嗅ぐに関連した俳句の例をまとめました。
嗅ぐを含む俳句例
麻薬嗅ぐ犬ゐて暑き国境/堀恭子
若草や馬に嗅れて立つ雲雀/素雪
秋風や鹿の嗅ぎ寄る天の原/原裕
梅を嗅ぐ十年たたば新世紀/原裕
焚火人を犬嗅ぎ廻り~/清原枴童
獅子舞の土嗅ぐ仕種日本晴/一考
猪に闇嗅がれつつ薬喰/矢島渚男
焼嗅し厠へ雨のおかめ笹/石川桂郎
何嗅ぐとなく冬草へ俯せて/中田剛
桐油嗅き駕に蛙を聞夜哉/高井几董
親馬の鼻は子馬の何を嗅ぐ/森田峠
翌朝の踊櫓を犬が嗅ぐ/鳥居美智子
渚嗅ぐ犬と逢ひけり雁渡し/飴山實
山肌を嗅ぎし竜胆日和かな/小池都
干潮の岩に嗅ぎよる孕鹿/古舘曹人
御僧のその手嗅ぎたや御身拭/太祗
令嬢の煙草嗅ぎつつ競馬記者/三谷昭
風を嗅ぐ罠師の村や親鸞忌/高橋一翠
芍薬を嗅ぎ採鹹夫勤め休む/津田清子
下萌を嗅ありく鹿の只一つ/正岡子規
俳句例:21句目~
連れ犬の怖づおづ嗅げり蟇/徳重怜子
牡丹を嗅ぎて鬱々たる不惑/嶋田麻紀
月見草は身の丈の花吾子嗅ぐよ/林桂
訪へば畑に出てをり焼嗅し/石渡/旬
犬耳を立て土を嗅ぐ啓蟄に/高浜虚子
指を嗅ぐ少年蝶を放ちしか/谷口智行
蝙蝠や犬に嗅るゝ油売/菅原師竹句集
祭なり若者が来て蘭を嗅ぐ/中山純子
古狐らしと嗅ぎ居し地へ罠/田丸夢学
眠る子の息嗅ぐ月の兎かな/仙田洋子
秋の雨老犬己が身を嗅ぎて/行方克巳
榊焚き神の匂いを嗅いでみる/穴井太
宮の嗅秋立森のかげろふや/上島鬼貫
春雷やひそと嗅ぎ合ふ犬と犬/原石鼎
父を嗅ぐ書斎に犀を幻想し/寺山修司
飯饐ゆと婢が嗅ぎ妻が嗅ぎ/宮崎了乙
馬塚を馬が嗅ぎをり枯薄/出沢寿美子
暇乞い旁百合を嗅いでいる/池田澄子
花嗅ぎしゆふべは痣を生じけり/金子晉
ハブ捕りの嗅ぎ移りゆく岩根かな/篠原
俳句例:41句目~
マスクして嗅ぐ東京の世紀末/山田径子
素馨なる女を嗅ぎあて古書店に/渋谷道
一鉢のヘリオトロープ愛し嗅ぐ/上村占
紙幣とは雪夜香を嗅ぐためのもの/林翔
赤き花を嗅ぐ尼らみな健康体/和田悟朗
冬ざれや小石を嗅ぎに犬戻る/長谷川櫂
風船を嗅ぎしくろ猫通り過ぐ/加藤楸邨
冬の鹿頚細々と木枝嗅ぐ/長谷川かな女
冬の鹿頸細々と木枝嗅ぐ/長谷川かな女
春日祭粧ひし馬馬酔木嗅ぐ/清川とみ子
狼の嗅ぐ山神の通る岨路/長谷川かな女
霧の中馬は葛の葉嗅ぎわけて/佐野良太
鉢の梅嗅いで息づく寒夜かな/渡辺水巴
里犬や枯野の跡を嗅ぎありき/椎本才麿
かけまくも貂の糞嗅ぐ春の人/後藤綾子
老松の風折れ口を嗅ぎに行く/永田耕衣
啓蟄や跼みて犬に髪嗅がる/稲垣きくの
かはほりは月夜の襁褓嗅ぎました/篠原
白百合を臭し臭しと独り嗅ぐ/三橋敏雄
男老いて春草の根を嗅ぎ見哉/永田耕衣
俳句例:61句目~
嗅水の止まれば秋の水であり/澤田久子
つまさきだち緑蕚梅を嗅ぐ男/高澤良一
夏草や牛の嗅ぎよる馬若き/能村登四郎
捨水をこほろぎの嗅ぐ山の暮/進藤一考
太刀持ちを犬や嗅ぐらんうめの花/几圭
子供等の梅嗅きまはる垣穂哉/尾崎紅葉
支那の嗅煙草の壷に海霧深み/猿田咲子
薔薇嗅ぎて去る黒髭の郵便夫/辻田克巳
猫の子に嗅がれて居るや蝸牛/椎本才麿
薔薇を嗅ぐわかき廷丁冬の景/飯田蛇笏
炎天の石灰馬が掲示を嗅ぐ/田川飛旅子
少年が少女に砂を嗅がしむる/阿部青鞋
猟犬の嗅ぐ香うすれし青麦畑/右城暮石
薊嗅ぐわが内の北冥かりき/河原枇杷男
猟犬の嗅ぎとゞまりし焚火跡/右城暮石
猟犬が嗅ぎていぶかる兎罠/米澤吾亦紅
蓼嗅いで犬いつ失せし水辺かな/原石鼎
牛守の花見に牛の嗅ぎ寄れり/太田土男
落葉なか犬の嗅覚のがすなし/林原耒井
焼山を嗅ぐ父祖のごと獣のごと/大串章
俳句例:81句目~
幼な子が鼻よせて嗅ぐ蘭の花/細見綾子
落花嗅ぎ年寄る象の浜子さん/高澤良一
茶を嗅ぐや耳に黄鐘調をなす/高浜虚子
猫の子が往診鞄嗅ぎに来し/福島杜子夫
犬が来て人の足嗅ぐ農具市/新谷ひろし
黒牛が駅に顔入れ菜の花嗅ぐ/加藤楸邨
鼻つけて牛の嗅きたる木芽哉/正岡子規
鼻つけて牛の嗅き居る木芽哉/正岡子規
鼻つけて牛の嗅ぎ居る木芽哉/正岡子規
わが墓を嗅ぎあてにけり揚羽蝶/宗田安正
七夕や若く愚かに嗅ぎあへる/高山れおな
兄現れて麦稈を嗅ぐ不貞かな/宇多喜代子
冬の河われに嗅ぎより犬去れり/加藤楸邨
冬野の犬回帰してその空虚を嗅ぐ/竹中宏
凡夫たり茉莉花の香を強く嗅ぎ/攝津幸彦
古びたる冬帽のまま薔薇を嗅ぐ/細見綾子
名月や先づ蓋とって蕎麦を嗅ぐ/服部嵐雪
夏の駒山梨の花嗅ぎて去る/長谷川かな女
安否まづ嗅ぎ合ふ白狗聖樹の下/香西照雄
寒林をぬけ来し犬を犬が嗅ぐ/平井さち子