杭に関連した俳句の例をまとめました。
杭を含む俳句例
象潟や稲木も網の助杭/言水
蜻蛉の夢や幾度杭の先/漱石
獺の橋杭つたふ氷哉/正岡子規
立冬や老の手力杭を抜く/林翔
冬鴉一本の杭争ひぬ/芦田国雄
一本の杭ぜの飛沫猫柳/西山泊雲
秋風や祭のあとの杭の穴/大串章
急流の杭の一本づつに雪/長田等
古杭や乗込鮒の頃となる/森田峠
人もなし野中の杭の凧/正岡子規
初雪や田中の杭の一つづつ/柳居
崩れ簗杭一本残りけり/正岡子規
朝霧や杭打音丁々たり/與謝蕪村
杭の濡れ水面一寸青嵐/毛塚静枝
橋杭や一つ離れて種俵/会津八一
赤き杭一列雪の国頒つ/毛塚静枝
手拭を杭に忘れし冬菜畑/大西初女
翡翠の一蹴し去る杭かな/野村喜舟
翡翆の一蹴し去る杭かな/野村喜舟
秋風や杭をはなるるものの蔓/紅緑
俳句例:21句目~
初空や澪杭高く禽ちさき/幸田露伴
棒杭や四ッ街道の冬木立/正岡子規
一本の杭を打ち込む天の川/堀節誉
古杭のつけ木や宇治に飛ぶ蛍/露言
古池や翡翠来べき杭の形/正岡子規
国分尼寺守る杭打つ初仕事/土屋尚
若芝や低き杭あり廻り道/新井娃子
橋杭に小さき渦や春の川/夏目漱石
葭切に故郷またも杭を打つ/滝佳杖
棒杭のあたまは平ラ朝曇/三橋敏雄
橋杭に殘る藻屑や冬の川/正岡子規
枯草に鉄杭積まる造成地/松本照子
國境の棒杭立つや秋の山/正岡子規
獺の橋杭つたふミぞれ哉/正岡子規
昼がほや町に成行杭の数/與謝蕪村
棒杭の五六夕日に氷の網/加藤耕子
末枯のいろ集つて杭となり/上野泰
浅川の杭ぜ~の菜屑かな/西山泊雲
汐落ちてみを杭高き氷哉/正岡子規
水鳥や岸べに高く杭の鳶/滝井孝作
俳句例:41句目~
水音に離れ杭立つ十三夜/宮田正和
秋風に豚飼つて杭打ち込めり/原裕
尉鶲朝日胸毛に杭の上/高尾富美子
水中も杭まつすぐや鴨帰る/大串章
舫ひ杭の影ゆら~と柳鮠/佐野泰太
薄氷の杭離るるに未練なし/滝峻石
橋杭のいよゝ短し五月雨/正岡子規
蜻蛉や杭を離るる事二寸/夏目漱石
夏鴨の嘴空を指す杭の上/三宅/隆
逢曳や古杭の頭に菌の耳/香西照雄
重陽や内湖のえりは杭ばかり/民郎
野菊咲て測量杭の丈低し/正岡子規
鵲や橋杭になるふしの山/正岡子規
鶯に木杭の寸の揃えられ/森田智子
黄落のはげしさ深く杭うたれ/穴井太
杭打つて冬晴を野に漲らす/辻田克巳
棒杭の如きをぐいと墨の涼/高澤良一
棒杭の影やせやせに水温む/行方克己
夕鵙や流れを岐けて細る杭/毛塚静枝
大望に遠く杭ぜに菜屑溜る/成田千空
俳句例:61句目~
榜示杭に道の分るゝ青田哉/寺田寅彦
小鰺刺止る杭丈揃はざる/佐藤みちよ
秋汐や舟も生簀も一つ杭/鈴木真砂女
秋出水恐るる杭を打ち並べ/井上史葉
川波に痩せゆく杭や暮の秋/野村喜舟
杭毎に光る雪冠やこも端役/香西照雄
帰省して杭一本の重さ負ひ/栗林千津
真黒な杭にしばらく春の鳥/柿本多映
形代のかゝりて乾く杭かな/中島月笠
杭水に打たれ洗はれ替る年/毛塚静枝
百本杭潮落ちはじむ朝寝かな/龍岡晋
痩蛭の杭に吸ひつき山田哉/田口酔月
痩せ杭の彼方に一つ浮寝鳥/高澤良一
杭涼し蹠に感ず水の張り/櫛原希伊子
新しき杭のまはりの春の水/小澤克己
杭稲架の幾千萬や陸奥の雨/石塚友二
萍の杭に一日のいのちかな/正岡子規
おぼろ夜の海に橋杭岩並ぶ/小津溢瓶
旧山河春水さばく杭一つ/百合山羽公
春光の空の打擲杭打たれ/小林美夜子
俳句例:81句目~
春星一つ水磔に似て波に杭/友岡子郷
かけ橋の橋杭かくす若葉哉/正岡子規
柚子咲いて河口に近き舫杭/木村蕪城
花馬鈴薯に白樺の杭を打つ/飯田龍太
船発ちて二百十日の杭残る/黛まどか
猪垣の杭束ね置く村の口/島田刀根夫
燈籠や瀬杭にとまり~流る/西山泊雲
暁杭の数本すでに雨氷の季/幡谷東吾
月を見る纜杭に一人づつ/五十嵐播水
舟つなぐ百本杭のしくれ哉/正岡子規
熊送りすみし白樺の杭二本/西本一都
焼杭の数本すでに雨氷の季/幡谷東吾
涼しさや鷺も動かぬ杭の先/正岡子規
涼しさや又川蝉の杭うつり/正岡子規
臀力をもて歳晩の杭打てり/岸風三樓
朽杭にいつも五六羽通し鴨/今井妙子
涸川の杭一禽を得て痩せぬ/池田秀水
考へる冬鴎に杭ひとつづつ/橋本榮治
簗かけし杭そのままに水涸るる/翠影
汐引いて棒杭寒き入江かな/正岡子規