俳句例:101句目～
採氷池方形を日の器とす/木村蕪城
秋口の庭池の扉や月の雨/飯田蛇笏
禊する湧玉池の冷気かな/渡辺志な
擅に剪りとる池の蓮かな/芦田秋窓
池の面腰紐のごと蛇走る/荒井一明
池にある藤棚低く花の宿/高木晴子
鰻池鉄管曲げて冬眠す/百合山羽公
直に来た池の蛍や縁の露/内藤丈草
雨音、夜の池深く落ちる/住宅顕信
雨粒のたち来し池や水馬/岩木躑躅
池に引く水さゝ濁り杜若/島田青峰
養池へ湖の水引く荻若葉/大竹孤悠
昼ぐっすり眠る番犬金池/右城暮石
首洗ひ池の萍紅葉して/有川/淳子
三宝寺池真先に鷭に会ふ/富田直治
公達や池に船して蛍狩/坂本四方太
琴歌や蜻蛉池を羽摶きつ/永井龍男
晩秋の池釣舟の影坐る/水原秋桜子
両隣に訃ありて池の厚氷/永井龍男
雁帰る別れの池を旋回し/足立玉翠
俳句例:121句目～
冬草に放りあげたる池の/野中亮介
階に池に落花の選り好み/高澤良一
丹の橋の池に映りて牛蛙/安斉君子
睡蓮の池に浸せり弛み鍬/松下峻月
鏡餅弁天池の石となれ/阿波野青畝
池の面ははや昃りぬ冬館/高濱年尾
漲るを園生の池や鳥交る/尾崎迷堂
凩や池のちりぢり夕讃岐/今井誠人
淑気かな盃ほどの池望み/柳田芽衣
乳の如き白き池あり山桔梗/たかし
亀の池花見団子の串沈む/辻田克巳
海豹の池にうつれる花篝/岸風三楼
洛陽の池をとりまく柳哉/正岡子規
眠りたる姿を池に尾張富士/滝峻石
朝顔や鮒子の遊ぶ池の側/小澤碧童
風波の池のほとりの水葵/矢田豊羊
鉱毒の池より低く坑夫棲む/穴井太
卯の花や養生池の柵低し/加賀久詞
金池渾天映りゐたりけり/山口誓子
青柳や人身御供の池も春/正岡子規
俳句例:141句目～
金池の心安なる浅さかな/尾崎迷堂
反橋や池を巡りて藤の棚/正岡子規
古書守の池に憩へば牛蛙/高澤良一
金放つ池の小波や大喜び/島田青峰
木下闇砲弾池の淀みかな/井口秀雄
泥の干る池あたらしや杜若/炭太祇
映画村セットの池の水馬/橋本一水
春の月福良港は池のごと/直原玉青
野の池や葉ばかりのびし杜若/鏡花
人の気に船さす池の蓮哉/井原西鶴
国分寺池の睡蓮閉づる刻/高木晴子
松矮く繞り採氷池を隠す/木村蕪城
神迎ふ形に居るや池の亀/久米正雄
里人や深泥ケ池に蕪洗ひ/尾崎迷堂
遠山や池も遥かの鵙日和/石川桂郎
鱒の池底に日輪分解図/西山美枝子
池遠見萍の座の光り見ゆ/高浜年尾
夏影や深き濁りの蛙池/大場白水郎
真姿の池より立ちし雪蛍/奈良英子
角池の四隅に殘る氷かな/正岡子規
俳句例:161句目～
雪の池蓮の相タ沈むかな/野村喜舟
池白むほどの雨なる遠桜/久米正雄
人影の池中を歩む竹の秋/原コウ子
夜桜に池を隔てゝ篝かな/高濱年尾
血の池といひ萍を雨たゝく/森田峠
祭店金簀池に預けゆく/中戸川朝人
臭濃き放生池や柳絮とぶ/脇坂啓子
池氷る神渡るかに一亀裂/田中朗々
虹映り綺羅星映る岳の池/福田蓼汀
大沢の池の涼風来る写経/大橋敦子
大泉池より出でて芹の水/遠藤梧逸
一の池二の池鶯老を啼く/青木重行
藤棚も渡して庭の池の橋/鈴木花蓑
薫風に首洗はるる池の亀/高澤良一
春一番武蔵野の池波あげて/秋櫻子
森に池ありし明るさ初蛙/岡安仁義
安居寺狸が池の水飲みに/荏原京子
森の中に池あり氷厚き哉/正岡子規
鴬の池をかゞみにはつ音哉/松岡青蘿
惜別や蓮玉巻く池をめぐり/岸風三楼
俳句例:181句目～
惜春の鼻を浮かべて池の亀/高澤良一
慰霊の日礎の池に亀泳ぐ/山城久良光
採氷池あかるみ春の雲わたる/瀧春一
採氷池子等への怒声日へ谺/木村蕪城
採氷池菖蒲の新葉いろどりぬ/瀧春一
採氷池青き澱みの凍ゆるぶ/木村蕪城
放生の池に鯉浮く良夜かな/松崎純生
放生の池の亀浮く鑑真忌/山口たけし
散紅葉実盛の池染めにけり/堀口星眠
旅にして水鳥多き池を見つ/正岡子規
日が射せば底泥浮び池の冬/高濱年尾
日当りて光る鯉の目池の冬/高濱年尾
日本軍掘りし池とよ牛洗ふ/川里/隆
早蕨や御所のお池の中島に/野村喜舟
春水の流れは池に風さそふ/高木晴子
春霜や池のちりなる巻煙草/増田龍雨
晩涼や太藺の池は水湛ふ/柴田白葉女
曇日の盲ひし池に蝌蚪蝟集/高澤良一
月山を映せる池の花藺かな/鈴木貞雄
月高し池舟あがる石だゝみ/飯田蛇笏
