俳句例:201句目～
千燈籠火の動くとき闇動く/中島☆火
千灯の水面に映えて尚武祭/杉山芭舎
もし降らば千珠投げませ祭の日/嘯山
蝙蝠や千木みえわかる闇の空/炭太祇
囀りや足助屋敷の千木の上/谷田部栄
千木筥や母八十の膝の上/鈴木しげを
雲の峰千の太鼓の揃ひ打ち/沢木欣一
霜除の千の影おく牡丹寺/奥田とみ子
一斉に千の雁翔つ明けの沼/伊東宏晃
一漕ぎに千の星降る夜光虫/石本秋翠
露けくて壺は千古の紺青に/古舘曹人
七千の磴の上より囀れる/伊藤いと子
千木の松原を背に牛冷す/岡田波流夫
初鳩や水平飛行して千木に/村山古郷
仔雀や雛菊千が地を埋めて/草間時彦
千頭の狼仕留めたる銃手入/上田孝恵
其の枝の千あり菊の葉の雫/浜田酒堂
香に酔へり牡丹三千の花の中/秋櫻子
化野の夜霧にうるむ千の燭/山本悦子
千あらば千を拾はん栗拾ひ/森下流子
俳句例:221句目～
行年や先へまはりし三千騎/正岡子規
千の墓露の一基に燭の縁/八牧美喜子
千の壺攻める火の色柿若葉/石井紅楓
観音の千手ほぐるる雪解かな/綱川綱
青空や千の花火を昨夜呑みし/塙告冬
老杉に三千坊の良夜かな/高津貴美子
千の虫鳴く一匹の狂ひ鳴き/三橋鷹女
絵屏風に比叡三千坊納む/梶田ふじ子
千の蟲鳴く一匹の狂ひ鳴き/三橋鷹女
梅咲くや三千坊のその一つ/正岡子規
千キロを来し鈴蘭の北の白/高橋悦男
枯野塚胴と別れし首三千/下村ひろし
歳月の千手なりけり秋の風/永田耕衣
千仞へ落つ老鴬の風となり/鈴鹿/仁
露草の千の瞳をあらふ霧/岡本まち子
千余年いま鵜の川の闇涼し/石川桂郎
千剣のつらゝ一剣の赤不動/川崎展宏
千号へ闘病とゞかざりし秋/石山佇牛
島霞み三千世界霞みけり/平井伊都子
夜盗虫三千世界見て来たる/梶川礼子
俳句例:241句目～
千度なけば憂を添るぞ郭公/松岡青蘿
梨の花千手仏より授かりし/伊藤敬子
千校田もすそを秋の潮荒び/中林慶子
唐黍に乱れて出でぬ三千騎/赤木格堂
千段の登りつめれば初紅葉/土井朝子
千百里漂ひ来る海鼠かな/河東碧梧桐
南無八万三千三月火の十日/川崎展宏
三千世界うすものの生乾き/松澤雅世
千通の去り状湿り紅うつぎ/野澤節子
吊干の墨千挺に寒明くる/今西桜陵子
延々とお水送りの千の炬火/山本三才
茶の畝を山に千段茶摘笠/百合山羽公
柳散る千筋となでし黒髪も/尾崎紅葉
枯深し千の願ひの鶴褪せて/赤井淳子
炎帝に額づく千の棚田かな/照井/翠
行く春の千体仏の燭ゆれて/細見綾子
花栗や千手仏にもあそびの手/赤松子
胡麻叩く千手千眼観世音/井上みつこ
夜も青空辛夷千手の拳開く/原子公平
千条の日矢の海恋ふ宝船/河本沙美子
俳句例:261句目～
幾人か千世の古道子日せり/松岡青蘿
雨の糸まじへ千筋の糸桜/片山由美子
藤千房青年ら顎立て膝伸し/赤尾兜子
蚤振ふへき千仭の岡もかな/尾崎紅葉
蜂の巣の千の暗室母の情事/齋藤愼爾
千手仏花下に見たまふ仏舞/堀田耕邨
ひろまるや三千世俗随一花/井原西鶴
千手仏背に白鳥の潜みをり/宮坂静生
象潟や涼しき潮に千松嶋/松根東洋城
梅祭る月の宵宮の千句かな/尾崎紅葉
雪解や千手ゆるめし観世音/鈴木貞雄
団扇撒衆生のかざす千手なり/原柯城
陽炎や千のうれひの千手仏/大塚邑紅
近江の田千筋の畝に水光る/山口誓子
冴返る仏に千手われに二手/伊藤通明
百度石千度石あり日の永く/鈴木光枝
暖かやひと手遊ばす千手仏/岸間光女
梅雨深し學童千の注射終へ/相馬遷子
年あらた四千の季語胎動す/遠藤信子
雪まぶし千の襞なる千枚田/川端庸子
俳句例:281句目～
千山は早くも年木用意かな/箱崎晴山
茶畑の畝千条の春かすみ/長谷川喜是
三千の兵たてこもる若葉哉/正岡子規
大文字草と写経の百千字/百合山羽公
千手仏日月かざす露けさよ/大橋敦子
椿千われ白骨と化する日も/永島靖子
林檎百千狡猾の顔並べあふ/佐川広治
山坊は朽ち千仞の梅いまだ/古舘曹人
梅喰べて帰る百千の鵯の宿/伊丹公子
祇園会や千の乙女の千の櫛/有馬朗人
百五百千の藤房揺れわたる/荒井正隆
百千の子を泳がせて海鹹し/津田清子
紅千筋遠く母あり曼珠沙華/池田蝶子
百千の石の小法師の秋の声/野澤節子
百千の露あるかぎり子守唄/萩原麦草
百千の鴨の一つとなり湖上/高澤良一
月のぼり千の流灯動き出す/鈴木昌江
観音の千手にふれて蝶生る/白澤良子
菜の花や百千の風動くらむ/大西岩夫
ひつそりと三千坊の月見哉/正岡子規
