俳句例:201句目～
雪山のひかりのこれりかの夜空/石橋辰之助
梅干して夜空のしめりひろがりぬ/勝田房治
二の酉を夜空にそれと乗る電車/長谷川かな女
枇杷もぎてもとの夜空へ枝を帰す/加倉井秋を
デージーや夜空の星に眠りしか/阿部みどり女
夜空うつくしくなりし山国蚊帳かな/吉田冬葉
針買ひに出た妻に冬青い夜空がある/大橋裸木
玻璃越しの夜空うつくし乙字の日/金尾梅の門
降り足りて夜空むらさき仏生会/鍵和田ゆう子
妻にも母の月日芽ぐみの夜空濡る/千代田葛彦
雪はらむ夜空はふくれネオンばかり/岩田昌寿
たばこ手に出づるや夜空手に沁みつ/原田種茅
ものの芽の伸びて夜空の濃かりけり/柴田白葉女
梅雨夜空ネオンがほしいままにせり/波多野爽波
びわすする夜空ちかぢかありにけり/星野麥丘人
夜空涯なし星/薔薇/同志明日を期し/古沢太穂
櫻濃くジンタかするゝ夜空あり/『定本石橋秀野句文集』
はばからず夜空へ押し出す酔歩なり永遠てふ穴ぼこあらむ/藤本朋世
音たかく夜空に花火うち聞きわれは隈なく奪はれてゐる/中城ふみ子
しんしんと夜空ゆ降り来る宇宙線みえねど石に飛沫きてをらむ/三井修
俳句例:221句目～
存在はかくおぼろにて幾千のこぶしは夜空にまぎれつつ咲く/高橋大造
