絵硝子を含む俳句例
絵硝子に透けて秋風鮮かに/照子
蝸牛聖パウロの絵硝子に/細川加賀
聖堂の絵硝子密に深い夏/伊丹公子
永き日の絵硝子の紺そして赤/日原傳
絵ガラスの聖書物語新樹光/守屋房子
絵硝子の聖母明るし春の雪/内藤吐天
絵硝子の藍の涼しき神学部/石田克子
絵硝子のひかりの中へ山の蟻/朝倉和江
絵硝子のユダとイエズス冬旱/長谷川双
絵硝子の秘色をぬすむ揚羽蝶/朝倉和江
絵硝子の聖母の素足リラの花/沢木欣一
絵硝子の見える裏道飛ぶ天使/伊丹公子
絵硝子のやうな星出づ夕野分/朝倉和江
絵硝子の一色の寒すみれ買ふ/神尾久美子
切凧の絵硝子打ちて落ちにけり/小西藤満
初日影透く絵硝子の聖母子像/瀬川苳喜子
絵硝子に秋磔像の肉ひかる/鍵和田ゆう子
絵硝子に冬日の咲ける葬儀ミサ/大石悦子
水霜の絵硝子ユダを容れにけり/長谷川双
絵ガラスのマリアにふれて桜散る/杉本寛
俳句例:21句目~
絵ガラスの紅に溶けたる海紅豆/木内岳南
絵硝子の外は枯葉のしきり降る/丹羽好岳
絵硝子の彩染む木椅子露けしや/内藤吐天
絵硝子の日にやすらへり冬の蝶/一瀬昭子
絵硝子の羊まどろむクリスマス/大島民郎
ひとり祷る絵硝子つるべ落しかな/出口孤城
絵硝子の初日に頬を染めてミサ/水田むつみ
受難日の絵硝子のほか燭も消え/八牧美喜子
残雪へ絵硝子を見しあとの飢ゑ/田川飛旅子
絵硝子にまどろむ蛾あり神父留守/大島民郎
絵硝子に百合に木椅子の固からず/桂樟蹊子
聖夜の燭絵硝子わづか浮かびけり/小池文子
絵ガラスのひと色が好き赤とんぼ/北川みよ子
オルガンに絵硝子の夏日灯と紛ふ/殿村菟絲子
聖絵硝子涼しゆかりはさだめへと/平井さち子
絵硝子のイエスも梅雨に入りにけり/細川加賀