり/樋笠文
赤犬を叱りぬ亡父も西の風/攝津幸彦
親猿の赤い頭巾や叱られし/高浜虚子
馬叱る声氷上にありにけり/高浜虚子
春愁や娘叱るにその子泣き/毛塚静枝
藤の雨子叱る暗き母の顔/波多野爽波
藁塚は叱られし子の隠れ場か/滝佳杖
叱られし子の眼に紅き夏祭/齋藤愼爾
朝顔に臍下一布の僕叱らる/橋本夢道
春寒き眉や狂言を叱る声/野上豊一郎
叱られて島の鼻まで鋤田牛/石川桂郎
叱られし後の含羞ゆすら梅/藤田三郎
叱られて手花火遠き男の子/姉崎蕗子
花祭衆生済度の雨はげし/宇佐美叱風