舞に関連した俳句の例をまとめました。
舞を含む俳句例
万歳の舞声聞ゆ梅が門/几董
月今宵あるじの翁舞出よ/蕪村
父の唄母の舞澄む雪の山/原裕
奉る舞一さしや大石忌/辻迪子
舞初の扇の要返しかな/菅原末野
舞初の女大名太郎冠者/後藤夜半
青空へ祭舞合は筵がけ/太田鴻村
仏舞果てて山田の遠蛙/小坂栄子
舞初の唄仕る師匠かな/馬場星斗
獅子舞や大口明けて梅の花/一茶
先斗町歌舞練場も秋簾/伊藤柏翠
梅若忌哀しき母の舞を舞ふ/篠原
兜祭実盛偲ぶ剣の舞/綿谷たま子
楼に哥舞伎の真似や煤払/炭太祇
岬宮の舞殿閑か寒雀/倉持とし子
盗みする鳶も舞けり春の空/闌更
獅子の舞巌となりて耳震ふ/月笠
指缺けて楽舞俑群油照/柚木紀子
紅絹裏に春風遊ぶ舞扇/古市絵未
早舞の融の霊や望の月/鈴木勘之
俳句例:21句目~
咲く花に燈影舞無烏瓜/下村槐太
国栖翁舞の冠正し座す/植木長子
風あふれ辛夷樹上の花の舞/林翔
葭切の葭を出でざる舞移り/篠原
花街に京舞を守り事始/井上芳江
琉球の舞姫と食ぶ葛桜/吉田初江
花曇り延年舞の紙太鼓/棚山波朗
獅子舞の土嗅ぐ仕種日本晴/一考
鵯の笛燕の舞も御田植/大橋敦子
夏帯をしめ一本の舞扇/秋吉花守
獅子舞に暇乞唄暇笛/加倉井秋を
月の舞大国主に奉る/向久保貞文
駒鳥に大黒舞を見せうもの/遅月
大砲の煙の上や舞雲雀/正岡子規
大砲の煙を下に舞雲雀/正岡子規
朝顔や母の手ずれの舞扇/森孝子
舞初や昔おぼえを仕る/白井一江
真向の芦の枯れざま舞扇/桂信子
舞初や女の中の美少年/岡本松濱
姥杉に大日舞楽奏さるる/荻原映☆
俳句例:41句目~
順の舞藁花笠の老もがな/西本一都
雪虫の命微塵に舞をれり/大郷耕花
屏風絵の田楽舞も日の永し/辻桃子
山の雨霞となりし仏舞/伊藤美音子
楪にすることもなし指の舞/齋藤玄
男山そびらに舞楽放生会/谷口八星
雪枝や白土おつる木舞竹/椎本才麿
陽炎や酒にぬれたる舞扇/高井几董
殺陣の舞も春興北京の夜/大島民郎
酒桶にちどり舞入嵐かな/加舎白雄
辻能の班女が舞や夏柳/河東碧梧桐
行燈の下に舞月の硯かな/籾山柑子
序の舞の猩々袴尾瀬ヶ原/堀口星眠
序の舞の笛喨々と芒野に/香月梅邨
序の舞を火蛾仕る薪能/高橋たか子
花の雨延年舞の白足袋に/沢木欣一
舞舞の場もふけたり梅がもと/蕪村
延年の舞に桜の蕊降れり/細見綾子
舞殿や薫風昼の楽起る/河東碧梧桐
舞殿の欄干を垂れ菊競ふ/荒井正隆
俳句例:61句目~
並びなき雪の舞手や初扇/長谷川櫂
舞そめや金泥ひかる京扇/正岡子規
獅子舞や篁の土乾ききり/石川桂郎
紅扇十三にして舞をなす/正岡子規
競べ馬勝奏上の馬上舞/梶本佳世子
凍瀧の中へ失せられ舞衣/川崎展宏
初凧の舞天帝を唸らしむ/宮田硯水
立舞の鶴さながらに雪の城/上村占
初旅や存分に見し鶴の舞/大橋敦子
鬼舞も照る寒星も昔ぶり/橋本榮治
六月やひき茶色なる舞扇/今泉貞鳳
神楽舞野の神々の淫唄/櫛原希伊子
春潮に対ひ鉦打つ仏舞/新保ふじ子
鬼舞の済みて蜩浄土かな/木内彰志
舞すくむ虻や地にそふ影久し/白雄
夜神楽や水涕拭ふ舞の袖/高井几董
大前の延年の舞小春かな/滝川/春
春の蚊や舞の由来に大柱/古館曹人
翁舞国栖の雪山塀をなす/津田清子
初舞の袴の紐締めにけり/渋谷/澪
俳句例:81句目~
仏舞蕨摘みつつ集ひたり/三谷道子
舞人の祭稽古や水鶏鳴く/中川四明
敦盛が能のくだりや舞始/岡地蝶児
旅人の城へ上るや舞雲雀/正岡子規
日輪に挑み舞獅子舞ひ狂ひ/上野泰
馬消えて鳶舞上る枯野哉/正岡子規
風呂敷に獅子舞の具峠越す/下田稔
舞初めの女大名太郎冠者/後藤夜半
鬼舞の出を待つ鬼の大団扇/堤京子
「延年の舞」は白濤秋の風/渡辺恭子
あげ潮の舞を大きく冬かもめ/岡本眸
梅の精狂ふ舞初うつくしく/山口青邨
歌翁おうと息つぐ国栖の舞/大石悦子
蘭の香に舞樂の面の古ひ哉/正岡子規
おんおんと森の膨張女舞/八木三日女
かげろふの羽より淡し舞衣/武原はん
虎舞の胴長となる炎天下/佐野千枝子
袖長き蝶舞の座に直りけり/尾崎紅葉
母の銭温し獅子舞の短さよ/小林康治
遠雷や後ろ手に解く舞袴/上野ひろし