階(きざはし)に関連した俳句の例をまとめました。
階(きざはし)を含む俳句例
五十八階全階の秋灯/辻桃子
階に御鬮のちりや初詣/橙黄子
鶏逃げし石の階日向ぼこ/原裕
餅花や昔ながらの箱階子/抱一
九階の秋風入れて点滴を/町春草
藩校の階花屑積らせて/高澤良一
蕗の薹階も小幅に女寺/花田春兆
秋蝶や硫気痛みの神の階/岡本眸
八階の裸に赭く製鉄所/和知喜八
春の夜や階多き蓼雨亭/田中冬二
身のうちに紅の階雛飾る/辻桃子
粧初め御階がかりや屋台姫/才麿
蜻蛉を十四階の景として/橋本博
空蝉や妻に肩借す寺の階/原石水
経堂を出て階や昼の虫/石井露月
藩校の階花屑積らせて/高澤良一
秋蝶や風の柱の螺旋階/橋本榮治
秋乾き朱塗の階の廓あと/田中翠
春暖炉屍室への階深閑/徳武和美
千段の久能の階の落椿/伊藤柏翠
俳句例:21句目~
玄室の階の数歩や霜柱/斉藤夏風
鶴翼の五層裳階の城の雪/上村占
階の幅員ひろし牡丹寺/高澤良一
階子して花屋が室を山櫻/泉鏡花
高倉へ一本の階月桃花/堀口星眠
水取の登れば増える階よ/出口善子
新しき毛布抱へて階登る/岡田史乃
経団連十三階の黄の造花/松本文子
階攀ず足許を見て椿見て/高澤良一
いやはやの島の階初弁天/高澤良一
海底も暑しと階を登りくる/辻桃子
八階へ春昼遅々と昇降機/吉屋信子
浜庇串海鼠の階子掛けにけり/難会
きざはしに浮根息づく除夜篝/原裕
癌育つ身の影折れて月の階/岡本眸
病棟の六階にゐて望の月/安藤芳子
空の蝶大息吐息/無音階/中田敏樹
地下工場鋼鉄の階幅広き/細谷源二
玉階の竜を覆ひて牡丹雪/山本歩禅
枯急ぐなり海底へ岩の階/平岡道代
俳句例:41句目~
絵画展出て秋天に階を下り/上野泰
大凧や階子に並ぶ庭の隅/正岡子規
人の親の翦羽子取りに長階子/梅室
西日射す船艙へ階垂直に/岡田貞峰
灯台に螺旋階あり秋高し/池田秀水
島唄は半音階よ夜の秋/石川星水女
御階近く大菊の花亂けり/正岡子規
階攀ず足許を見て椿見て/高澤良一
階に池に落花の選り好み/高澤良一
螺旋階登り屋上の鳩に逢う/三谷昭
寂として残る土階や花茨/高浜虚子
いやはやの島の階初弁天/高澤良一
階落ちて音なきボール卒業後/林翔
雛段の高きへ登る紅き階/山口誓子
雪に寝て胸中の階きしみ鳴る/原裕
螺旋階夜風と廻る巴里祭/伊藤京子
絨毯の階ばらの闇に出づ/岸風三樓
階より蝉時雨して光堂/市野沢弘子
日傘売場次第に沈む螺旋階/佐野美智
朝寝せり幼き跫音階鳴らし/堀口星眠
俳句例:61句目~
階の壁を見上げて蟻の居り/高澤良一
春の雪降る下宿屋の階軋む/対馬康子
六階の売籐椅子に腰も掛け/高木晴子
冬ざるる階高きほど水の艶/対馬康子
冬の鵙荷役いたみの石の階/石田晶子
きざはしに一刷けの雪初詣/勝又水仙
春寒や二条陣屋の階きしむ/上埜チエ
磯菜干す伊豆権現の石の階/小林蛍二
出水禍の石段のこす階十三/福田蓼汀
磯宮の階の険しや海桐の実/大平芳江
直立の島の菜殼火天への階/伊藤敬子
閑古鳥靄明るめる苔の階/柴田白葉女
金堂を裳階で囲み籠りたり/和田悟朗
きざはしに浮ぶ残月実朝忌/山中正己
畦焼く火闇に階なし啄木忌/小原啄葉
千枚田海への階となり青む/千田一路
踏台に階の二段や日の盛り/鈴木鷹夫
春月と音痴が登る螺旅階/やしま季晴
きざはしの下や夏山三万里/正岡子規
城欠けてあらは階立つ鰯雲/桂樟蹊子
俳句例:81句目~
時雨るゝや々暗き十二階/芥川龍之介
きざはしの下観桜の庭草履/後藤夜半
誘ふ碧落墓への階も一人幅/香西照雄
初寅の雪のきざはし鞍馬寺/岸風三樓
煖房や八階にして窓に不二/鈴木花蓑
螺旋階に音楽おこる春の館/伊丹公子
大船の階子をあげる霙かな/正岡子規
暖流の族の階に冬日届く/中戸川朝人
奥宮の階に綿毛や暖め鳥/鳥越すみこ
文廟に菊の丈なる階を攀づ/桂樟蹊子
子を抱て御階を上る御修法哉/炭太祇
蜻蛉も階なしてとぶ立石寺/土屋巴浪
寒月へのぼる靴音螺旋階/近藤甚之助
山小屋の階を抜け行く夏の蝶/朝日子
死の階は夜が一段落葉降る/西東三鬼
新樹光長和殿の階昇りけり/加藤元子
火の階となる火祭の石の階/田渕成水
階の壁を見上げて蟻の居り/高澤良一
渡り鳥湖心の階をのぼりつめ/原和子
拭きこみし酒蔵の階新走/深見けん二