獅子に関連した俳句の例をまとめました。
獅子を含む俳句例
獅子舞や大口明けて梅の花/一茶
夕櫻鶏の頭を喰ふ獅子に/小澤實
獅子の舞巌となりて耳震ふ/月笠
獅子頭双十節の高空に/高澤良一
埋没の石獅子の首麦青む/日原傳
獅子舞に暇乞唄暇笛/加倉井秋を
獅子舞の土嗅ぐ仕種日本晴/一考
春雨や眠りがちなる檻の獅子/抱
隔りて少年獅子の笛を吹く/鳴金洞
獣に青き獅子あり涅槃像/後藤夜半
獅子頭脱ぎたる顔の撫然たり/瓜人
蕗畑厄神獅子の通りけり/前田普羅
菜の花の中や手にもつ獅子頭/乙二
畦潰ゆ獅子舞獅子を肩に垂れ/桂郎
獅子頭揺らぎ~の金かな/野村喜舟
獅子頭八方にらむ土用干/加藤一智
啓蟄や獅子身中の虫騒ぐ/柴田奈美
獅子寐るや其唇に蠅の糞/幸田露伴
大雨に獅子を振りこむ祭かな/鬼城
獅子舞や篁の土乾ききり/石川桂郎
俳句例:21句目~
風呂敷に獅子舞の具峠越す/下田稔
日輪に挑み舞獅子舞ひ狂ひ/上野泰
潮待ちの船に獅子来る浦祭/石原義輝
盃に遠世のごとし獅子の笛/川端火川
皹を獅子身中の虫という/宇多喜代子
獅子舞は巷に世阿弥五百年/久米正雄
獅子舞の舷梯のぼる紙吹雪/中本柑風
獅子頭露地の童に舌出して/石塚友二
牡丹忌や現れさうな獅子の舞/酒井武
獅子頭連ねかざして祭かな/高浜年尾
獅子舞の笛に蹤きゆく遊び鶏/藤井亘
獅子舞の二つ反り打ち土間の中/温亭
初東風や肩にねむりし獅子頭/高橋潤
獅子頭毛の房々や神の留守/野村喜舟
獅子舞のまづしき顔や聖橋/杉山岳陽
獅子も立ち踊る六斎和唐内/松本三余
結ひたての髪を喰ひけり獅子頭/庭後
獅子使苜蓿ゆくも鞭鳴らす/内藤吐天
獅子舞に山の手暮色雪ふり出す/風生
村獅子の笛遠離るかづら橋/麻植悦子
俳句例:41句目~
豊隆の胸へ舞獅子口ひらく/西東三鬼
獅子舞や寒気煽つて耳震ふ/渡辺水巴
獅子舞の口の奥より酔ひて笑ふ/楸邨
格子戸を出て獅子舞の煙草喫ふ/立子
耳たれて舞獅子伏せし青畳/掛札常山
六斎や胡蝶に狂ふ獅子頭/池尾ながし
大つばき獅子王挿して席披き/及川貞
獅子頭まつる神座荒東風す/巌谷小波
母の銭温し獅子舞の短さよ/小林康治
笛吹川一筋あをく獅子舞来/橋本榮治
獅子舞の浪見て返す熊野灘/桂樟蹊子
笛しばし遅れ思案の獅子頭/谷口桂子
禊酒残りは獅子が喇叭飲み/品川鈴子
獅子独活の群落白き岳月夜/福田蓼汀
獅子独活の藪から棒に恐山/高澤良一
獅子舞や笛の少年戸に凭れ/橋本鶏二
毒の水激ち獅子独活花盛り/岡田日郎
獅子舞や獅子を眠らす子守唄/安住敦
獅子舞や師走の空の雪催ひ/富田木歩
獅子舞が通りこぼれる崖の土/桂信子
俳句例:61句目~
鶏の獅子にはたらく逆毛哉/榎本其角
祭笛獅子頭めきバスが来る/香西照雄
頭を低くして獅子舞が舞ひ始む/本荘
影ばかり脊梁山脈の獅子舞/金子兜太
青獅子も首垂れ嘆く涅槃変/福田蓼汀
文様の綿の中に獅子射られ/和田悟朗
新兵の欠礼街に獅子舞へり/萩原麦草
青獅子の文殊菩薩や花祭/加藤三七子
祭獅子煽る日の丸扇子かな/黒田咲子
雲形や獅子駆け鹿島槍ヶ岳/加古宗也
雪噛んできし北国の獅子頭/佐藤恵子
石像の獅子もしなやか春夕べ/桂信子
春風や獅子のかたちに太湖石/日原傳
雨乞の獅子が立寄る湯治宿/臼井軍太
石橋の虚空獅子飛ぶ牡丹かな/石原八束
秋天を仰ぎ打ち出す獅子太鼓/宮田富昭
屋根ごとに魔除獅子置き仏桑花/轡田進
舞ひ終へて金色さむし獅子頭/三橋鷹女
花嫁衣裳の紅獅子椿咲き重れ/和知喜八
豊饒の稲抱くしぐさ金の獅子/吉原文音
俳句例:81句目~
鉄工所冬正門に獅子を彫れり/細谷源二
山越えて来る獅子舞に兎網/米沢吾亦紅
東京はわが故郷よ獅子ばやし/永井龍男
灯りて獅子舞の色はじきあふ/朝倉和江
父子で舞ふ獅子の前足後ろ足/高間礼子
牡丹や仏乗らるゝ獅子はなく/野村喜舟
狂獅子かつと閉ぢたる顎かな/皆吉爽雨
まことにも獅子の愁や涅槃像/野村喜舟
獅子の児の親を仰げば霞かな/幸田露伴
獅子像のまなこ虚ろに街吹雪く/有働亨
獅子囃子吾児の温みを胸中に/町山直由
獅子役のピアスが光る月の宮/吉原文音
獅子牡丹わが名八束の湖の島/石原八束
デイゴ咲き口中赤き魔除獅子/中嶋秀子
獅子笛や山河眩しき父のくに/佐川広治
獅子舞に家族起立の町工場/菊地美恵子
獅子舞に戸をあけ放つ蔵座敷/吉田二葉
獅子舞のあるひは水の辺に憩ひ/安住敦
亀鳴けり甍の獅子は唸りもし/坊城俊樹
獅子頭しまふ月夜のブリキ箱/吉原文音