氷下に関連した俳句の例をまとめました。
氷下を含む俳句例
かのを氷下とよびし夕かな/小澤實
七輪の炭赫々と氷下小屋/千原瀟湘
氷晶や遠く黒子の氷下釣/石川桂郎
氷下釣る雪縦縞に横縞に/古舘曹人
橇行や氷下の穴に海溢る/山口誓子
氷下干す北方領土一握に/古舘曹人
透明な火をなだめては氷下釣/北光星
国後に向けて竿振る氷下釣/深谷岳彦
塚と化し雪積むままの氷下釣/原柯城
氷下釣獣の香をはなちけり/飯田蛇笏
氷海を上る朝日に氷下釣/粟津松彩子
湖の青氷下の穴にきわまりぬ/斎藤玄
氷の窓に冥き海ぞも氷下釣る/山口誓子
氷下は夢見るごとく釣られける/斎藤玄
氷下漁氷塵は日を吹き浚ふ/金箱戈止夫
氷下釣り顔の淋しさ包みをり/石原八束
氷下網あげたる穴を水塞ぐ/佐藤多太子
氷下網氷上雪のつもりたる/松原地蔵尊
氷下釣り山に懸れる日を忘れ/西村公鳳
氷下釣り穴を覗いて歩きけり/明石浩嗣
俳句例:21句目~
氷下釣る糸氷上にたぐり溜/大橋桜坡子
氷下釣る人等動かぬ色として/嶋田一歩
氷下釣る夜は真赤な頭燈つけ/若木一朗
氷下釣る顔の淋しさ隠しをり/石原八束
氷下釣る顔より昏れて来りけり/千葉仁
氷下釣一つの穴をひたまもり/鈴木鶉衣
氷下釣氷上に彩ともしけり/古賀まり子
氷下釣背より下ろせし荷沢山/田村木国
嘉き氷下大内山にまゐらせよ/筑紫磐井
氷下釣無垢の氷を割りはじむ/佐藤瑠璃
後手に曳いて行く橇氷下釣/永谷たくじ
白刃の風身にまとふ氷下釣り/石原八束
空風に乾びてゐたり氷下売/金箱戈止夫
見つめ続け見つめ終らず氷下穴/斎藤玄
二三度は跳ねて氷下の凍りつく/酒井朱青
氷下釣る焚火の跡に焚火して/横山いさを
氷下穴ひかりは闇をしたたらし/柚木紀子
居酒屋が北のまほろば氷下焼く/矢島渚男
氷下釣る夜明けの海霧は月孕み/西東三鬼
沓軋り現れしアイヌと氷下釣る/西東三鬼
俳句例:41句目~
氷下獲り身じろぐを待ち去ぬるべく/岸田稚
氷下あはれ尾をはねしとき凍てにけり/大塚千々二