友に関連した俳句の例をまとめました。
友を含む俳句例
夏舘大恋愛の友来る/坂中重夫
月の友又来し気配甃/星野立子
みぞれふる庇の間や友雀/昌房
滑稽な友の話や春隣/河野静雲
山住の友尋ねけり西行忌/成美
秋惜む遥けき友と一つ舟/林翔
米くるる友を今宵の月の客/芭蕉
松虫に狐を見れば友もなし/其角
初鴉遥けき友を呼び得たり/春兆
初便り少年友へ鳩放つ/和田祥子
此秋は月見の友も替りけり/許六
老友の学習院長霜の菊/高浜虚子
泊居てきぬた打也尼の友/炭太祇
北国の友の手漉に初便/徳永北柿
花桐と土蔵の月日友の家/桂信子
蜆殻友見送つてから乾く/桂信子
金玉友に一男一女あり/金田咲子
友とする夜も文車の荻の声/鬼貫
春山の路の牛糞友のごとし/三鬼
合歓の花細好男友として/中田剛
俳句例:21句目~
春大根一束友へ青梅線/宮腰秀子
一夜来て泣友にせん鳰の床/風国
長閑さや小的に友をよぶ姿/信徳
雁金や友におくれて寒の入/風国
夏菊病児の友の鄭重語/佐藤鬼房
一生の友の従兄と入学す/上野泰
大名に酒の友あり年忘れ/炭太祇
食後淋し友待つ雪に酒の燗/吟松
友染の夜具欄干に椿かな/泉鏡花
新娶り一友在りて酔寒し/三谷昭
戦歿の友のみ若し霜柱/三橋敏雄
一草一木を友年新らた/細見綾子
友去りて一燈見つむ夜の秋/林翔
友招く錦木紅葉今盛り/小屋貞子
友白髪奉りけり春の雪/尾崎紅葉
友許も三日となりぬ秋扇/下田稔
友送る手燭の影や石蕗の花/宋屋
南北に友のふるさと楝の実/林徹
友釣の鮎のやさしき姿かな/原裕
友静臥一川冬の藍深く/中島斌男
俳句例:41句目~
古き友に逢ひし徴兵検査哉/久宝
盆切籠友よ茫々六十年/中西舗土
真昼間の中也の友の短靴よ/林桂
急逝の友の特選菊花展/熊田鹿石
豪雪を友へ禅林の太柱/福田蓼汀
御命講やあとの月には月の友/荒雀
「信友の室」の扁顔夏館/原田青児
再会の友よ花野に綱引かむ/仁平勝
再度訪ふ友の籬の花一位/影島智子
友の婚盛装である借衣裳/古市絵未
村長は幼友なり伊予蜜柑/木内岳南
心安き友やしたゝか水祝/正岡子規
春筍に友の心の通いけり/小磯國雄
夫亡くす友白炎の雪の国/対馬康子
友の愛身に相鬩ぐ秋の風/杉山岳陽
また楽し友遠方の五月文/横光利一
友の下宿に庖丁錆びる月見草/林桂
亡き母を友ありて讃ふ夜の菊/林翔
千振の透く枯花や友葬る/新井盛治
友の前胸の薄さの汗拭ふ/木村蕪城
俳句例:61句目~
炉開や又俳諧の友にして/高浜虚子
梅固し相次ぐ訃報師また友/及川貞
埋火にとめれば留る我が友/炭太祇
万葉の月に集へば月の友/稲畑汀子
半日は神を友にや年忘れ/松尾芭蕉
刎頸の友よ冬日を鶏と歩む/安西篤
失ひし友と得し友初むかし/伊藤妙
晩年の友多くなる鮎の飯/矢島渚男
枯葎礫ふみわけ友の喪へ/沢木欣一
友の骨洗ふ波かも桜貝/小佐田哲男
先へ来て友にしのぶや花の山/文長
水洟や同年の友半ば亡し/太田文萌
子なき友いま冬雨の紐ながし/龍太
山吹は山の黄の花友の花/大井雅人
中中にひとりあればぞ月を友/蕪村
山々や友なりはひの菊畑に/及川貞
夕焼の奔流となり友の死へ/穴井太
晩夏光足やむ友を遠近に/松村蒼石
友の法衣姿の風を見送る/久保白船
大雷雨友の柩を包みけり/川元安子
俳句例:81句目~
友垣の一人よ旅の濁り酒/高澤良一
日覆や職場の友は職場ぎり/安住敦
猫柳老友折れば吾も折る/田村了咲
獨すむ友よ朧の糒雪清水/榎本其角
実南天華やぐ友の京言葉/田中千加
宵闇の武漢空港友の待つ/後藤緒峰
眠る山よリ松籟と友の声/楠本憲吉
友の掌のごとに温か寒卵/片山啓子
友来る一灯を包む冬の霧/沢木欣一
竹馬に唐児友呼ぶ柳かな/正岡子規
米くるる友どち持ちて年の暮/蝶夢
浴衣着て齢まぎれぬ友とをり/林翔
紅葉谿よきときに友現はるる/原裕
羽抜鳥友呼ぶ声か山淋し/正岡子規
老友の一人に僧や盆の月/高野素十
新妻の友の賀状もちらほらと/播水
友竃もどん~燃えて染初/有本銘仙
若き友自殺し残す冬帽子/宮坂静生
蕣や是も又我が友ならず/松尾芭蕉
蛤殻に前の世を鳴く友雀/正岡子規