罪に関連した俳句の例をまとめました。
罪を含む俳句例
氷裡の波親鸞已来罪の鉤/竹中宏
更衣みづから織らぬ罪深し/園女
暖かに着て罪深し御忌小袖/草阜
人のなす罪より低し雲の峰/一茶
今迄は罪もあたらぬ昼寝哉/一茶
稲雀罪と思はず稲を食ふ/茨木和生
夕立や我罪ゆるせ天つ神/寺田寅彦
罪ふかき小袖の下の紙衣かな/管鳥
蛍よぶ女は罪の聲くらし/松瀬青々
妙齢の逝けるは罪や碇星/佐野鬼人
前の世の罪許されて二人静/檜紀代
刑冠の上の罪標秋の風/野見山朱鳥
花束に埋れ罪障なきに似る/三谷昭
花の雨ことしも罪を作りけり/一茶
瓜の花密通の罪今あらず/辻田克巳
火取虫書よむ人の罪深し/正岡子規
少年の罪の数ほど椿落つ/前田好美
山寺や酒のむ罪の蝿辷り/正岡子規
三ヶ日夫の罪障計算す/上野さち子
上手ほど罪おそろしき鵜縄哉/多少
俳句例:21句目~
鉢叩經しらぬわが罪深し/正岡子規
杜若切リすて罪と罰を戯る/仁平勝
滅罪の寒の夕焼法華尼寺/津田清子
滅罪の国分尼寺跡桃清ら/細見綾子
庵の夜や寝あまる罪は何〆目/一茶
罪一つ風船葛割りしこと/福神規子
蟻つぶす罪も加えし夜の畳/花谷和子
滅罪に来しか山鳴り青青と/和田悟朗
おそろしや寝あまり夜の罪の程/一茶
虹の中籠負ひ戻る罪ある如/岩田昌寿
花の昼罪量りゐる閻魔堂/山口超心鬼
背信の罪軽からず冬の虹/稲垣きくの
己が罪匿すにも似て火を埋む/松永珠
耕さぬ罪もいくばく年の暮/小林一茶
しら露やあらゆる罪のきゆる程/一茶
平穏は罪のごとしや鳥渡る/田部谷紫
羅にただよふ罪の匂ひかな/小林康治
罪障の消ゆ如流るお札かな/関谷嘶風
罪ありしは桃色時代七変化/香西照雄
金柑の罪浄めつゝ花ひらく/攝津幸彦
俳句例:41句目~
指輪失う罪は夏至光砂利の山/渋谷道
身の罪を水に流すか流燈會/正岡子規
秋天下軽き罪持つ少年よ/成瀬正とし
何か罪犯せるごとし昼寝覚/大熊虚阿
雪月花美神の罪は深かりき/高屋窓秋
傾城の罪をつくるや紅の花/正岡子規
身の罪を水に流して流燈會/正岡子規
鶺鴒や罪なき石を叩きけり/保坂リエ
光なき卯浪が晒す斬罪岩/下村ひろし
明易や愛憎いづれ罪ふかき/西村和子
六月や太夫となる身罪深し/正岡子規
一藩の罪を脊負ひし墓の秋/白川朝帆
春暁や罪ほの暗く胃に残る/横光利一
毛虫焼く生殺の罪覚えつつ/高木克朗
春雷や妻を欺くは罪ならず/青木重行
アネモネや罪なき母の罪深し/皆川燈
一隊の罪があかるし夜の原/阿部完市
昼顔や罪のかたみの影法師/二村典子
法華寺の減罪の凍て畳より/井沢正江
触れて罪許さるるかに夏薊/荒木洋子
俳句例:61句目~
名月や芋ぬすませる罪深し/正岡子規
暮春にて表紙の赤き罪と罰/福谷俊子
米蒔くも罪ぞよ鶏がけあふぞよ/一茶
曼珠沙華わが満身に罪の傷/木下夕爾
田を植えるいち人の罪静かなり/徳弘純
秋の夜の酒諫めしは罪なりしか/岡本眸
罪とは何夏手袋に聖書耀る/秋元不死男
罪なうて配所の月や佐渡生れ/榎本其角
いまは人妻藁塚に罪一つ秘め/鈴木正治
かすみ草と霞/法華滅罪之寺/阿部完市
罪の不安夕焼けの影みな森と/加藤楸邨
がゞんぼや筆走らする罪深し/清水基吉
罪の如ストマイつんぼ草蜉蝣/石田波郷
罪の掌に聖書は重し冬の虹/成瀬櫻桃子
罪の重さが額づくときの草いきれ/楸邨
罪もうれし二人にかかる朧月/夏目漱石
罪もなき姥が出立や花ざかり/服部嵐雪
罪もなき配所に秋の暮かゝり/正岡子規
罪一つ増えし春暁雨に覚め/田川飛旅子
罪深げにも仏手柑の指の先/後藤比奈夫
俳句例:81句目~
罪障のごとしその根の落椿/橋本多佳子
老いゆくを罪と思はず百日紅/横山白虹
苔の花々一つの罪を祝福す/八木三日女
茎のぼる毛虫黄色い罪持つて/今村/祐
やぶ入りや罪つくりたる文ひとつ/素丸
やわらかき罪重ねいる八重桜/松本恭子
わが罪はわが前背より日雷/中村草田男
わすれな草咲く畦道も斬罪址/沼澤石次
落花生喰ひつゝ読むや罪と罰/高浜虚子
遍路宿白衣ならぬは罪めけり/影島智子
雁瘡を罪あるごとく隠しけり/岡田久慧
雪囲罪晴れしごと解かれけり/政二廣志
鵜川原に滅罪の石積みありし/松井利彦
偸安や罪負ふごとく地蟲出づ/小林康治
僧の老の鳴子引く罪後世近し/正岡子規
光得れば囀りも得ぬ罪無き如/香西照雄
冬日中鮟鱇吊られ罪あるごと/小林康治
冬薔薇や聖書に多き罪の文字/原田青児
冬銀河罪負ふごとく徹夜稿/橋本美代子
凍て湖に焚火せし罪測られず/津田清子