衆に関連した俳句の例をまとめました。
衆を含む俳句例
囀や杣衆が物の置所/原石鼎
短夜や同心衆の川手水/蕪村
踊衆に酒振舞ふや山頭/原石鼎
元日や関東衆の国ことば/許六
囀や衆僧粛と入堂す/森定南楽
梟の懶き刻か念仏衆/甚上澤美
上戸衆の物が降けり五月雨/丸石
峰入の古里衆に合流す/粟賀風因
忘年会隣は丹波篠山衆/橘/正義
鉱山祭街を貫く踊り衆/山城やえ
狼に寒鮒を獻す獺の衆/正岡子規
寒月や衆徒の群議の過て後/蕪村
将門が顔して神田祭衆/愛澤豊嗣
岳王の墓裏冷ゆる衆の中/石寒太
凧持て風尋るや御伽の衆/炭太祇
裃に威儀の講衆十夜寺/三輪温子
初午や百姓衆の羽織紐/細川加賀
菊河に公家衆泊めけり銀河/蕪村
緋縮緬着て男衆六斎会/東野鈴子
更衣回心衆の十手かな/夏目漱石
俳句例:21句目~
穴子漁船待ち顔の嬶衆/高澤良一
祭衆ひとりは朝日顔に浴び/信子
水祝呉服所衆は京言葉/中川四明
町衆の振舞酒や除夜詣/平城薩を
豆を撒き大群衆が総崩れ/塩川雄三
講の衆まつ先に来て花祭/漣/湖山
諏訪衆に風の集まる氷湖かな/原裕
伊賀衆の番所の庭や鬼薊/野原春醪
水蜜桃固き歯応へ衆他縁/石塚友二
渋うちは一見詩人烏合衆/加藤郁乎
鰤衆の湖中綱曳ただ叫ぶ/本多静江
鯖雲に入り船を待つ女衆/石川桂郎
衆星の嚮ふ北斗やつかさ召/森無黄
棒に寝て田植衆らが畦枕/石塚友二
薫風や衆門なべて芳しく/小出秋光
町廻り衆休む夜こそあれ子規/沾葉
花会式幼なじみの鬼の衆/山口素基
方言を違へて次の遍路衆/湯川河南
旅の衆朝が来たよと峡燕/高澤良一
花ぞ雲動ぎ出たる龍野衆/井原西鶴
俳句例:41句目~
春風にこかすな雛の駕籠の衆/荻子
毛見の衆の舟さし下せ最上川/蕪村
時雨忌の孤心衆心こもごもに/照敏
江戸衆や心は山家ほととぎす/調鶴
家中衆のしのびしのびや年忘/召波
寒声の連衆のそろふ余波かな/浪化
首一つ衆に抽んづ霾晦/中戸川朝人
顔見世や裏方衆も顔馴染/丸山綱女
月の出の峠振り出し鳥追衆/下田稔
江戸衆に見枯らされたる桜哉/一茶
村の衆手拭い首に虫送り/高澤良一
猪狩の衆を恃みて押通る/細川加賀
場所入や関取衆の夏羽織/太田南岳
連翹や黄母衣の衆の屋敷町/炭太祇
賀茂衆の御所に粉るる祭かな/召波
白瓜を提げて越路の女衆/川崎展宏
一番茶すみし日焼の女衆/澤木欣一
一番茶終り日焼けの女衆/沢木欣一
檀徒衆率ゐて花の本願寺/渡辺笠峰
江ノ電を跨ぎ出立面掛衆/高澤良一
俳句例:61句目~
甲賀衆のしのびの賭や夜半の秋/蕪村
男衆が添水直すや山の庵/愛原のぞみ
男衆出かけてをるで橡の餅/如月真菜
病棟に病連衆ありてまり花/石田波郷
秋風に眉ひりひりと笛の衆/鈴木鷹夫
立見衆凹み出っ張り面掛祭/高澤良一
篝火にえぶり衆の揃ひ踏み/岩沢/京
練行衆隔つ修二会の荒格子/伊東宏晃
美濃衆と駅で落合ひ初吟行/高澤良一
能登衆と一夜の酒を温めむ/桑田青虎
花すゝき大名衆をまつり哉/服部嵐雪
若鮎の衆を恃みて遡りくる/山部淑子
茶揉み衆渋手拭の色も競う/山中蛍火
荒神輿河岸衆鰹だかりなり/荒井正隆
菊川に公家衆泊けり天の川/蕪村遺稿
ヤン衆の唄なき浜の二輪草/上原律子
衆にして孤なりける白遍路/杉本雷造
万灯引く衆の白足袋白法被/高澤良一
衆僧にしらむ障子や常楽会/三星山彦
衆徒の先ずもの申しけり薪能/稲岡長
俳句例:81句目~
衆恃むごとく泡立草咲きぬ/岸風三樓
西馬音内衆踊る姿は雁の列/高澤良一
踊衆にきまつてゐるや甘庶盗人/篠原
六斎や太兵古帯のはやし衆/村井静子
冬三日月男宮詣での篠島衆/高澤良一
逃げ惑ふ衆に鬼会の鬼猛り/川上紅二
連衆の数だけ並ぶ夏座布団/星野恒彦
初午や背戸で煮炊きの女衆/角田廣子
初荷衆街角の風に声あげた/原田種茅
連衆の数をたのまず鉦叩/佐々木六戈
医王晴れ雪囲ひ解く門徒衆/庄田春子
連衆揃い断種始まる罌粟の家/仁平勝
鉦衆はみなうら若し鉾囃子/中田余瓶
鉦講の衆と十夜のコツプ酒/茂里正治
鉾衆にかちわり氷振舞はれ/野崎方道
后陵まづは拝みて毛見の衆/鷲見明子
門徒衆泊りがけなる雪卸/風間みきを
命水掛けて鎮もる会陽衆/田中久仁子
国衆は舞子が好きでとし忘/黒柳召波
地借衆へ一枝づゝやもゝの花/炭太祇