今日に関連した俳句の例をまとめました。
今日を含む俳句例
盃に漆の臭やけふの菊/成美
盃の開眼せばやけふの月/之道
丁子釜けふなん菊の梺川/山夕
夜烏や暁かけて今日の月/萬客
仲丸の魂祭せむけふの月/蕪村
寅背中とてけふも灸せず/山店
七草やけふ一色に仏の座/支考
置霜やけふ立尼の古葛籠/園女
花守のけふ申上る牡丹哉/正名
筋違橋江戸芋洗ふ今日や月/在
けふの菊朗詠集を御家流/園女
院々の古き硯や今日の月/雁宕
京吉野けふ高遠の櫻人/小澤實
衣打しを爼直しけふと暮/言求
物干を楓の橋やけふの月/秋色
けふ祭神田の台の毛唐人/米国
蠅打てけふも聞也山の鐘/一茶
けふぞ汐干岩間失ふ鮑取/重九
今日からは新藁混る秣かな/育女
雄鶏よ雌鶏よ今日啄木忌/原田喬
俳句例:21句目~
御秡川けふや通ひの払がた/濯耳
悪党のけふ瑞鳥や初鴉/金沢富水
花守は野守に劣るけふの月/蕪村
蜩や今日もをはらぬ山仕事/石鼎
瓜売やけふせく水の身過川/曲言
塀越の枯野やけふの魂祭/炭太祇
稲妻やきのふは東けふは西/其角
蓮に誰小舟漕来る今日も又/如菊
笹鳴やけふ故里にある思ひ/篠原
出代やこなたの雨もけふ斗/りん
象潟もけふは恨まず花の春/一茶
青鷺の番わたるやけふの月/浪化
芋女團子男をけふの月/正岡子規
潮騒に今日を占ふ思草/北さとり
渋柿に今日も暮行からす哉/二柳
寒菊やけふはほとびて朝雫/野坡
門前のけふ福相の暦売/太田昌子
とぢ蓋もけふは福鍋福鍋ぞ/一茶
書初や口上の覚えけふの礼/兼豊
寒雀二合三勺今日の糧/岩田昌寿
俳句例:41句目~
明烏けふの寒さも東より/千代女
晩鐘の耳失ふやけふの月/千代尼
老を鳴く鶯思へきのふけふ/路通
今日ばかり人がら崩せ山桜/不角
姑の乳をひねらんけふの月/秋色
朝寒の今日の日南や鳥の声/鬼貫
けふの月空に心のすめる哉/桂舟
今日の客娘盛りの冬籠/後藤夜半
酒買に千里の外や今日の月/几董
酒臭き鼓うちけり今日の月/キ角
蟷螂の小肱とらん今日の月/酒堂
蒼海の浪酒臭さしけふの月/桃青
風のむきけふは隣の柳かな/子珊
朝寒のけふの日南や鳥の声/鬼貫
嵐吹く草の中より今日の月/樗良
塩壺の庇のぞかんけふの月/素牛
命こそ芋種よまた今日の月/芭蕉
今日ぞ汐干本道淋し岸の松/丸露
礼帰りけふの袂や数の子売/青河
月涼し今日の終りの厨水/木下夕爾
俳句例:61句目~
晩涼の真白き蝶に今日のこと/立子
ふけふけと花に欲なし鳳巾/千代女
坂東やけふ稲妻の荒御魂/筑紫磐井
昨日よリ今日新しき薺花/細見綾子
けふばかり人も年よれ初時雨/芭蕉
けふの月関守人もさぶらはず/我則
金婚のけふを妻なき吾亦紅/有働亨
金目鯛けふ晴れ渡る御前崎/森英子
昨日より今日新しき薺花/細見綾子
料理して今日もくらしつ桜鯛/重頼
惨憺たる鮟鱇の顔今日終る/岸田稚
有合の山ですますやけふの月/一茶
常よりも今日の夕日の芒かな/迷堂
晝寝せんけふも隣のいと車/森鴎外
炭もけふ俵焚く夜と成にけり/一茶
市人に霙今日もや年迫る/島田青峰
花冷のけふより都踊かな/高濱年尾
花嫁にけふ寒晴の日本海/比田誠子
大ながしけふ行水や巴の筒う/才丸
おく霜やけふ立つ尼の古葛籠/園女
俳句例:81句目~
月は山けふや近江のあめの魚/荷兮
大学も葵祭のきのふけふ/田中裕明
大師けふ弁当閉ぢて入りけり/常矩
寒玉子今日の力と頂きぬ/景山筍吉
大久住眠る麓の今日の宿/高野素十
夏繰る如く秋晴今日も亦/星野立子
夏椿今日も安楽椅子に夫/豊島美代
在次第うす雪きやせ今日の春/貞徳
花稽古けふ夏花や更衣/村山たか女
鶏頭を黒うてらすやけふの月/文鳥
鯛は花見ぬ里もありけふの月/西鶴
梟は果報な鳥よけふの月/正岡子規
朝市や通かゝりてけふの菊/炭太祇
午前や爽籟放つ今日の雲/石塚友二
楊貴妃の睦言もなしけふの月/秋色
朝顔にけふ日曜で予定なく/隈柿三
勤め今日限り蜆の汁熱し/柴岡弘城
理髪師のけふも善人花祭/大部哲也
朝風呂はけふの桜の機嫌哉/炭太祇
冬耕の今日も鴉の羽拾う/加藤佳彦