見渡すに関連した俳句の例をまとめました。
見渡すを含む俳句例
寒月や見渡すかぎり甃/川端茅舎
見渡すや柳の緑り花の紅/正岡子規
見渡して鳰の数ゐる松手入/森澄雄
船腹をなほも見渡す鳥曇/杉野一博
見渡して誰彼若し初句会/小出秋光
霞む日の湖見渡すや橋半/正岡子規
見渡すや只秋の空秋の雲/正岡子規
野の果をずいと見渡す更衣/桂信子
秋冷の見渡すかぎり蔵の中/杉野一博
初景色見渡す空の慈姑いろ/伊藤敬子
芒野を行き一生を見渡せり/脇本星浪
蘆刈のまづ見渡して刈り始む/今井幸
古家財見渡しており春障子/當間好子
百畳を見渡してをり秋彼岸/斎藤梅子
壇浦見渡す日覆まかせけり/杉田久女
見渡した闇に月あり涼み舟/正岡子規
天王山より見渡して竹の春/塚田青女
見渡せははては霞の浦の春/正岡子規
香附子のたけ見渡して暑さかな/紫白
見渡せば薄がちなる山邊哉/正岡子規
俳句例:21句目～
大年の空見渡して引っ込みぬ/高澤良一
歳時記と二十世紀を見渡しぬ/高橋京子
盆の客見渡し居らる遺影とも/高澤良一
舞初の海を見渡す所作に入る/宮津昭彦
籐椅子にゐて塩田が見渡され/岸本尚毅
見渡せとはてハ霞の浦けしき/正岡子規
見渡して空知植田は畦塗らず/高濱年尾
見渡せば初雪つもる四里四方/正岡子規
見渡せば初雪ふりぬ四里四方/正岡子規
見渡せば富士迄つゞく田植哉/正岡子規
見渡せば詠むれば見れば須磨の秋/芭蕉
鋤く乙女見渡す湖へ田はつゞく/及川貞
霞む日や真乳山から見渡せば/正岡子規
にゅうべぇと蛸漁の沖見渡して/高澤良一
初秋の見渡せる眼の欲しき日よ/村越化石
古き眼に古き田植を見渡せる/百合山羽公
土間に糶る見渡すほどの鮪かな/高倉勝子
見渡して鯊を釣る舟ならぬなし/清崎敏郎
見渡してをりたる梅の別れかな/綾部仁喜
見渡して芋煮の鍋の据えどころ/高澤良一
俳句例:41句目～
見渡せばパンの耳ほど麦の秋/大井一柳子
秋野充分見渡してから鮒洗う妻/安井浩司
蘆刈のひとり見渡すかぎりかな/金久美智子
見渡せば人の匂いのしぐるるか/岸本マチ子
見渡せば詠むれば見れば須磨の秋/松尾芭蕉
藺を植ゑしばかりのみどり見渡され/高浜年尾
着ぶくれて出て見渡して茶の木畑/加倉井秋を
