俳句例:201句目~
初夏だ初夏だ郵便夫にビールのませた/北原白秋
だばこちさ寄れと夜汽車の麦酒かな/平井さち子
妻老ゆるともゆたかなるビールの泡/榎本冬一郎
ミズコブの突きだしビールうまかりき/高澤良一
ビール缶握り潰せる汝を愛す/中西夕紀「都市」
ビール酌むや殺し文句もよしと聞き/稲垣きくの
麦酒の泡を吹くバルコニーの微風かな/島田青峰
暖房にビールの酔のいまださめず/久保田万太郎
オーダーのビールさうだなハイネッケン/高澤良一
ぐしよぐしよに濡れ戻りたる夜のビール/石塚友二
人もわれもその夜さびしきビールかな/鈴木真砂女
手に指があってビールのコップに取っ手/池田澄子
白夜更く琥珀の濁りの白ビール/関森勝夫「親近」
ビール箱に茄子を栽えけり窓の下/獨吟/岡本綺堂
ビールますますうましアンデスポテトかな/高澤良一
波郷曰く生ビールのむ時「天下腹中に来る」/橋本夢道
麦酒のむ椅子軋ませて詩の仲間/林田紀音夫「林田紀音夫句集」
しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星/荻原裕幸
今宵飲むビールは鉄の味のして凜きまで肉のおもひは滾る/小野興二郎