俳句例:201句目~
キウイ転んで輝くうぶ毛/誕生日/伊丹啓子
ほほづきにえり子十二の誕生日/鈴木しげを
誕生日のやわらかすぎるトマトかな/林政恵
抱けば顔打つ五月誕生日なる子は/皆吉爽雨
野火ひとつ見えて五十路の誕生日/堀口星眠
冬虹得て虔しむ樹々や誕生日/鍵和田ゆう子
栗おこは言はずに過ぎし誕生日/北村菜々子
熟れ頃も冷え頃も誕生日のメロン/大橋敦子
べつたら漬ばりばり噛んで誕生日/林萬壽美
何ごともなくて湯気立つ誕生日/岸本マチ子
牡蛎すすりからから殻積む誕生日/宮里晄子
誕生日夜ふかき蚊帳に子がならぶ/細谷源二
柚子風呂に己れねぎらふ誕生日/大塚とめ子
誕生日しゅっしゅっぽつぽ炊飯器/夏石番矢
富士爽やか妻と墓地買ふ誕生日/秋元不死男
露霜の誕生日よく晴るるかな/長谷川かな女
すぐ停まる汽車を乗り継ぎ誕生日/太田紫苑
大暑なり訪ひ得し今日師の誕生日/奈良文夫
田を植ゑるたび誕生日めぐりくる/津田清子
梅雨茸を蹴りころがして誕生日/赤城さかえ
俳句例:221句目~
ひめむかしよもぎこそ咲け誕生日/相生垣瓜人
のこる蚊のひとこゑ過ぎし誕生日/秋元不死男
柚子の実を豊かにしぼり誕生日/朝日出とも子
他人に見られるなわが誕生日の虹よ/津田清子
ビアガーデンに夕日まだある誕生日/内田美紗
冬がのぞくなまけごころの誕生日/山本つぼみ
春の夜のオペラは「マノン」誕生日/大石悦子
花石蕗につねのたそがれ誕生日/きくちつねこ
タイムレコードしなしな捺して誕生日/細谷源二
ボジヨレヌーボーいまさら妻の誕生日/浅川青磁
蝉しぐれ子の誕生日なりしかな/安住敦「古暦」
我鬼忌は又我誕生日菓子を食ふ/中村草田男「長子」
パセリまできれいに食べて誕生日/加古みちよ「冬菜畑」