産湯に関連した俳句の例をまとめました。
産湯を含む俳句例
子安貝二見のうらを産湯哉/其角
龍王湯産湯や下だすう初仏/言水
仏あり産湯の加減指をさす/洞雨
仏法を裸にしたる産湯かな/許六
其のかげん産湯の後よ初湯殿/元夢
春満月産湯に母を過てり/齋藤愼爾
産湯して嬰は夢見の初笑/杉本和子
鉦叩大師産湯の井の濁り/小林修水
大年の顔の覗ける産湯かな/岸田稚
海見ゆる産湯の里の初薬師/児島青波
囀りや産湯の中の手足伸ぶ/佐藤悦子
家康の産湯の水や小鳥来る/成田久子
わが宿の八十八夜産湯焚く/木村蕪城
一月の産湯や艪櫂横たわり/中島斌雄
名月や産湯のごとき山の湖/田中清之
家康の産湯井に来る冬の鵙/老田悦子
寒桜裏口開けて産湯捨つ/加藤美能留
秋風の屏風の蔭の産湯かな/野村喜舟
お釈迦様の尻まだ青き産湯哉/正岡子規
中将姫の産湯井汲みて墓洗ふ/小谷廣子
俳句例:21句目~
万緑やこぼさぬやうに産湯桶/鷹羽狩行
新藁を敷いて産湯の盥置く/斎藤白南子
柚子の昼その一隅の産湯の井/岡井省二
春の野をよぎりて運ぶ産湯桶/野中亮介
産湯子はこぶしをあげて春祭/只野柯舟
白梅の空は産湯の匂ひかな/石母田星人
明るさや仏の産湯こぼれたり/中山純子
種籾を浸せりむかし産湯桶/青柳志解樹
竹落葉鎌子産湯の井戸埋める/内海良太
温泉ありて産湯三日湯露の宿/木村蕪城
囮鳴かせもう用のなき産湯桶/宇咲冬男
鎌足の産湯井へ踏む落穂かな/石川纓子
霜の声産湯をわかす眼に鼻に/石川桂郎
音立てて産湯捨てらる霜の庭/鈴木松山
草茂る産湯浴びしはこの辺り/佐伯志保
ひと波にしづまる産湯鶴の天/赤松ケイ子
冬座敷筆子産湯の井戸が見ゆ/岡部六弥太
新樹光産湯に伸びて子のふぐり/今瀬剛一
産湯出て足型とられゐる寒暮/赤松けい子
翅や種や原色ささえる産湯の中/籾山和子
俳句例:41句目~
芭蕉実に金気のはしる産湯の井/宮坂静生
野分の夜産湯の中にガーゼ流れ/中嶋秀子
ちんぽこのたしかに産湯あふれしむ/伊賀草
啓蟄の産湯に泣かず強き男の子/田川飛旅子
若井汲むわが産湯にも汲まれし井/新田道子
杏咲く根へ捨てゐるは産湯ならぬ/加倉井秋を
孫の産湯のさし湯手伝う日の障子/田川飛旅子