誕生日に関連した俳句の例をまとめました。
誕生日を含む俳句例
青五月叱々々の誕生日/河野南畦
犀川に瑞の春月誕生日/西本一都
姿よき寒鯛母の誕生日/柿沼常子
寒雀何煮る妻の誕生日/中島斌雄
誕生日担ひ屋鯛を売る/細谷源二
苺買ふ子の誕生日忘れねば/安住敦
苺さはに夫買ひ給ふ誕生日/及川貞
鳥曇り誕生日の海見えてゐる/林桂
青饅や夫婦の夫の誕生日/石川桂郎
青芝に夜の雨光り誕生日/佐藤脩一
稿債と咳まだ残る誕生日/窪田久美
秋風を六甲に聞く誕生日/鈴木鷹夫
空映す飛の目や誕生日/赤城さかえ
青あらし柱に牛の誕生日/小原啄葉
湖かくす城山秋の誕生日/松村蒼石
夏菊を母の遺影に誕生日/長野茂子
銃声す枯野の中の誕生日/対馬康子
蹴球の夕べいや澄む誕生日/徳弘純
天の虹田に映る虹誕生日/津田清子
木犀の銀の十字や誕生日/巌谷小波
俳句例:21句目~
木蓮や大地で祝う誕生日/対馬康子
冬薔薇たつた二輪の誕生日/星野椿
煮凝や死後にも母の誕生日/神蔵器
孔雀抱卵鯉産卵す誕生日/堀口星眠
杏煮るわが八十の誕生日/国分七穂
踏青に妻倶し妻の誕生日/西本一都
誕生日昨日と過ぎし冬苺/菖蒲あや
薄氷やも焼かずに誕生日/石橋秀野
誕生日昏き銀河へ機銃音/中島斌雄
菠薐草薹立ち妻の誕生日/西本一都
寝待月揚げ戻り来誕生日/石塚友二
小鳥来よ亡先生の誕生日/池田澄子
煙草消す露金剛の誕生日/巌谷小波
桜漬ふはりと開く誕生日/安斉君子
誕生日午前十時の桐の花/平井照敏
誕生日八方の天昏れ早く/三橋鷹女
寝て思ひだす誕生日夷講/加藤知世子
川千鳥翔つ辺光れり誕生日/伊藤京子
忘れ雪忘れずに降り誕生日/西本一都
雪が降る真中汽笛鳴る誕生日/飴山實
俳句例:41句目~
雪は花と舞ふ恋雛の誕生日/石原八束
風もなき残り戎の誕生日/市野沢弘子
鳥語には鳥語で応え誕生日/藤田静子
鳩歩むすなわち皇后誕生日/村井和一
新樹切り倒してみたき誕生日/皆吉司
新涼の燭ゆれあうて誕生日/飯田蛇笏
春の雪たわわに妻の誕生日/日野草城
春光や児を抱く妻の誕生日/今泉貞鳳
春暁をまだ胎内の眠たさに/野澤節子
昭和天皇誕生日馬場の土埃/遠山陽子
未熟児に誕生日来て鯉幟/大塚とめ子
桜桃や友の誕生日に招かれ/宮坂静生
クリスマス夫と息子も誕生日/調清子
檸檬削ぐひとり明るき誕生日/石寒太
水仙や一日のばす誕生日/五十嵐播水
泉州の水茄子うまし誕生日/松村節子
湯婆に足そろへのせ誕生日/菖蒲あや
ピアノの灯新樹の雨に誕生日/及川貞
牡丹の珠ふくみ汝が誕生日/藤岡筑邨
メロン熟る亡き父在さば誕生日/林翔
俳句例:61句目~
麦の髭揺らす雀や誕生日/大木あまり
秋水を固く握るも誕生日/平井さち子
三輪車土筆踏む吾子誕生日/倉橋羊村
稲架を解き海の広がる誕生日/松浦釉
亡き夫の誕生日なり菊膾/須藤サワエ
空山へ草の絮とぶ誕生日/岩淵喜代子
絆創膏のような皇后誕生日/五島高資
肉少し買つて霜夜の誕生日/宮田正和
花南天こぶりに妻の誕生日/本宮鼎三
花茣蓙の匂ひの中の誕生日/原田青児
蕗の葉を雹穿ち去る誕生日/安達真弓
虫籠に酒吹きたかり誕生日/石川桂郎
誕生日と秋草病床へ通ひ妻/福田蓼汀
誕生日のなか紅梅と竹箒/神尾久美子
誕生日の吾れと太しや炭俵/村越化石
初夏の銀座闊歩す誕生日/伊藤いと子
誕生日夜は浜木綿の白花火/吉野義子
誕生日天は無縁なれど晴れ/阿部完市
誕生日娘を容れ鏡春めくも/山田弘子
誕生日安き鰯を買ひにけり/鈴木花蓑
俳句例:81句目~
十七の誕生日の桜桃の種子/細見綾子
誕生日寒き海のみ見て返す/松尾隆信
卵割る朝きさらぎの誕生日/吉田悦花
誕生日庭に集まる蟻を見て/高澤良一
誕生日愚かな者よ日を余し/多賀寿一
誕生日朝寝も一理電話鳴る/河野南畦
誕生日来る結氷に日の燃えて/早崎明
誕生日飯食い始む星座の前/金子兜太
天子様の御誕生日や鵙の聲/会津八一
天皇の誕生日なり土鍋して/黒田杏子
賀状書く千年さまの誕生日/武田和郎
踏み鳴らす虹の音階誕生日/仙田洋子
雛菊に燭映え皇后誕生日/石田あき子
寒蕨他もうす味の誕生日/能村登四郎
寒風に背筋伸ばして誕生日/菖蒲あや
初蝶に手を振つて児の誕生日/井上美樹
誕生日忘れて過ぎぬえご散りぬ/及川貞
数珠玉を刺す針光り誕生日/北見さとる
こでまりが風に弾んで誕生日/池田文子
春深くおのれに篭る誕生日/久保南風子