俳句例:101句目~
昔二十軒店仲見世の春火桶/石川桂郎
明け行くや二十七夜も三日の月/芭蕉
新米の二十駄ばかり城下口/正岡子規
漱石忌二十日鼠が垣に消え/友岡子郷
二十世紀梨の青さよ雨の街/長谷川櫂
水枕替へゐる二十三夜月/今井三千寿
行く秋や二十日の水に星の照り/園女
診察室二十番出て梅雨の街/高澤良一
二十日正月弔問の列にあり/廣瀬町子
馬子唄や二十三夜の湯治客/薗部庚申
花冷の磁石と二十日鼠かな/宮坂静生
宴席の二十八個の栄螺噴く/鈴木鷹夫
大花野二十六聖人浮かぶ/廣瀬之扶子
畦歩く二百二十日の鴉かな/影島智子
多羅の芽の十や二十や何峠/石田波郷
春山に二十四孝の屏風立つ/後藤夜半
夏引その乱れや二十八天下/子規句集
藤椅子に二十世紀の音軋む/吉年虹二
連凧を揚げゐて二十世紀末/庄中健吉
ささげ餅配られ二十六夜待/小谷延子
俳句例:121句目~
こぞり立つ松の緑の二十本/稲畑汀子
蜩二十重青き壮りに杉徹す/宮津昭彦
二十年の夏杉を指す妻の齢/香西照雄
代田澄み二十六夜の月登る/門脇桃園
老鶯や松を二十重に防砂林/青木重行
鹿鳴くや杉の梢の二十日月/正岡子規
初秋やこころの花は二十四色/佳夕能
君が代や柊もさゝす二十年/正岡子規
鮎の登る川風寒し二十日月/井上井月
寂庵の句座二十年飛花落花/黒田杏子
濱村や二百二十日の旅急ぎ/会津八一
石炭や二十世紀は移りつつ/京極杞陽
生麥の海淋し二十六夜待/久保田万太郎
痩せたりや二十五年の秋の風/正岡子規
百六年後の二十二世紀春の霜/桑原三郎
三千七百二十一柱かげろへり/川崎展宏
蓬萌ゆ二十六聖人踏みし径/山田ひさし
長き夜の浅き眠りの二十階/猿橋統流子
鯉はねて二十六夜の月のぼる/佐藤幸寿
二十三夜月高波の伊豆に泊て/松村蒼石
俳句例:141句目~
俳諧の二十三夜を誰と待たん/景山筍吉
喪の服をたたむや二十三夜月/佐々五月
真葛ケ原二十三夜へ傾ける/金田あさ子
羽織きて二十三夜の女かな/高橋淡路女
飛騨刺子さし終ふ二十三夜月/臼井軍太
初夢や「緘」の彼方の二十代/櫂未知子
紅梅や病臥に果つる二十代/古賀まり子
高くはるかに雪渓光る二十代/松尾隆信
髪洗へば暮春なりわが二十代/中山純子
インバネス古りて勤続二十年/吉屋信子
二十年むかしや障子を洗ふ秋/高柳重信
二十年住めばふる里つく法師/深澤/玄
啼かぬも跳ぶも蟇あと二十年/荒井正隆
小町忌の反物のまま二十年/北柳あぶみ
苔さくや親にわかれて二十年/村上鬼城
二十歳の日と同じ紅曼珠沙華/津田清子
我が二十歳韃靼に在り敗戦日/古江腎定
明日二十歳逝く秋一日我ままに/弓削裕
秋光に遠き落馬の騎手二十歳/対馬康子
門跡は二十歳におはす濃山吹/福島壺春
俳句例:161句目~
雪嶺の上の青空子は二十歳/越智千枝子
おいてくぞ二十世紀の葱坊主/高澤晶子
二十世紀戦ありしよ初山河/文挾夫佐恵
供へらる二十世紀に今日の月/高澤良一
俎開き二十世紀もさばきけり/中嶋秀子
歳時記と二十世紀を見渡しぬ/高橋京子
鉄の肺二十世紀を駈け抜けり/高澤良一
三椏に月は二十日の仮面とる/高澤良一
二十日ほどの有明月や明易し/下村梅子
二十日夜祭の雪残りたる竹籬/浦田一代
浜に路地ありて産声二十日月/佐藤鬼房
二十日月大仏殿を軽くせり/井田みさ子
二十日正月闇美しく迫りくる/向笠和子
二百二十日金属音の昆虫いて/前川弘明
人影やほうたる二十日蝉三日/齋藤愼爾
八方に二百二十日の湖荒るる/稲荷島人
坂東に女をおきて梅雨二十日/塚本邦雄
外山の地唄も風の二十日盆/渕向正四郎
尿袋さげきし二十日礼者かな/綾部仁喜
残梅の花二十日の月にいづれ/正岡子規
俳句例:181句目~
水飯や二十日寝たれば百歳と/皿井芳子
二十年の髪切り捨つる汗熱し/永井龍男
生還のその日六月二十日なり/丸山嵐人
脊戸畑の二十日大根も秋の膳/滝井孝作
菫摘み二十日鼠に近づきぬ/大竹狭田男
鳥帰る看取り二十日の仏かな/溝口昭二
砂防林二十重の松の色変へず/茂恵一郎
美しきもの昏みきぬ梅雨二十重/斎藤玄
風花や山は二十重にわが行手/木村蕪城
しぐるるや二十六聖片濡れて/柴田弘子
二十五去る眉の高さに水平線/川口重美
二十五菩薩おん名を唱し寒詣/田中/満
二十五菩薩中の如来の滴れり/野澤節子
二十余樹大緑蔭を成せりける/星野立子
二十六世継ぐ島の医や松の花/大橋敦子
二十六夜様山菜料理の重揃ふ/金沢兼雄
二十六夜祭男ばかりの厨かな/曽根/満
二十六聖人大夕焼に合掌す/能村登四郎
二十六聖少年ことに柳絮舞ふ/堀口星眠
二十四の瞳のようにしゃぼん玉/鈴木路