鏡台に関連した俳句の例をまとめました。
鏡台を含む俳句例
初湯出て青年母の鏡台に/鷹女
畳替して鏡台も新しく/星野立子
鏡台に男が座り猫の恋/富安風生
鏡台の主の行衛や塵埃/夏目漱石
餅白う鏡台祝ふお末かな/伊藤観
鏡台を祝ふや花の女形/岡本松浜
姫鏡台春の雪山間近にす/館岡沙緻
鏡台に溜まる剃の刃西鶴忌/檜紀代
鏡台に海酸漿の乾くまま/杉原竹女
鏡台の端にひとつぶ年の豆/石寒太
鏡台の野花八専や湯治舟/宮武寒々
鏡台や猟銃音の湖心より/藺草慶子
火鉢売場寒し鏡台並びけり/永井龍男
伝へたる古鏡台も祝ひかな/松瀬青々
鏡台に花吹きこむや春の風/正岡子規
定年なき妻の鏡台木の葉髪/岡本邦子
喪服きて覗く鏡台春障子/車谷弘佗助
夏めいてくる鏡台のあたりより/黛執
鏡台があれば覗きて冬の宿/細川加賀
妻四十鏡台祝ひなかりけり/小杉余子
俳句例:21句目~
旅の鶴鏡台売れば空のこる/寺山修司
鏡台に一とふさの藤防空裡/宮武寒々
鏡台の塗りの剥落近松忌/鈴木真砂女
鏡台の挟める秋の通路かな/宮武寒々
鏡台はパンドラの匣緑さす/松本澄江
鏡台に娘のもの増えて春近し/五十嵐櫻
鏡台に瓶のいろいろ小鳥来る/遠藤慶奈
鏡台に背ナをもたせて春炬燵/下田実花
鏡台に髪梳き虎が雨となり/倉形さらさ
かげろふに古鏡台を毀しをり/鈴木鷹夫
はたゝ神鏡台の間の暗さかな/西山泊雲
妻と娘が使う鏡台芽木の中/田川飛旅子
十月や鏡台の位置変えてみる/青木恵子
母を消す火事の中なる鏡台に/寺山修司
水中花置き鏡台のくもりなく/片岡我当
鏡台にぬきし指輪や花の雨/鈴木真砂女
鏡台やこれが己れの梅雨の顔/石川桂郎
鏡台にうつる母ごと売る秋や/寺山修司
鏡台をたま~縁に春の塵/阿部みどり女
鏡台を捨てて新居にくる晩夏/対馬康子
俳句例:41句目~
鏡台に生れし蝿の居りにけり/高浜虚子
鏡台祝ふ人妻なん宮仕へせし/松原射石
祖母よりの鏡台みがく近松忌/鷲谷七菜子
梳きはじめ鏡台の富士傾けて/秋元不死男
逝く年の鏡台に触れ落ちしピン/田村了咲
初湯出て鏡台まぶしく吾に向く/菖蒲あや
秋風に鏡台もなく住みゐたり/山口波津女
避寒して鏡台の気に入らぬまま/波多野爽波
鏡台の傷いたわりて多佳子の忌/川崎美知子