十五を使用した俳句

俳句例:201句目~

八月十五日春画上半の映画ビラ/中村草田男

十五夜の雲のあそびてかぎりなし/後藤夜半

十五夜の灯をほと洩らし百姓家/長谷川素逝

みんみん鳴くゆふぐれ八月十五日/角川春樹

百薬のかおりの十五夜ふるさとよ/館岡誠二

十五夜の日付けを丸く囲みけり/鈴木とみゑ

一月十五日取手利根川川原四句/八木林之介

起きし音の暗し師走の十五日/長谷川かな女

西の山起きているなり十五夜の/鈴木六林男

たのしまぬ横顔ばかり十五夜の/鈴木六林男

十五夜を絵本のやうに泣きに泣く/川崎展宏

身を屈する礼いくたびも十五夜に/西東三鬼

十五夜の耳かきがあァ見つからぬ/池田澄子

十五夜の観世の庫裡の句座くらく/小原菁々子

味噌つきより七十五日なり花の春/エド-似春

十五夜のルーペを置いて立ち上がる/池田澄子

十五夜のはや手にとどく柿はなし/馬場移公子

十五夜のてのひらに取る和菓子かな/花尻万博

十五夜のうさぎ跳べ跳ベハンドベル/吉原文音

十五夜の草くるぼしを没しけり/久保田万太郎

俳句例:221句目~

十五夜の照るまでうんか田を払ふ/百合山羽公

機上十五夜ひとり落語を聞いており/寺井谷子

八月や六/九-十五と生きて来し/相原左義長

十五夜のさやけさのわが湯殿まで/田阪千恵子

十五夜の君よしばらくはかなくあれ/高澤晶子

十五夜の三和土をよぎり霊その他/鈴木六林男

チンドン/と/逝かす/大正十五年/浅海明龍

二度の厠十五夜の月澄み切んぬ/飛鳥田れい無公

蛾が一つ十五夜の灯をめぐりをる/阿部みどり女

火を振りおらぶ子に十五夜の月くらき/太田鴻村

八月十五日海老ふかぶかと腰をまげ/大木あまり

十五夜にこだましてゐる町の鍛冶/阿部みどり女

我が年に今宵十五夜の月見かな/池浦知仲妹-十五才

戦ひを終生にくみてをりし父八月十五日早朝に死す/外塚喬

戦争を知らぬ生徒と黙祷す八月十五日正午に立ちて/市村八州彦

不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心/石川啄木

しんかんと十五夜の時空を満たしめて銀河鉄道わが淀川は/高比良みどり