働くに関連した俳句の例をまとめました。
働くを含む俳句例
朝々の葉の働きや杜若/去来
働きし人を涼しく聖橋/小島健
山高く働く人に青嵐/茨木和生
陶房に働く夫婦帚草/高浜年尾
磐梯に峰雲の照り母働く/原裕
秋晴や働く音に港あり/山田弘子
電工の働く虎落笛の上/馬越冬芝
鰯雲岡で働く女たち/佐藤美代子
初蛙尼には尼の働く掌/古舘曹人
夜を働く上空に寒気団/辻美奈子
風北に変り豆引働きぬ/石井露月
畳屋の肘が働く秋日和/草間時彦
一塊の光線となりて働けり/篠原
働く吾と雀焦色真炎天/後藤一朗
働いてきし東京の朝櫻/黒田杏子
働いて机上乱雑満月なり/澁谷道
尺取のよく働ける頭かな/辻桃子
働いて少し幸せ葱の花/杉江久子
木枯の夜間働く温水器/高澤良一
外人の働く日本冬に入る/内野修
俳句例:21句目~
霊位慰めんと働く火鉢運ぶ/上野泰
昼顔のほかは働く男たち/石井禾人
雲の峰人間小さく働ける/星野立子
銭金にあらず働く汗信ず/松田雄姿
働きて帰る枯野の爪の艶/細見綾子
醪補佐小千谷清吉働けり/平井照敏
遠蛙いつまで父を働かす/田中菅子
山眠りけり係長は働けり/櫂未知子
山中に人の働くしぐれどき/齋藤玄
ゆつくりと夜を働く霜柱/柘植晴美
昼河鹿働く日々の力抜く/旗川青陽
春潮や働き蜂は余恋なく/永井龍男
蟻走る働くことを疑はず/杉山文緒
花杏夫婦流るるごと働く/青木重行
腕細き働き盛り花ざかり/高澤晶子
縁起物働き者の熊手だよ/高澤良一
噴水のひとり働き秋の雨/高澤良一
春日いま人働かす明るさに/岡本眸
働かぬ腕の重さや松納/白岩てい子
痛くなるまで働いて春霞/森田智子
俳句例:41句目~
光るもの夜も働きて鳥威/稲畑汀子
働かぬ煙突二本涅槃西風/矢野須磨
生涯の妻の働き葛の花/村山直太郎
働くや大蟻小蟻中蟻も/高田風人子
働かぬ日の文字鑿机上冴ゆ/水野遼
日覆や働きし顔飯を食ふ/藤田湘子
三色菫働けばくる日曜日/横澤放川
燕来る古来働き通しなり/松山足羽
五日はや働着なり夕みぞれ/及川貞
麦秋の月出でて又働けり/山中麦邨
港湾の音の働く薄暑かな/西村和子
海鼠切ることに器用を働かせ/敦子
休む煙突働く煙突春疾風/北野民夫
浅蜊汁朝は働く意志厚し/大塚茂敏
大寒や頓服のんで働きに/菖蒲あや
働かぬ日の足だるき鰯雲/菖蒲あや
戦後遠し働く蟻と迷ふ蟻/青木泰夫
大工帰り佐官働き冬の月/永井龍男
鵲や村はをんなが働き手/井沢正江
橙を飾るも励み働けり/笠原ひろむ
俳句例:61句目~
働いて乳房冷たし山桜/滝澤眞保子
働いて何を忘れむ秋の蝉/鈴木節子
北窓を開ければ人の働けり/小島健
枯桑の日和の中に働ける/京極杞陽
青簾母働かぬことのあり/外川飼虎
青年の日がな働く若布船/延原美幸
働いて悪かも知れず秋桜/森田智子
短夜の夢に母来てよく働く/岡本眸
露けき灯働けば妻荘厳す/小林康治
働いて海目指す水十二月/川崎慶子
山笑ふ静けさに人働けり/玉木春夫
寒造働く杜氏湯気まとひ/幸まつ子
月に出て人働けり下り簗/前田普羅
働いて薄着たのしや冬木賊/岡本眸
懸命に働くが好きぬかご飯/中西倭
働ける間は寡欲母の日ぞ/香西照雄
気働き目に出て少女山葡萄/岡本眸
夏帯や働き疲れ気の疲れ/鈴木真砂女
いわし雲人は働き人は病む/相馬遷子
かげひなたなく働いて姫始/加藤静夫
俳句例:81句目~
かん性のひとり働き二月尽/鈴木榮子
夏帽子替へて遊ぶ日働く日/安原春峰
夏草や働く髪を小さく結ふ/大矢節子
くらがりに悪を働く油虫/山口波津女
外套に天の重さや働ける/徳永山冬子
さへづりの真下働く郵便夫/高橋/清
黐の花晴れて家ぢゆう働いて/岡本眸
子等は皆働き盛り雲の峰/宮崎とき女
したたかに働く臓器秋暑し/柳田昭子
寒雀働けとこそ朝は来ぬ/鈴木しげを
巨き死も働き蜂の死も一死/石塚友二
庭畑の梅の落花に働ける/深見けん二
心臓の働き具合もおらが春/高澤良一
成人の日働き口の無き島の/杉原祐之
敗戦日働く蟻の腰くびれ/松倉ゆずる
教師の名負うて働く蟻も居む/樋笠文
日に焼けて男の如く働けり/杉山一転
朝は朝の智が働いて朴の花/高澤良一
朝顔へ働き者のはたきの音/中山純子
柚の香や夢と思いて働く人/永田耕衣