をんなに関連した俳句の例をまとめました。
をんなを含む俳句例
をんな見て佇つ少年や秋祭/原裕
蛍火やをんなの匂ひ水よりす/占
扇面のをんな艶たる秋扇/高澤良一
鵲や村はをんなが働き手/井沢正江
渡殿にをんな怖るる蛇の衣/筑紫磐井
人日の粥を福煮と伊賀をんな/北村保
褒貶はをんなの遊び小正月/井沢正江
花芒ひとり者めくをんな旅/石川文子
八月の畳にをんな肥りたり/藤木清子
雨をんな率れて越後の大花火/石寒太
乳搾る緑の朝のをんなの手/西島麥南
茸汁をんなに別の貌ありぬ/村上高悦
小をんなの鼠走りや寒の内/石塚友二
朝霧の眉にひびくと畑をんな/北村保
花曇をんなの厠混み合へり/佐藤洋子
をんな来て別の淋しさ青簾/長谷川双
福笹の笹の乾きも厄をんな/後藤綾子
熟れし郁子をんな主の生垣に/森更街
春風や頤とがるをんながた/高橋睦郎
隻眼の梟を飼ふをんなかな/鈴木鷹夫
俳句例:21句目~
火桶運ぶをんなの足の九文/岩永佐保
柏餅好きなをんなの子沢山/高見/弘
歯固や短かく朱きをんな箸/中村堯子
鷽鳴くや男の嘘とをんなの嘘/吉田未灰
鰭酒やをんなの声は鼻へ抜け/井沢正江
星月夜笛のをんなの白き指/曽根田幸子
驟雨に濡れをんな鼻声巴里祭/原田青児
初老とは四十のをんな浮寝鳥/黒田杏子
香水や腋も隠さぬをんなの世/石川桂郎
刷りもののをんなは軽し氷店/筑紫磐井
水鳥やをんな逃るる家を持たず/樋笠文
柿啖へばわがをんな少年の如し/安住敦
沈丁やをんなにはある憂鬱日/三橋鷹女
雁渡るをんなの影を地に残し/三橋鷹女
城跡の朱欒をんなを嫌ひけり/長谷川双
毛衣の四日のをんな鬼子母神/黒田杏子
夏立ちぬをんな余生の斜の構/大塚信子
蝶々に浪花をんなの粋見たり/高澤良一
末枯やをんなは常に胸を抱く/井沢正江
をんな数をとこに勝り舟起し/木内彰志
俳句例:41句目~
紫荊妻にをんなのさかりかな/島谷征良
花氷をんなは老ゆること早し/岸風三楼
紅葉宿をんな蹠を拭きにけり/平綿涼風
をんな湯は青竹囲ひ女正月/木村史津子
柾の実父弟逝きをんなばかり/岡田海市
枯谿にをんなけむりのごと現じ/上村占
白瓜や川が近くてをんなの子/斎藤夏風
爪を切るをんなひの字や近松忌/林香稟
追はるるは昔のをんな走馬燈/井澤正江
戦ひは闌けたりをんな単純に/藤木清子
年の湯に沈む股旅をんななり/黒田杏子
扇置くをんなの指に節ありて/谷口桂子
藤壺にをんな浮出る弥生尽/河野多希女
火の色の岩菲一輪をんな関/加藤知世子
三伏のをんないよいよ服剰す/石塚友二
幽霊図大方をんなお風入れ/和気久良子
蟻地獄をんなの巨体もて覗く/清水青風
をんな哺む白い舌めく柏餅/中村草田男
黄落へをんな身細め走り出す/高島筍雄
夏に入るをんな日暮の樹を好み/長谷川双
俳句例:61句目~
夏深く我れは火星を恋ふをんな/三橋鷹女
子をもたぬ四十のをんな地蔵盆/黒田杏子
座禅草をんなの息に堪へてをり/藤田湘子
形代にをんなの袂ありにけり/平井あい子
放蕩のをんななりしが目白飼ふ/前山松花
春空の顔をとこともをんなとも/川崎展宏
昼のをんな遠火事飽かず眺めけり/桂信子
朝寝してをんなの齢いみじけれ/大石悦子
枯れ蓮に捨煙草して去るをんな/石川文子
会葬の時雨のをんな誰も知らず/後藤綾子
梅花藻やかがむ男と佇つをんな/内田美紗
業平忌京に居たがる京をんな/笠井百合彦
残菊や日翳りやすきをんな部屋/木下妙子
海女の磯靴はくをんな吾ひとり/品川鈴子
消防署裏にをんなの住むみどり/長谷川双
添削依頼をんなばかりや夜の秋/草間時彦
煮冷やしに似たる一件京をんな/加藤郁乎
白障子をんなの会話閉ぢ込める/渡辺祥子
眦をけつしてをんな沖なます/稲垣きくの
石楠花や姉妹に繊きをんな偏/河野多希女
俳句例:81句目~
秋風やわが表札のをんな文字/鷲谷七菜子
秋風やをんなもねまり煙草吸ふ/中山純子
竹煮草夜は化け草のをんな関/加藤知世子
をんなきて火よりも淋し大根榾/黒田杏子
能の衣のごとし吉野のをんな瀧/佐川広治
花明りをんな淋しき肩を見す/五所平之助
花烏賊の腸抜く白足袋のをんな/鈴木鷹夫
蒟蒻り不帰のをんなを馬がれり/加藤郁乎
をんなの旅風がよく見え花卯木/長谷川双
蟇をんなはゆめに賭けて生く/稲垣きくの
西陣のをんな所帯の置きごたつ/前山松花
見も知らぬをんなの手紙三月菜/細川加賀
蹲るをんなに崎のつばめ去ぬ/佐野まもる
黄落やをんなの傘の透きとほり/風間啓二
遠縁のをんなのやうな草いきれ/長谷川双
郭公や朝ををんなの澄めりけり/林原耒井
鈴虫を鳴かせてをんな鍼師住む/前山松花
をんな泣きて冬麗日の炬燵かな/飯田蛇笏
閻王にをんなに鳥が花落とす/山口都茂女
闘はす牛に秋暑のをんなごゑ/伊藤いと子