名に関連した俳句の例をまとめました。
名を含む俳句例
大風や名草の芽の不言/青畝
筆太き蓮如名号日雷/山本洋子
仏名や柿の衣の僧ばかり/召波
鶯に名園雪を敷きにけり/鶏二
山の名の酒は立山干鰈/小島健
出合星化名や立てじ桜花/調玉
文の名の月まだ若し芋魁/支考
仏名やかるい銀撰る妹が指/野坡
枯蘆や名をかき寄る潮頭/東潮/
仏名の母と会ふなる髢草/角光雄
七人の名の揃ひたる柳箸/森譲治
一葉といふ名は若し十三夜/龍男
鷂の宴の跡や名草の芽/荒谷/京
青竹の柵名園の年用意/右城暮石
浜の子が風の名呼ぶや鳳巾/旨原
名園の思はぬ嵩の春落葉/檜紀代
仏名や打敷ほめるみすの中/許六
金沢は城と名園花の雨/尾崎山治
名湯の濁りに憩ふ初晦日/鞍悦子
唱名の声は女や夏木立/山田弘子
俳句例:21句目~
桐の花十六名の鼓笛隊/池上恭子
空腹や人の名忘れ青蛙/井上末夫
仏名や首たて衣吹くあらし/荷兮
女名の文字も拙き捨扇/片岡奈王
名山に対す厠や三ヶ日/宮武寒々
一人静二人静も草の名や/一茎草
月雪や鉢たたき名は甚之丞/越人
山里にあり其名紅葉鮒/正岡子規
今しがた聞きし茸の名は忘れ/占
傾城の発句名高し初松/正岡子規
の名の川を讃へて冷し酒/小島健
名山に隠れし山の山開き/平野博
雑炊の名もはやされて薺哉/支考
初茜その名や飛んで都鳥/森澄雄
王祥や功なり名とげて氷様/露情
鎧武者墓の名読まれ蘇り/上野泰
女郎花都離れぬ名なりけり/士朗
父の名の晩秋翳る裸岩/佐藤鬼房
貰ひたる干の名を忘初/茨木和生
日短き少彦名の祭かな/後藤夜半
俳句例:41句目~
蜩や水を景とす称名寺/山田弘子
名の消ぬその魂や厚氷/上島鬼貫
春なれや名もなき山の薄霞/芭蕉
蓑虫や美しき名の女墓/巌谷小波
夜長宿宴席の名も草千里/高澤良一
名山の余りに遠き霞かな/尾崎紅葉
名園の鯉肥りすぎ水温む/藤岡筑邨
名園の道の細さよ草の花/会津八一
タンカーの船名見ゆる青岬/井上幹
名木の紅梅老て初しくれ/正岡子規
木枯も人のつけたる名なり鳧/几圭
母の名の遠し鶯秋を鳴く/皆川白陀
尼達は此の名をしらじ忍ぶ草/才麿
水祝戀の敵と名のりけり/正岡子規
立つ僧の綿虫を宙釈名す/村越化石
名苑の景整然と秋の風/柴田白葉女
名詩には名訳ありて巴里祭/杉良介
寒蜆母がとなへし唱名か/平橋昌子
名園の豊かな木立鳥交る/薮山政一
青胡桃垂れ川の名の雫石/古舘曹人
俳句例:61句目~
天の川濱名の橋の十文字/正岡子規
浜離宮とは昔名よ椎若葉/藤村藤羽
一草の枯れ巌の名の刀掛/古舘曹人
秋耕す山の名知らで山に住み/林翔
春月やわが名きざみし鬼瓦/井上雪
名園に女こゑ透く八重桜/加藤三陽
呉竹の名に音たてゝ霰哉/正岡子規
家蔭にその名は菊菜採る女/徳弘純
秋扇義民に介の名の多き/宮坂静生
仏名や首たてて衣吹くあらし/荷兮
私の名を問い続け骨の旅/木村聡雄
冬の旅あるいは草の名を訊ね/原裕
本日の春を名のるや尺のきす/雪花
宿の名の迎へ提灯遠蛙/稲垣きくの
園の央天子の名享け牡丹咲く/原裕
をさな名を知らぬ翁の丸頭巾/芭蕉
白露や傀儡女の名は初声と/辻桃子
しをらしき名や小松吹く萩薄/芭蕉
秋山の名に七面も十枚も/伊藤白潮
新婚の二人の名刻む大瓢/前橋春菜
俳句例:81句目~
名草の芽や各々の札の下/高濱虚子
寒声や名乗をしつゝたが子供/風虎
そなへ物名は何々ぞ魂まつり/卓袋
山の名こゝに千年冬木立/小塙徳女
称名滝天に沖して男梅雨/小林俊彦
柊挿すや姓は安藤名は慶三/龍岡晋
山寺に咲て名もなき桜哉/正岡子規
白浜の名に負ふ砂や桜貝/吉田愛子
朝顏や團十郎の名を憎む/正岡子規
碑に兵の名ばかり葱坊主/西本一都
峠の名空と伝へて朴の花/南うみを
形代の夫の名わが名水に消ゆ/春子
仲見世に笄の名や春の雪/石川桂郎
麦痩せて渋民村の名もほろぶ/風生
俗な名を色を形を福壽草/正岡子規
俳諧に守武の名や紀元節/鳥居白山
鵜飼名を勘作と申し哀れなり/漱石
雨降るや一人静を花の名に/有働亨
鴬や名は雲雀より上に啼/横井也有
平泉藤原祭の名に惹かれ/関根牧草