停車に関連した俳句の例をまとめました。
停車を含む俳句例
忘れ物扇一本と停車場/正岡子規
御降に楽隊どこへ停車場/会津八一
信号の長き停車や葱坊主/稲畑汀子
春風を入れて停車の二分間/星野椿
停車場に遠き宿りや枯柳/松藤夏山
山国の長き停車の初景色/木内彰志
国境に長き停車や枯るる中/森田公司
停車場の前に泊りて乙鳥哉/内田百間
停車場の周り田植や鴨の宮/滝井孝作
夕立雫煽れる風と停車せり/原田種茅
山影のさす停車場や木槿垣/滝井孝作
海鳴りへ大向日葵へ長停車/奈良文夫
秋雨や二人汽車待つ停車場/正岡子規
米売の瞳祈る花の停車駅/殿村莵絲子
麦の秋停車のながき養老線/江崎和子
花万朶ローカル線の長停車/星野閑子
落葉松の雨の芽ぶきや長停車/及川貞
蓮の花さくや淋しき停車場/正岡子規
虫鳴くや人少し野の停車場/正岡子規
梅咲くや停車を長く路線バス/満田玲子
俳句例:21句目～
一分間停車なづなの花もまた/友岡子郷
一駅のながき停車に雪しまく/高木石子
世田谷線小刻み停車日脚伸ぶ/田中三路
停車場に雷を怖るゝ夜の人/河東碧梧桐
停車場の鏡に冬の来たりけり/小川軽舟
停車場に柿賣る柿の名所かな/正岡子規
長き停車林檎の花ゆ虻が来る/大野林火
長停車して冬の蝶とび出づる/高野素十
雪降りをり深夜の停車駅に声/宮津昭彦
馬追や停車の長きローカル線/阿部寿雄
停車場の大綿まへる暮情かな/中村草田男
茶屋一つ無き停車場や草紅葉/石島雉子郎
停車場の椅子に衿卷を忘れしよ/正岡子規
氷塊を積むトラックの急に停車/右城暮石
汽車入りて停車場くらし花の雨/木村蕪城
緑陰にマスコット回りつつ停車/岩崎照子
さゝやかなる停車場あり稲の花/寺田寅彦
二分停車好摩ヶ原は木露降る/中村草田男
長停車降りて雪投げしてゐる子/高濱年尾
乗降者とて無き停車四月馬鹿/佐野まもる
俳句例:41句目～
停車場の大綿たれにかかはりある/草田男
酒売らぬ幾停車場を時雨れつゝ/尾崎紅葉
停車場の灯のみあか～秋近し/久保田万太郎
男郎花停車のひまに手折りきし/大橋櫻坡子
停車場の柵にも大根干せるころ/久保田万太郎
停車場にけふ用のなき蜻蛉かな/久保田万太郎
ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく/石川啄木
