俳句例:201句目~
二十坪の青田そよげり小学校/笹本達夫
二十基の祖を見舞へば鷹一羽/影島智子
二十歩に左舷夏潮彩ちがふ/中戸川朝人
其の上の牛の角突き二十ケ村/高澤良一
冬薔薇棘ささぬ術知り二十七/谷口桂子
助番や二十九日の大晦日/ヒコネ-孟什
古今集巻二十より夜の落葉/高野ムツオ
咲きたらふ辛夷に牛の二十頭/石田勝彦
大夕焼悪寒に鳴らす歯二十枚/石橋秀野
宵月の二十あまりや冴え返る/会津八一
山窪の二十戸足らず初神楽/百合山羽公
島二百二十戸ひそむ秋の暮/八木林之介
探梅行伸びてちぢみて二十人/中村明子
海市見にゆく上野発二十四時/成田清子
深空より茂吉忌二月二十五日/飯田龍太
二十日正月銚子信楽猪口丹波/土田祈久男
二百二十日眼鏡が飛んで恐しや/高浜虚子
蔓艸にづんづと秋も二十日たつ/加舎白雄
鰤の首尾祝ひ納むる二十日かな/高田蝶衣
正月も襤褸市たちて二十日かな/村上鬼城
俳句例:221句目~
冷房や泊つべきベッド階二十/稲垣きくの
旧二十日正月湯田の町にゐて/大山さちを
たれこめて已に三月二十日かな/正岡子規
祖谷ふかくふかきに二十三夜待/黒田杏子
二百二十日の喝采のやうな雨/片桐富美子
二百二十日の喉切らるる朝なり/大石悦子
添ふ影のあらざる二十三夜月/大久保一子
寝そびれて二十三夜の窓あかり/下村梅子
二千年二月二十日の札所かな/矢内とき子
鉢に菫二十懸命に花つけたり/田川飛旅子
ざんげざんげ二十六夜の蛙鳴く/太田権六
田に生れて二十日の金色もなし/澤田緑生
しぐるゝや降るや灰人二十面相/加藤郁乎
秋茄子となる花つかず雨二十日/大熊輝一
まろびてつかむ二十数年前の雪/清水径子
人と闇十重に二十重に神鉾かな/羽石イミ
青田風二十戸増えも減りもせず/猪瀬敬泉
寒念佛二十重の闇をかいくぐり/細川加賀
二十日正月家具の安売巡りけり/川合君女
いままゐりはじめは二十日団子かな/季吟
俳句例:241句目~
芯に触れて二十世紀も甘からず/鈴木栄子
二十世紀なり列国に御慶申す也/尾崎紅葉
降りつゞく雨や師走の二十日過/青木森々
湯ざめして二十世紀に遺されき/大屋達治
沙汰ありて二十世紀の小豆粥/宇多喜代子
水蓄え二十世紀を閉じんとす/八木三日女
新妻と二十日の別れ鰹漁夫/谷崎和布刈男
二十五年今朝あだしのゝ塚の霜/松岡青蘿
異界にて二百二十日の声洩らす/栗林千津
雨なしの戸障子の内二十日過ぐ/石川桂郎
梨剥くや二十世紀もどん詰まり/町垣鳴海
地の打身したたか二十世紀梨/赤松ケイ子
二十億光年の偽証/お前のB型/星永文夫
二十日月地に湧く人ら大河なす/加藤耕子
初句会既に二十日も過ぎんとす/高浜年尾
二十日会祭稚児の準備も整ひて/太田文萌
露けさや今のぼり来る二十日月/小杉余子
網納屋の黯きにあげて二十日月/川越蒼生
二十六夜祭山女の腹に粟の飯/大井津佐子
二十世紀過ぎてしまひぬただ寒し/桂信子
俳句例:261句目~
引き算の始まる夏至の二十四時/入江節子
花を宿に始め終りや二十日ほど/松尾芭蕉
髭剃りて明るき二十歳水澄める/都筑智子
母と踊るうなじの二十歳巴里祭/小池文子
寒椿活くるこの手に二十歳待つ/山岡季郷
水澄みて二十戸と家かたまらず/茨木和生
天球図持ちし煬帝二十歳のまま/藍原弘和
刈り残す麻に二十日の月出づる/正岡子規
ラブと彫る青きかりんや二十歳/対馬康子
荒れもせで二百二十日のお百姓/高浜虚子
寺借りて二十日になりぬ鶏頭花/夏目漱石
湯治二十日山を出づれば稲の花/正岡子規
二十路のつひの衣を更ふるかな/清水基吉
まだ白き雑巾二百二十日かな/成田智世子
のんびりと二十日正月とて遊ぶ/岸/あい子
聖像の二十六人灼けわれ一人に/加藤知世子
二十一世庵主と句座の秋思かな/北見さとる
稲刈りの穫れ高「んだな二十俵」/高澤良一
青首大根二十一世紀を持ち上ぐる/中島勝子
筒鳥や二十重のみどり揺れかはし/堀口星眠
俳句例:281句目~
煮くづるる南瓜二百二十日かな/ふけとしこ
靴脱ぎし二百二十日を火で埋める/伊東達夫
蟻いづる地から洞から遅配二十日/石川桂郎
二十日盆越後踊りの輪のなかに/虎谷霞洋子
二十年振りなり雨のちやつきらこ/田中英子
通し矢の乙女二十才の袖しぼり/大久保正馬
セロリ噛む二十となりて無口の子/高橋悦男
さはさはと二百二十日の尾てい骨/小高桂子
妻の奇禍二十日を過ぎて一雨なし/右城暮石
二十あまり美男となりぬ卒業子/高橋淡路女
波郷忌やかの日は二十七のわれ/鈴木しげを
かくも長き二十世紀や河豚吊るす/仙田洋子
初場所の力士二十歳となりにけり/岸本尚毅
柘榴咲くや腸をいためて二十年/廣江八重櫻
燈籠に二十里さきの月夜かな/久保田万太郎
二十五菩薩煤の雲間に見えたまふ/西本一都
たやすくは二十歳の水着選ばれず/辻美奈子
巨船ドックにあり海は二百二十日/福田蓼汀
豆稲架の十重に二十重に原城址/宮川杵名男
河口湖打ちゐる二百二十日かな/八木林之助