俳句例:201句目～
しいしいする孫に干潟の広かりき/高澤良一
南風吹けば孫に逢ひたしなう妻よ/鈴木鷹夫
ほほえみを覚えて使ふ花下の孫/田川飛旅子
シャボン玉大きく吹いて孫泣かす/梶田青游
孫尾根へすべり込む鳥子供の日/平井さち子
汗疹出ぬやうに泣かせず孫の守り/高見多嘉
風に乗る孫のはしゃぎや潮干狩/嶋川ミサオ
ジョン万の孫の越し方梨のつゆ/文挟夫佐恵
老いし舸子艫の日向に孫匐はす/川島彷徨子
電話越し孫たどたどし初夏の風/米田タヅ子
孫は留守遠ひぐらしも響きやすし/香西照雄
菊の香や妻と子と孫と碑のまえに/浅原六朗
翔びさうな孫のまはりを桜散る/石田よし宏
雛仕舞ふ孫に教へてねんごろに/小泉はつゑ
門火焚く亡夫の知らざる孫を抱き/中澤ハル
孫抱けばおもひでのかげつゆの翳/松村蒼石
九人目の比古なる孫に美き破魔矢/後藤夜半
絵歌留多や孫取る迄は待たさるる/寺島初巳
重ね着て子等孫等待つワルソーヘ/高木晴子
紙風船ぐちゃぐちゃにして興ず孫/高澤良一
俳句例:221句目～
孫の顔ひとりふえたるごまめかな/三宅応人
付き添いし孫の未来へ破魔矢受く/村田芳水
わが生地孫に見せおく墓参かな/猿橋統流子
白たんぽぽこの孫僧になると言ふ/小澤満佐子
夏祭孫の手をとりピィーヒャララ/塩川聖紀子
賀状来るまだ見ぬ孫の名も添へて/松倉ゆずる
孫の絵のいつまでピカソ木々芽吹く/小川雅夫
過去拘留孫仏の世よりの木の実かな/尾崎迷堂
今朝春の奥孫もあり彦もあり滑ヲ富/服部嵐雪
ハローウインに参加と孫の文はづむ/田中英子
サイダー呑み孫は鳩の目したりけり/高澤良一
孫の産湯のさし湯手伝う日の障子/田川飛旅子
孫のやうな巫女に礼して破魔矢受く/和田春雷
カンナ燃ゆ孫の毬などかくしながら/楠本憲吉
はるばると孫守りに来て菊の秋/阿部みどり女
湯上りやいやがる孫にちゃんちゃんこ/堀口艶子
「ベアトリス」そは吾が孫か四月馬鹿/羽部洞然
孫を待つチャイルドシート注連飾る/篠崎太嘉男
孫の手にどんぐり独楽の良く回はず/森岡/恵女
孫の句ばかり作っていたる四月馬鹿/山岡千枝子
俳句例:241句目～
孫とはこれか総身「小さき運動会」/中村草田男
婆と孫やんやのピカチュウねぷたかな/高澤良一
水打つやとべる子がへる孫がへる/久保田万太郎
まゆ玉やかたみに孫を抱き上ぐる/五十嵐八重子
孫といふ涼しき命抱きにけり/今瀬剛一「大祖」
孫蟻に呼び掛く「どこへゆくんだよぅ」/高澤良一
孫おうむ返しに「せみさんしんでいる」/高澤良一
玉棚に孫の笑ひを馳走哉/一茶/文化十一年甲戊
時計草孫が泊りに来てをりぬ/山崎ひさを「百人町」
炎天に四人目の孫名も面倒なり「東」とす/橋本夢道
家族声なし全身震わす三歳孫のメーデーの歌/橋本夢道
孫地獄の他は何事もなかりしはよし除夜の鐘/橋本夢道
素麺や孫にあたりて舅不興/杉田久女「杉田久女句集」
孫たち遠くに住みつく/カナリヤの水をかえてやる/横村庄一郎
劫初の火その子/孫のその裔の飛火ぞマッチ摺るに生れたる/高橋睦郎
