俳句例:201句目~
どの部屋にも昼寝の蹠見えてをり/佐野達枝
うつぶして二つのあうら暑気中り/皆吉爽雨
泉へ垂らし足裏を暗く映らしむ/田川飛旅子
昼寝覚む足裏に貨車のひびきと日/原田種茅
小舎人があうらに踏みし菖蒲かな/筑紫磐井
九月の地蹠ぴつたり生きて立つ/橋本多佳子
ボーナスに無縁となりし足裏かな/三沼画龍
朝寒の双手につつむ師のあうら/小島千架子
ボスに對う意志の黒靴足裏濡れ/鈴木六林男
足裏のさざなみしろき近江かな/横地かをる
身をのぼるあうらの応へ青き踏む/皆吉爽雨
干草を踏む蹠ざはり蝉時雨/飛鳥田れい無公
足裏に地のつぶやきを知りつつ歩く/原鈴子
鹿なくや足裏つめたく旅に寝て/鷲谷七菜子
四肢投げて足裏で涼むめをと獅子/平井さち子
寝茣蓙して蹠よごれてゐしを恥づ/林田紀音夫
麦踏みて足裏やさしくなりにけり/沢田まさみ
ふやけたる海女のあうらのみな晝寝/細谷源二
寝て窓へのせしあうらを夕日が染め/川口重美
ひとへものひたひた波の蹠にぬくし/原田種茅
俳句例:221句目~
灼熱を足裏に仰ぐパゴダかな/浅野昭寿「残響」
冷麦すゝるよ嬰児の日を経し子の蹠/磯貝碧蹄館
病者睡て足裏くろし梅雨晴間/石田波郷「惜命」
山河統べてわれあり足うら灼けて立つ/千代田葛彦
涼しさの蹠をのべたる白鳥座/藤村真理「沖歳時記」
男樹の下の晝寝雙の足裏や風ふけよなど/安斎櫻カイ子
食人の竟さみしきろ胸/臀/腿食ひ盡し蹠を食ひ/高橋睦郎