身に関連した俳句の例をまとめました。
身を含む俳句例
春眠の身の閂を皆外し/泰
就中身に入蔦の嵐哉/団水
落鮎の身の行末や墨衣/元隣
冬山を仰ぐ身深く絹の紐/眸
枕より離れる身丈蕨飯/桂信子
靄晴るる身に春月の首飾/原裕
朝鹿の身振ひ高し堂の縁/許六
蜩に三十四身変化佛/高澤良一
現身の寒極りし笑ひ声/岡本眸
雪曇身の上を啼く烏かな/丈草
寒雁の身より雫す昼茜/乾燕子
藤橋や重き身を越す孕鹿/几董
身心に鈴一個在り枯葎/枇杷男
凍死ぬ身の暁や樽たたき/其角
山中に身を養ふや洗鯉/森澄雄
桟や身を観ずれば瓜の皮/一鉄
身のうちに紅の階雛飾る/辻桃子
海にすむの如身を月涼し/星布尼
樫が身を揉む雷鳴の籃坂/渡辺昭
魂の昼寝の身去る忍び足/上野泰
俳句例:21句目~
身に添てさび行壁や冬籠/炭太祇
女同志氷水飲み身を嘆く/堀内薫
身の丈の髪の昔や菊枕/鷹羽狩行
女房は鶴糸見せぬ身八口/仁平勝
春浅し厨片身の鮭さげて/及川貞
鵙猛り快きもの身を奔る/瀧春一
を焼く十一月の身のまはり/黛執
鴬の身を逆にはつね哉/宝井其角
裘銃身に似し身をつつむ/桂信子
身の中を日暮が通る西行忌/黛執
影は身を出でて彳む夕蛙/齋藤玄
夏川や随身さきへ水車/正岡子規
の身の薄桃色に避寒宿/遊佐光子
身にとるや年の緒環六十図/風虎
寒晴や身を貫ける罅入音/石嶌岳
夏鴬白手拭を身の護り/村越化石
太平の秋風を身に清水川/仁平勝
爐塞で南阮の風呂に入身哉/蕪村
身に入やうら盆過の夜の雨/鴻水
黄落や身に大小の蝶番/寺井谷子
俳句例:41句目~
黒き身の己を恃み残る雁/下田稔
身にしむや宵暁の舟じめり/其角
鯛や身を横たふる古畳/前田普羅
鳩の声身に入わたる岩戸哉/芭蕉
そゞろ庚申頃の身の病/西山泊雲
老の身の重さお前も蟇/西岡正保
頑丈の身に帷子や錨紋/松藤夏山
耕に馬持し身のうれしさよ/召波
雪焼の一生砕身眦笑み/古館曹人
裘銃身に似し身をつつむ/桂信子
身に鱗あらば剥落寒の月/石嶌岳
鹿寒し角も身に添ふ枯木哉/蕪村
蚕飼ふ女や古き身だしなみ/太祗
身にしむや蛤うりの朝の酒/亀翁
侍の身を露にして月みかた/史邦
鴎愛し海の碧さに身を細り/篠原
馳走する身も我なれや雛の客/梅
汗入て身を仏体と知る夜哉/我則
光年の中の瞬の身初日燃ゆ/林翔
身弱きが故の信心札納/今井奇石
俳句例:61句目~
風雪に身を屈するは快し/瀧春一
身嗜して現れし翁草/後藤比奈夫
なにげなき餅草摘の身拵/斎藤玄
山陰や身を養はん瓜畠/松尾芭蕉
冬浪の身を擲ちし渚かな/上野泰
瓜売やけふせく水の身過川/曲言
病る身の蒲団を替る小春哉/守明
勾当の身を泣く宿や暮の秋/几董
厠寒樟脳ひそと身細りて/有働亨
厠寒障脳ひそと身細りて/有働亨
花冷のその身を硬く箸枕/源鬼彦
古足袋や身程の宿の衣配り/素堂
身の細る思ひに光る夏燕/北光星
花に身を幾運び行く樽拾ひ/調機
身の穴を慎しむ夜よ猿田彦/林桂
手枕に身を愛す也おぼろ月/蕪村
巣の中や身を細しておや燕/峯風
身の程や落穂拾ふも小歌節/暁台
身の秋やあつ燗好む胸赤し/炭太
風三日銀一身の鮭届く/成田千空
俳句例:81句目~
囀を身にふりかぶる盲かな/青畝
赤貝の身内に溜めて薄き泥/小澤實
麦秋や雀いよいよ身のほとり/湘子
終に身を啼き破るらん秋の蝉/闌更
歳晩の月の明さを身にまとひ/汀女
鮮烈な沖の夕焼片身貝/柴田白葉女
身の上の話をすこし春炬燵/角光雄
墓過ぎて葱畑の青現身に/細見綾子
鮓つけて誰待としもなき身哉/蕪村
身の上の相似て親し桜貝/杉田久女
文弱の身ほどに汚れ汗拭/深谷雄大
鶲頭は捨身の赤や東慶寺/川崎慶子
壁鏡冬木が遠く身震ひする/桂信子
顧みて恥多き身や親鸞忌/戸井田昭
満開に身を固うして桜守/川崎展宏
馬の尾やをのが身につく蠅払/丸石
羅に身透きまぎれず楢林/野澤節子
犬にある身の上話日短か/本橋美和
身に一つ加へし忌日初朧/目迫秩父
鶏頭は捨身の赤や東慶寺/川崎慶子