自転車に関連した俳句の例をまとめました。
自転車を含む俳句例
春泥の自転車あふれ湖へ/石寒太
自転車の翳に鳩ゐる雪国よ/林桂
山門の裏に自転車牛蛙/田中裕明
自転車に苧殻音たつ盆支度/林翔
自転車の妻に驚く鰯雲/斉藤夏風
南風自転車錆びて家陰に/大井雅人
自転車の荷台に歳暮女行く/岸栄一
自転車の蒼光る肉峠より/西川徹郎
春暁の自転車五つ六つ百/鷹羽狩行
自転車を一家乗り捨て磯遊/上野泰
自転車と路を争ふ燕かな/正岡子規
自転車に昔の住所柿若葉/小川軽舟
自転車は園丁の足初仕事/米倉義雄
自転車が過ぐ松過ぎの雪雫/中拓夫
年木樵無灯自転車にて帰る/辻桃子
自転車の軋みを笑ふ寒鴉/脇本幸代
分校へ自転車通ひ耳袋/田北ぎどう
女坂に自転車倒す麦の秋/後藤貴子
新任教師の自転車に寝袋/鈴木清子
砂走れぬ自転車海は生の力/上月章
俳句例:21句目~
老人の自転車疾し行々子/鈴木鷹夫
農道に放置自転車草茂る/一戸一秀
雷門自転車で来る氷菓売/亀澤淑子
青鬼灯風の自転車神隠し/塩野谷仁
自転車快調口笛快調風光り/片山桃弓
山門下自然薯掘の自転車か/高澤良一
川を見て自転車流す旧き友/浅井一邦
自転車の神父色なき風に乗る/佐川光
自転車のかごの一番上が桃/藤本幸江
年立つて自転車一つ過ぎしのみ/澄雄
自転車の走れるは道鯊日和/右城暮石
河べりに自転車の空北斎忌/下村槐太
夏草や自転車の輪立犬の糞/正岡子規
捨自転車狗尾草に沈みをり/舘岡沙緻
自転車の浜に埋まる秋の暮/長谷川櫂
自転車を妻と並べて暮の春/片岡宏文
自転車を倒し七月匂いけり/和田悟朗
自転車の曲るくらがり行々子/石寒太
自転車の左は秋の日暮れかな/原初美
自転車と関係のある病葉よ/金山桜子
俳句例:41句目~
自転車の肩立て通し師走妻/香西照雄
自転車の大きな車輪草の花/石田郷子
白桃を自転車泥と思ひ込む/攝津幸彦
かちわりや戦争中の自転車で/辻桃子
積みあげる放置自転車夏蓬/細川哲郎
自転車に七夕笹と子を二人/星野恒彦
自転車の前傾姿勢夏ひらく/伊丹公子
緑蔭に自転車止めて賭将棋/吉屋信子
子が二人自転車二台鳳仙花/小原牧水
老僧の自転車颯と合歓の里/赤澤新子
自転車のチェーンの緩み秋燕/山崎篤
自転車のセーター赤し林透き/谷迪子
自転車のサドルの雪の津軽かな/林桂
自転車のみな横倒し夏木立/山田弘子
自転車が占む青田道青田駅/小黒黎子
自転車を巧に汗を拭ひ行く/尾崎紅葉
自転車を掠めし鴎新社員/森山いほこ
自転車を漕ぐ寒星の宙の中/相馬遷子
自転車を漕ぐ浅草の祭髪/長谷川公二
自転車を磨き卒業式の朝/高田風人子
俳句例:61句目~
自転車を落花のもとに集めけり/林桂
蕎麦の花自転車赤き郵便夫/相馬遷子
蛇食うて街自転車に囲まるる/石寒太
自転車の風杏咲く遠さあり/下村槐太
避暑の村自転車族が占領す/西村和子
自転車の隠されてあり鯨幕/森田智子
麦秋や自転車こぎて宣教師/永井芙美
駅前に溜まる自転車納税期/池田秀水
自転車の汗打かをる公子かな/尾崎紅葉
自転車の陰涸川を渡りきる/梅木由起美
海沿ひに自転車つらね夏隣/岡部名保子
かさかさの裏白自転車の少年/山本弥生
自転車に子供を乗せて鹿の中/岸本尚毅
火に透けて自転車観世音菩薩/在/気呂
自転車の少年服で汗ぬぐひ/早川まさ子
さむい七月自転車の紐たらし/宮坂静生
片蔭に自転車置きて患家訪ふ/山下公三
自転車に括られ鶏や涅槃西風/清原枴童
のりすての自転車橋に鰯雲/松本てるえ
万愚節自転車提げて鉄路越ゆ/延江金児
俳句例:81句目~
盆過ぎの村を自転車警邏の燈/鷹羽狩行
自転車の声飛んでくる踊子草/上野澄江
自転車の遠乗りをして鯊の海/高澤良一
秋の田の自転車汽車におくれゆく/六子
自転車に積みゆく傘や花の雨/野村泊月
自転車に積む子落すな二月の陽/長田蕗
秋霖や駅に自転車捨て置かれ/川越寛子
自転車に新藁積めるだけ貰ふ/楠原幹子
自転車で田を見にくるや栗の花/飴山實
自転車の輪が廻るたび水温む/佐川広治
自転車の車輪とまらず鳥の恋/仙田洋子
置き去りの幼な自転車鳥雲に/堀口星眠
自転車に積んで来る辛夷かな/川崎展宏
自転車の荷台に鮟鱇積み帰る/高澤良一
夜桜の下自転車が迅く通る/波多野爽波
自転車の利発なる音冬に入る/中村和弘
自転車の不意に重たく沈丁花/行方克巳
大嚏して自転車のぐらつけり/小西領南
天高く自転車を漕ぐ尼僧かな/仙田洋子
腹癒せに自転車蹴る子葱坊主/森田栄子