青し/青さ/に関連した俳句の例をまとめました。
青し/青さ/を含む俳句例
雷に魂消て青し蕃椒/正岡子規
笹折て白のたえだえ青し/才麿
春風や山紫に水青し/正岡子規
松の葉の隣も青し竹の春/二柳
十月の笹の葉青し肴籠/炭太祇
人の声して山の青さよ/山頭火
髪生えて容顔青し五月雨/芭蕉
初湯出て窮巷ながら空青し/碧童
西瓜さへ表は青し蕃椒/正岡子規
海へ去る稲妻青し松の上/有働亨
竹林に透く空青し冬の蜂/原石鼎
花長く吊して烏瓜青し/山西雅子
古寺のすのこも青し冬構え/凡兆
茴香の夕月青し百花園/川端茅舎
富士の空いちにち青し松納/瑞峰
復活祭山肌赫く海青し/大野林火
石鎚山青し従ふ山霞む/倉橋羊村
玉霰竹に当つて竹青し/日野草城
魂の半面翳り蘆青し/伊丹さち子
狩の天青し発砲寸前か/兒玉南草
俳句例:21句目~
空青し我も我もと仏の座/赤松勝
鬼灯市丹波千成皆青し/松藤夏山
尺蠖の真から青し仏径/大中誉子
林間の十月青し雨も灯も/岡本眸
湖青し雪の山々鳥帰る/正岡子規
山吹の莟も青し吉野川/野澤凡兆
山草のさやかに青し神の棚/露月
柳青し紅燈七十二青楼/正岡子規
蝸牛男が幹の青さ言ふ/松本文子
湖青し雪の山々鴉飛ぶ/正岡子規
潟翔けて風切青し初鴉/橋本義憲
一霰こぼして青し松の空/原石鼎
馬の仔の肌色淡く風青し/瀧春一
風の日の海原青し行々子/上村占
青蛙青し勾玉の出土跡/大熊輝一
旅人に神説く男栗青し/堀口星眠
青し青し若菜は青し雪の原/来山
水澄みて籾の芽青し苗代田/支考
干大根青し短し釈一茶/斎藤俊子
廃村をゆく霧青し灸花/橋本榮治
俳句例:41句目~
僧若し頭の青さ夏近く/小川正純
冬枯の一隅青し三河嶋/正岡子規
雪被く旧燈台下潮青し/木村蕪城
冬桜常陸風土記の空青し/原和子
籠青し翳かさねたる寒卵/草間時彦
子の佇てる籬の高さ風青し/杉本寛
家づとの鳴門若布の籠も青し/篠原
お降りや清盛塚の苔青し/上埜チエ
端居して後手つけば山青し/上野泰
桑の芽の僅に青し花大根/正岡子規
桑青し秩父遍路も蜂起跡/佐藤佳郷
窓口の一と枝青し灯取虫/滝井孝作
寺に受く一椀の粥山青し/岸原清行
空青し目刺一連外しきし/大石悦子
稻妻の碎けて青し藪の奥/正岡子規
梅青し夭折の顔それぞれに/中田剛
梅青し銅像の肉服に満ち/中島斌雄
のぼり窯芯まで青し玉霰/兼近久子
山青し黝し颱風洋を来る/相馬遷子
海青し百里の富士に朝がすみ/樗良
俳句例:61句目~
稲妻の砕けて青し海の上/夏目漱石
航跡は氷の青さ久里浜丸/高澤良一
帚草余生の母に夜も青し/大野林火
砂糖黍の畑の果ての海青し/磯直道
竹藪に師走の月の青さ哉/正岡子規
白桃の桜にまじる青さ哉/正岡子規
溜息の後の息吸ふ萩青し/鈴木鷹夫
砂丘きて負籠の中の冬菜青し/澄雄
わが頭上最も青し秋の天/岩崎偶子
橋赤く谷川青し薄もみち/正岡子規
ガスの火の釦に青し闇汁会/廣波青
淋しさの極り青し秋の海/野村喜舟
一本の萱の青さを織始/あべふみ江
御手洗の杓の柄青し初詣/杉田久女
鴨帰り俄に青し土手の草/石塚友二
眠る子の髪の根青し螢籠/岡田貞峰
目刺の背青し立春という一語/雅人
打水に秋草なればひた青し/瀧春一
高吹いて麦笛青し美少年/日野草城
雪の日の隅田は青し都鳥/正岡子規
俳句例:81句目~
雪しまく港にあぐる青し/遠藤はつ
鉛筆で指す海青し卒業歌/寺山修司
釣忍星の流るるとき青し/田村了咲
酒くれし竹筒青し春の晝/幸田露伴
百合青し人戛々と停らず/石田波郷
初空の青し地上の雪二尺/渡辺波空
観音の身の内青し半夏生/奥山雷火
初雪の流れて青し朝日川/正岡子規
井戸浚へ地下百尺の土青し/岸霜蔭
蜩の真昼も鳴いて栗青し/林原耒井
十勝野の一劃青し冬菜畑/鮫島交子
駒尻に卯波の青し都井岬/前田時余
蔦青し一本杉を登りきり/中橋寛子
菜も青し庵の味噌豆今や引く/一茶
新年の直々として竹青し/岸風三樓
六甲の裾まで青し入学す/西村和子
町の上に浅間が青し夏祭/相馬遷子
水青し土橋の上に積る雪/夏目漱石
月青し巌飛ぶ鹿の腹の下/幸田露伴
水口の辺りは青し冬田かな/南耕風