肉体に関連した俳句の例をまとめました。
肉体を含む俳句例
肉体が器となりぬ鉦叩/久保純夫
魂やはた肉体や晩夏仏/和田悟朗
肉体の門にほどこす冬構/櫂未知子
肉体の薄闇に雪降り敷きぬ/徳弘純
肉体が考えている秋の暮/池田澄子
森小春寒天質のわが肉体/折井眞琴
精神は肉体である青葡萄/須賀典夫
肉体は思考の高爐寒に入る/馬場駿吉
巌頭に自他の肉体春疾風/磯貝碧蹄館
一齢を足して肉体眠らしむ/和田悟朗
嘴として肉体は在り夜の芒/斎藤愼爾
肉体のくびれに絡む蔦紅葉/高澤晶子
強靭な肉体に神かたつむり/木村和彦
肉体は何の葉ならむ夏終はる/阿部青鞋
肉体はむこうに落下の冬雲雀/小林行雄
肉体に皺流れたるおぼろかな/竹本健司
春風という肉体の行きずりぞ/永田耕衣
肉体のいづこを押せば梅の花/清水径子
白日に蟻の肉体すさぶかな/増田まさみ
肉体は栄華のごとし野分立ち/阿部完市
俳句例:21句目～
肉体を離れてしずか沙羅の花/高澤晶子
薄氷と遊んで居れば肉体なる/永田耕衣
高原晩夏肉体はこぶ蝮とおれ/金子兜太
強風の肉体旗もて巻かれたる/小川双々子
肉体やとりとめもなく青葉して/鳴戸奈菜
肉体を満点スコール過ぎゆけり/山中葛子
肉体を触れ去る国旗に思ひゐる/攝津幸彦
月像にひびき肉体も落葉せり/小松崎爽青
肉体は死してびつしり書庫に夏/寺山修司
肉体というやっかいなもの藤袴/大西泰世
夜神鳴り肉体あかあかと生木/奥山甲子男
織姫や星に肉体ありとせば/七田谷まりうす
雪ずっしり木に肉体のある夕ベ/田尻吉三郎
肉体萎えるや窓に鴎の背中見えて/金子兜太
果樹闇に肉体じわじわずきずき老ゆ/金子兜太
肉体のほてり夜鳥のけたたましや/富澤赤黄男
肉体の枯れ色のヤッケ吊るさるる/松田ひろむ
針もてかがやく/肉体のぽるとがる/星永文夫
芽立つじやがたら積みあげ肉體というもの/金子兜太
枯れていく肉體をささえて間引菜している/吉岡禅寺洞
俳句例:41句目～
夜はもう秋の抱いた肉体も乳房も胸にまどかな柔肌だつた/橋本夢道
やわはだの匂いも汗して夜はしんしんと平和な肉体への嗅覚/橋本夢道
ふるさとの海からまるごと攫われてまるごと還る肉体は熱し/山下雅人
やわはだの匂いも汗して夜はしんしんと平和な肉體への嗅覚/橋本夢道
