波音に関連した俳句の例をまとめました。
波音を含む俳句例
波音強くして葱坊主/山頭火
浪音の今宵は遠し草朧/本井英
横走る渚波音日短し/染谷彩雲
浪音を終始奏上先帝祭/竹腰八柏
波音に寒夜枕を深く当つ/井上雪
波音の改りたり初明り/高浜年尾
波音が月光の音一人旅/坪内稔典
濤音のある夜なき夜も冬籠/蓼汀
襖絵に起る浪音鑑真忌/小畑晴子
萱草に立つ浪音や桂浜/高木晴子
舟屋口洗ふ波音初月夜/久保峰子
波音の中の人声明易し/中村雅樹
刳舟に座れば波音の声/伊丹公子
胸中に波音湧けり藍浴衣/小島健
庭番と濤音を聞く夕霞/鈴木鷹夫
後の雛濤音ひびく床柱/田中英子
波音や弁天様の孑孑に/岸本尚毅
いちにち物いはず波音/種田山頭火
浪音に気づきて跼む苺園/横山白虹
浪音にまろ寝の魂を洗はるゝ/篠原
俳句例:21句目～
浪音にまろねの魂の洗はるゝ/篠原
松の奥浪音涼し御用邸/五十嵐播水
波音を離れて春の月となる/星野椿
波音の高き日続く種浸し/茨木和生
波音になごむ松籟春ここに/及川貞
波音の如き風音十三夜/石川喜美女
波音の筵成したり桜えび/佐野鬼人
波音の暮色まとへり袋掛/西村博子
切株に波音のあり抱卵期/増成栗人
濤音に太鼓ぽと～一の午/河野静雲
波音の引く音ばかり落椿/行方克巳
波音を同行として秋遍路/芳西兌子
波音の早稲田を囃し出雲崎/小島健
浪音も静かに暑し綿の花/高濱虚子
立秋の退く濤音を心拍と/安東次男
波音のいつか遠のく篭枕/上/慶子
波音の昏れし水仙畑かな/行方克巳
濤音の萱にはずみて明治節/齋藤玄
瓢の笛吹けば波音風の音/稲畑汀子
波音の朝の芒に高まりし/奥田智久
俳句例:41句目～
白南風や波音とどく萩城址/塚本清
風音を波音と聞き浦島草/鷹羽狩行
波音を風除少し遠ざけし/稲畑汀子
古道は濤音ごもり新松子/六本和子
舷窓に白らむ濤音秋遍路/伊藤敬子
虫の間磯の波音なかりけり/友水清
蛸壺に波音詰まる昼の虫/白井新一
夕靄のなかに波音小六月/角川春樹
門司小学校波音の運動会/野中亮介
夢にまで浪音重ね年詰る/伊藤京子
闇深し晩涼の浪音を聞く/高木晴子
山越しに濤音聞ゆ十三夜/西山泊雲
帚目に載る波音や西行忌/池田弥生
寶舟須磨の波音聞えけり/正岡子規
かたばみの花に波音休暇村/木村蕪城
濤音の中に千鳥の声すなり/岡田耿陽
濤音のはずみ立待月のぼる/池田菟沙
濤音に近づくわれも冬景色/黒田杏子
濤音に芋のころがる雨月かな/齋藤玄
濤音に犬の追はるる海開き/高澤良一
俳句例:61句目～
はららご飯濤音いつか納りし/岸田稚
ひねもす曇り浪音の力かな/尾崎放哉
波音の蘇鉄にひびく甘茶寺/荻原芳堂
深海の波音聞こゆ立浪草/小玉真佐子
浸蝕の波音背戸に雁供養/岡田波流夫
一ツづゝ波音ふくる夜長哉/正岡子規
波音のせぬは不思議や松露掻/森田峠
一湾の凍て浪音を封じけり/大島早苗
浪音も夏に入りけり健吉忌/茨木和生
冬すみれ石垣は波音に慣れ/山崎正枝
波音や夜目に仰ぎて寒ざくら/及川貞
波音のたえずしてふる郷遠し/山頭火
囀りやよべの波音引絶えて/石塚友二
浪音の部屋にとどけり松納/洞/久子
夏蚕飼夜は浪音に籠りけり/大野林火
波音や不漁鰊場の犬が吠ゆ/清崎敏郎
浪音の空にしてゐる棗の実/茨木和生
波音に榎の実こぼるる港阯/木村蕪城
波音や応挙の銀の屏風より/三浦久子
波音に耽りこころまで海月/吉持愁果
俳句例:81句目～
沖に波音なくためて冬の靄/上窪則子
波音の湖にもありぬ流し雛/神崎/恵
波音のいちにち高し金盞花/水田光雄
波音を豊かに容れて夏座敷/柴田奈美
波音の大王岬の蚊と生れ/波多野爽波
房総の高き波音秋刀買う/長田美智子
濤音の天より硯洗ひけり/菅原多つを
濤音の山の奥より多摩二日/宮坂静生
浪音の冬に入りたる色ヶ浜/森田公司
濤音の賀状深雪の賀状かな/大嶽青児
濤音へあけて炭つぐ置炬燵/石田波郷
波音にくもる裸灯蜜柑選る/石本秋翠
瓢の実につく波音のしらべかな/原裕
浪音にあらがふいのち鬚髯白く/篠原
昨日今日波音のなし白子干/清崎敏郎
波音の高き湖畔を鍋の渡御/廣瀬凡石
実朝忌由井の浪音今も高し/高浜虚子
最はての濤音重ね手鞠唄/古賀まり子
波音は光りと消えて花アロエ/原天明
蓬長け波音人を安からしむ/右城暮石
