釈迦を使用した俳句

俳句例:201句目~

ひとしきり雪の降りたる寝釈迦かな/角川春樹

二三枚紫蘇摘んでくる釈迦の弟子/岩淵喜代子

一人寄りどつと寝釈迦へにじり寄り/藤田湘子

あばらもて尊者歎かふ寝釈迦かな/赤松けい子

しれぬ世や釈迦の死跡にかねがある/井原西鶴

緑地に釈迦の子午線がかげ打つてゐる/加藤郁乎

経師屋に撫でられてゐる寝釈迦かな/阿波野青畝

梅寒し塔の南無釈迦牟尼仏を誦す/阿部みどり女

弟子たちはやつれ寝釈迦はふくよかに/森口慶子

釈迦弟子の目玉を剥きてねぶたくる/若井嘉津子

まんなかにごろりとおはす寝釈迦かな/日野草城

蠅たからせてゐるや寝釈迦の如く父/八木三日女

日もあやに釈迦が涅槃に入るところ/相生垣瓜人

おん唇のもの言ひのこす寝釈迦かな/鍵和田釉子

燭ゆれて寝釈迦まばたきしたまへり/岡本無漏子

黄沙降る地に触れたまふ釈迦の御手/伊藤いと子

ひとり去りひとりぬかづく寝釈迦かな/百合山羽公

かんばせのゆたかに在す寝釈迦かな/吉武月二郎句集

釈迦は弟子増やし給ひぬお風入/小笠原和男「方寸」

釈迦と共寝のひと夜曉けゆくほととぎす/伊藤いと子

俳句例:221句目~

明易き雲がはなるる寝釈迦山/豊長みのる「阿蘇大吟」

宇宙より己れを観よといにしへの釈迦キリストもあはれみ教えき/窪田空穂

釈迦もまた死にてゆきにきそのときに娑羅双樹のした夜しづかにて/二宮冬鳥