唸りに関連した俳句の例をまとめました。
唸りを含む俳句例
凧くるわの空に唸り居り/篠原
頂上の天の逆鉾蜂唸る/鈴木厚子
初凧の舞天帝を唸らしむ/宮田硯水
吊鐘や唸りて通る秋の蜂/藤田湘子
藁塚や四五疋虻の大唸り/村上鬼城
海嘯の唸り水鳥総翔ちす/山下美典
凶作の刈田電柱唸り立つ/西東三鬼
節分の風唸りゐる海の上/大木あまり
唸る電線ガソリン臭き政党員/穴井太
カラ~の野糞日向や虻唸る/内田百間
長城に唸りぶつかる熊ん蜂/川崎展宏
唸り独楽唸る東西南北に/後藤比奈夫
凧唸るや険しき風の雲の中/鈴木花蓑
学校の上に絵凧が唸りけり/内田百間
土佐犬の低く唸りて帰り花/藤平寂信
土蜂の恋の唸りの青鞍馬/殿村菟絲子
垂り稲の地平に唸り哨戒機/高井北杜
掛稲の下を這ひつつ唸る蜂/岸本尚毅
凧尾を跳ね上げて唸りけり/鈴木花蓑
亀鳴けり甍の獅子は唸りもし/坊城俊樹
俳句例:21句目~
先へ行く猟犬唸り地に伏せる/越智条山
ドライヤー唸らせ吾娘の初鏡/奈良文夫
台風に唸り返してポプラの樹/斉藤和夫
夕日沖へ海女の乳房に虻唸り/沢木欣一
蜜を吸ひ呪文のやうに虻唸る/須藤節子
大空に唸れる虻を探しけり/松本たかし
花虻に抱へられたる蕊唸る/佐々木六戈
食べごろの桃に冷蔵庫が唸る/鈴木鷹夫
くらがりの唸り独楽なる金亀子/石塚友二
ダイナモの唸り澄むとき猫の耳/楠本憲吉
チエンソー唸り冬木の匂ひ来る/高橋笛美
下したる雪の唸りが腹にひびく/堀越胡流
凧唸り孟宗竹の青さゆるみなし/渡邊水巴
工事場のシートの唸り野分中/佐倉あさ子
桃として倉庫出て行く唸りつつ/西川徹郎
唸り独楽少年の目のひたすらに/水原春郎
紫外線凧の唸りに満ち来たり/佐野青陽人
唸り凧あそぶ筑波を見下ろしに/荒井正隆
虻一匹一唸りして消えにけり/稲畑廣太郎
砂山に蜂唸りサンテグジュペリ忌/大串章
俳句例:41句目~
進物の唸り添えたる絵風箏かな/羅蘇山人
吠えず唸る猛犬をりて雪の庫裡/右城暮石
電線の唸り鵙見てよりきこゆ/川島彷徨子
唸りしぐれきやくしやかたがわ/加藤耕子
黙し合うときに唸りて冷蔵庫/山崎喜八郎
年ゆくや出エジプト記に虻唸り/小檜山繁子
どうじやこの独楽の唸りの心地よき/小川恭生
唸つて世の中が素通りする風に農民の顔/栗林一石路