松風に関連した俳句の例をまとめました。
松風を含む俳句例
初午や松風寒き東福寺/蝶夢
松風に千の波引く涼み台/原裕
松風や俎に置く落霜紅/森澄雄
松風の谺返しや夕桜/小林康治
食堂に松風通る春の昼/桂信子
松風や初荷車の楽過ぎて/波郷
松風の奥に寺ある寒さかな/犀星
いり蠣に軒の松風奪ふなり/曉台
松風や海東に暮るゝ春/尾崎紅葉
川かぜも松風も来て夏神楽/井月
松風も春のものとて暖かに/福丸
冬山や松風海へ吹落す/村上鬼城
松風の謠半ばや春の雨/正岡子規
帰るさに松風ききぬ花の山/巣兆
松風や紅提灯も秋隣/芥川龍之介
滴りや天の松風吹きかはり/康治
松風に耳欹つる春の鹿/清原枴童
穴の明く松風もなし朧月/千代尼
炭の火に峯の松風通ひけり/一茶
埋火に松風落る響き哉/松岡青蘿
俳句例:21句目～
松風の頭巾吹きけり山法師/闌更
夕涼松風とめされ候そ/正岡子規
松風やさばしる水に水馬/長谷川櫂
松風も村雨も秋深き須磨/竹腰八柏
川風も松風も来て夏神楽/井上井月
松風も家督にしたり葛根掘/三津人
帷子や須磨は松風松の雨/正岡子規
松風の落かさなりて厚氷/松岡青蘿
松風す大輪の菊運ばるる/松村蒼石
松風の空や雲雀の舞ひわかれ/丈草
心太に松風落ちぬ桶の中/松瀬青々
松風に紅裏かへせ御忌詣/松瀬青々
忘れ庵檜風松風しだのかぜ/中勘助
松風の説法長し施米受く/松瀬青々
松風にうはずるこゑの鳥の恋/原裕
松風の降らせる塵や弓始/上杉緑鋒
松風の落葉か水の音涼し/松尾芭蕉
松風の價をねぎる殘暑哉/正岡子規
松風に玉取終へし神の楽/斎藤滴萃
松風に風鐸かなで常楽会/亀井糸游
俳句例:41句目～
夏座敷松風を召され候ぞ/正岡子規
松風の秋ひきたつる葛の花/斎藤玄
松風に揺れゐる舟や沖膾/長谷川櫂
松風に新酒を澄ます山路かな/支考
松風の櫻吹くなり荒御魂/会津八一
松風のふはと添ひけり御帷子/松香
松風の夜々をかたむく炭俵/斎藤玄
松風や仏法僧が修羅の声/清水基吉
墓原や松風たかき旱り空/巌谷小波
松風に鶯老いぬ天竜寺/大谷碧雲居
松風や年の山人の帰る後/内藤丈草
松風や月の障子に法の影/正岡子規
松風や朝寒顔の小鰺売り/村山古郷
松風に驚く松も雨水かな/池田澄子
松手入して松風も村雨も/後藤夜半
松風や膝に波よるあじろ守り/闌更
梅白く松風匂ふ城ほとり/大熊輝一
極月の松風もなし万福寺/石田波郷
山鳥も初松風に耳ひらく/松村多美
潮騒に勝る松風新松子/伊丹三樹彦
俳句例:61句目～
炎昼の松風棕梠と吹き通う/三谷昭
友葬る冬松風の真ッ下に/羽部洞然
秋の夜やよその松風海馬の床/昌夏
松風にふやけて疾し走馬燈/原石鼎
若潮を汲む羽衣の松風に/芋川幸子
蛇穴に入る松風の音の中/井上哲王
護国寺の松風ききぬ年の暮/龍岡晋
鑑真の冬松風は怒濤にて/加藤秋邨
青田風山門を入り松風に/川村紫陽
松風に乾きて涼し由か耳/尾崎紅葉
松風にゆるぐ紙帳や窓の下/内藤丈草
かう～と松風を背に猫交る/久米正雄
松風に碧みてきたる氷かな/岡本高明
松風の納豆仕込む精舎かな/尾崎紅葉
松風の中なる人の懐炉かな/岸本尚毅
松風の畠に落ちて今朝の秋/会津八一
松風の甘酒を吹く出茶屋哉/正岡子規
松風のつのる五浦の秋の月/中村政子
松風の声となりゆく瑠璃鶲/渡辺夏舟
松風の寐覚ばかりか軒の月/松岡青蘿
俳句例:81句目～
松風の涼しき浜の館かな/高橋淡路女
松風に筧の音もしくれけり/正岡子規
松風は潮騒に似て未明の忌/大沢紀恵
松風の松しぐるるや象頭山/広瀬惟然
松風に犬が振りむく秋声忌/田村愛子
松風にはらはらととぶ水馬/高浜虚子
松風の音を汲みあげ釜始/吉川ちしゑ
松風の村雨を呼ぶ団扇かな/正岡子規
松風やしぐるるいろに種の浜/岸田稚
松風や七輪に茄子くべてをり/森澄雄
松風の雨こぼしたる切籠かな/飴山實
二丁櫓や初松風の綴るなか/池上樵人
初松風心の襞にかそかなり/富安風生
利久梅松風に白かげりけり/大熊輝一
松風や時うつりして海苔の寄る/乙二
松風の里は籾するしぐれ哉/服部嵐雪
友二忌の松風とみに激しかり/大牧広
松風や末黒野にある水溜り/沢木欣一
松風の賦をさざなみや早稲遅田/言水
囀も松風もやむ時のあり/大橋櫻坡子
