夏痩せに関連した俳句の例をまとめました。
夏痩せを含む俳句例
夏痩の我骨探る寝覚哉/蓼太
夏痩のもどらぬ顔や鉢叩/漣月
夏痩や櫛笄を清らかに/野村喜舟
夏痩の我影長き夕日哉/寺田寅彦
夏負けの踝あらふ西日影/松澤昭
夏痩の僧都の像や鉈作/子規句集
夏痩の頬に侘しや洗髪/寺田寅彦
夏痩の青梅好む病かな/西山泊雲
夏痩も子自慢も似て貧教師/林翔
夏痩て柱より来る冷に倚る/篠原
夏痩と答えてあとは涙かな/季吟
少年は悪の塊夏痩せる/森田智子
客繁き牧守妻の夏痩ぞ/堀口星眠
夏痩や舎人親王御机に/尾崎迷堂
夏痩や脣かんで小傾城/寺田寅彦
夏痩せへ甥の絵文の蛸坊主/飴山實
夏痩の手首に重き腕時計/中山梟月
夏痩せて疑ひ深き男かな/川村紫陽
夏痩て花王石鹸また逃す/高澤良一
爽かや身に夏痩の戻り肉/石塚友二
俳句例:21句目~
垂乳根の母の夏痩佛かな/青木重行
母はわが顔の夏痩のみを言ふ/篠原
昼餉共にして夏痩の弟よ/高澤良一
夏痩や机の塵の書一巻/島村元句集
夏痩や夕日に長き影法師/寺田寅彦
夏痩の頬骨さする鏡かな/会津八一
夏痩の人元気にて話好き/高濱年尾
夏痩を願ふは健康なる証/高橋玲女
夏痩の頬を流れたる冠紐/高浜虚子
夏痩を夜の出仕に浴かな/高田蝶衣
鹹蛋も糟蛋も珍夏負けて/橋本榮治
夏痩の曉起に香を試みる/高田蝶衣
夏痩の頬を吹かれて涼哉/寺田寅彦
夏痩の内儀覗くや紺暖簾/高浜虚子
夏痩の島田重たう見ゆる哉/森無黄
夏痩や牛乳に飽て粥薄し/正岡子規
夏痩せの一個丼余したり/石塚友二
夏負け妻顔をくづさず泪湧く/岸田稚
青年の夏痩しつゝ健かに/高橋淡路女
ころぶすや蜂腰なる夏痩女/芝不器男
俳句例:41句目~
夏痩や古りて小さき峰の月/西山泊雲
夏痩にやさしく柱匂ふなり/清水径子
夏痩に出合ひがしらの大鏡/伊沢健存
夏痩に妻の饒舌ひびきけり/白岩三郎
夏痩の友に特急たくましく/藤木清子
夏痩の手に広辞苑重きかな/岩崎照子
夏痩の男に着する藍のもの/岩田由美
夏痩せて貝殻道の続くかな/飯島晴子
夏痩せて腕は鉄棒より重し/川端茅舎
夏痩の胸が驚く汽笛かな/榎本冬一郎
夏痩の見るが如くや文の上/尾崎迷堂
夏痩の頬に當てたる団扇哉/寺田寅彦
夏痩の骨にとゞまる命かな/正岡子規
健康を過信の夏痩かと思ふ/山田弘子
夏痩の骨にひゞくや桐一葉/正岡子規
夏痩へためらふ指針体重計/香西照雄
夏痩へ榕樹が垂らす大気根/北野民夫
夏痩もせずに繭煮る女かな/尾崎紅葉
夏痩や小塩の山を歌に詠み/尾崎迷堂
夏痩や幾日旅笠の紐のあと/西山泊雲
俳句例:61句目~
夏痩や心なの世に歌はれて/寺田寅彦
夏痩や旅に持たさる人参酒/深沢儀政
夏痩や枕にいたきものの本/正岡子規
夏痩や死なでさらへる鏡山/飯田蛇笏
夏痩や能因ことに小食なり/榎本其角
夏痩や身を吹き通す松籟/東洋城千句
夏痩を親に泣かるる遊女哉/正岡子規
夏痩せの母子に白い坂と橋/金子皆子
夕陰や布衣の諸肌夏痩せぬ/小林康治
夏痩せて千樫の径を怖れけり/斎藤玄
生来の痩せ夏痩せとは別に/高澤良一
紫陽花に夏痩人の足袋白し/西島麥南
夏痩せて大めし喰ふ男かな/正岡子規
夏痩せて妻の指圧の稽古台/高澤良一
膳に謝す夏痩もせず働くを/佐野美智
青色の眼鏡した女夏痩する/寺田寅彦
音楽といふ小説のあり夏痩す/皆吉司
夏負けて老母に叱られにゆく/岸田稚
夏痩せて怒りの清き少年期/赤岡淑江
夏負けの二病三病重なりぬ/村山古郷
俳句例:81句目~
夏痩せていちだんとまた美しく/岬雪夫
夏負に無縁の二人よく笑ふ/頓所八重子
夏痩の腕ただ組みて無為無策/高澤良一
夏痩せの眼窩涼しき翳を感ず/内藤吐天
夏痩も知らぬ女をにくみけり/日野草城
にべもなく夏痩したり古び妻/清原枴童
夏痩や心の張りはありながら/高浜虚子
夏痩を取りかへしをり程々に/高木晴子
夏負けをせぬやう齧る生野菜/高澤良一
夏負けの目のさまよへば女多き/岸田稚
夏負けの思ひすごしといふ病/西川良子
夏痩せの胸のほくろとまろねする/篠原
人の言ふ夏痩ならむかと思ふ/加藤楸邨
仮の世に生きて夏痩することも/上村占
伎芸天夏痩妻のぬかづくも/肥田埜勝美
児の瞼うすく夏痩見えにけり/石原舟月
夏痩の大き目の似て兄おとと/相馬黄枝
夏痩や釘でつけ足すバンド穴/高橋悦男
夏痩や詩も恋もなき吾なれば/会津八一
夏痩せし身に半椀を減じけり/林原耒井